本日の相場動向

 22日の米国株式市場で、NYダウは前日比-321.41ドル(-0.94%)の33,815.90ドルと下落しました。S&P500指数は同-0.92%、ナスダック総合指数は同-0.94%と主要3指数は揃って下落しています。この日は、米国で週間新規失業保険申請件数(4/17週分)の結果が雇用の改善を示したことなどを受け、景気回復への期待が株価を支える場面もありました。しかし、バイデン大統領が富裕層に対するキャピタルゲイン税の税率を39.6%と、現行のほぼ2倍に引き上げることを提案する見通しが報じられると、米国株は大きく下落し、NYダウは一時前日比-420ドル下落する場面もありました。この日は、大型のテクノロジー株の下落も目立ち、主要3指数は安値圏で取引を終えました。

 日経平均先物CME終値は28,915円となりました。日経平均株価の前営業日終値(29,188円)を下回る水準です。足もとのドル円相場は1ドル=107円90銭前後で、前日の15:00時点の108円00銭台からほぼ横ばいとなっています。

 昨日の東京市場では、21日に発表されたASMLホールディングの決算が好感され、東京エレクトロンやアドバンテストなどの半導体関連銘柄が日経平均株価を押し上げました。一方、22日の米国市場ではフィラデルフィア半導体株指数が下落し、引け後には決算発表をしたインテルが時間外取引で下落しています。半導体銘柄は需要拡大の好影響が期待される一方、競争激化により企業間で業績に差が出る可能性も考えられます。

 気候変動サミットでは、日本は2030年度の温暖化ガスの削減目標をこれまでの2013年度比26%減から46%減に引き上げました。46%の削減案については、現状の具体案はなく今後検討していく方針です。仮に具体案が示されていけば、再生可能エネルギーなど環境に資する銘柄への影響には注目が集まります。

 本日は日本、米国、ドイツ、欧州で4月マークイットPMI速報値が発表予定です。4月1日に発表された米国の3月ISM製造業指数は約37年ぶりの高水準となった他、ユーロ圏の3月マークイットPMI速報値でも製造業を中心に良好な結果が目立ちました。4月はワクチン接種が進まずコロナの感染拡大が懸念される地域があるものの、企業決算発表の本格化を控え、引き続き景況感には注目です。

 来週から2021年1-3月期の企業決算発表が本格化します。昨日の引け後には日本電産やディスコなどが決算発表をしました。両社とも実績は市場予想を上回ったものの、会社ガイダンス(予想)が市場予想に届きませんでした。3月調査の日銀短観では大企業の業況判断の「先行き」が前回調査から改善しており、会社ガイダンスが慎重すぎるとの見方もあります。今後決算を発表する企業のガイダンスが、日銀短観に沿った内容になるか注目されます。

野村の新着レポート

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企業

  • 日本電産 – 決算コメント:決算は順調な着地
  • オービック – 決算速報:第4四半期は若干物足りないが概ね想定線
  • レーザーテック – ホトマスクジャパン2021で明らかになった成長機会
  • ディスコ – 決算コメント:四半期出荷500億円の壁を突破

業界

  • ASML1Q決算と半導体製造装置業界 – 半導体設備投資はさらに加速
  • 消費セクター(2021年4月) – 各セクターの投資視点
  • 食品セクター – 再評価のタイミングが近づいてきた
  • 医薬品・医療機器業界 – 22日までに発表の欧米企業決算について

マクロ

  • 日本:なぜ今、週休3日制なのか – コロナをてこに進める働き方改革推進と生産性の向上
  • 国際金融為替マンスリー – 2021年5月 金融政策正常化機運の高まり
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