来週の注目点:1月の強い雇用統計を受け、地区連銀総裁の発言に注目

 パウエルFRB議長は2月7日の講演で、初期段階ながら財のディスインフレが始まっているとの見方を示す一方、サービス部門ではまだインフレ鈍化の兆しが見られず、インフレ抑制には相当な期間を要すると述べました。労働市場の強い状態が継続した場合、必要な措置を講じる可能性はあると発言し、3月FOMCまではデータを精査するとのスタンスを示しました。

 16日(木)にはクリーブランド連銀メスター総裁とセントルイス連銀ブラード総裁の講演が予定されています。強い1月の雇用統計の結果を受け、インフレや政策金利の見通しに変化があるか注目です。

 米国の経済指標では、14日(火)に1月消費者物価指数(CPI)、15日(水)に1月小売売上高、1月鉱工業生産、16日(木)に1月住宅着工・建設許可件数、1月生産者物価指数(PPI)が発表されます。CPI、PPIは3月FOMCでドッツに対する影響を判断する上で重要です。また、年末商戦明けの消費動向を確認するうえで、小売売上高にも注目が集まります。

 日本では、14日(火)に2022年10-12月期実質GDP(1次速報値)、16日(木)に12月機械受注・1-3月期見通しが発表されます。中国のゼロコロナ政策の転換などを背景に輸出がどの程度回復しているか、7-9月期に伸び悩んだ消費が外出需要の回復で持ち直しているかがポイントです。

 ユーロ圏では、14日(火)にユーロ圏の10-12月期実質GDP改定値が発表されます。成長率が予想に反してプラス成長となり、景気に対する過度な悲観論は後退しましたが、実質GDPでは輸入減による純輸出の増加が寄与した模様であり、国内需要のモメンタムを確認する上で注目です。

(投資情報部 岩崎 晴弥)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2023年2月10日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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