FINTOS!編集部記事
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2023/12/10 19:00
【オピニオン】2024年・辰年縁起「昇竜」相場となるか
2023年も残すところあと僅かです。今年は、前年からのインフレ加速がピークアウトする中、米国の金融引き締め終了と緩和への転換時期を巡って、株式だけでなく金利や為替など金融市場全体が一喜一憂する一年となりました。さて、毎年この時期に話題となる『干支』。2024年は「辰年」です。過去の辰年の金融・株式市場の動向を振り返ってみましょう。 2024年の干支は、正確には『甲辰(きのえ・たつ)』です。干支は「十干(じっかん)※」と「十二支」の組み合わせで成り立っています。「甲」は十干の1番目。亀の甲羅を形取った象形文字で、植物の循環では「硬い殻に覆われた草木の種子が成長の時を待つ状態」を意味しています。「辰」は十二支の5番目。「蜃(ハマグリ)」の原字で、二枚貝が足を出して動くさまを示しています。また、「辰」は「振(ふるう、ととのう)」に通じ、陽の気で万物が振動し「草木が成長して形が整っていく様子」を表しています。動物は空想上の生物「竜(龍)」が当てられ、古代中国では「皇帝、権力」の象徴です。総じて「甲辰」は、新たな出発や成長、活力に満ちた時期を意味すると捉えられます。2024年は殻を破って成長する「昇竜」の年となるでしょうか。 歴史を紐解くと、前回の「甲辰」は60年前の1964年です。アジア初の東京オリンピックが開催され、並行して世界初の高速鉄道「東海道新幹線」が開業するなど、目覚ましい経済発展で日本が名実ともに先進国の仲間入りをした記念すべき年となりました。 戦前を含めた過去8回の「辰年」の日経平均株価の年間騰落率を見てみると、上昇した年と下落した年の割合は4勝4敗(勝率50.0%)、勝率ランキングでは十二支の中で10位タイと下位に留まります。しかし、年間の平均騰落率は+16.9%で、子年(+39.8%)、卯年(+17.0%、2023年11月30日時点)に次ぐ3位と堅調です。2023年末の日経平均株価を33,000円と仮定して年間16.9%高となれば、24年末には38,000円台半ばまで上昇する計算になります。 十二支にまつわる兜町の相場格言には、『辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり、未(ひつじ)辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ。戌(いぬ)笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁盛、丑(うし)つまずき、寅(とら)千里を走り、卯(うさぎ)は跳ねる』とあります。ここでの「天井」はネガティブな意味ではなく、「高値で推移する」ことを意味します。金融市場では、タカとハトの「竜虎相搏(あいうつ)」のせめぎ合いが続いています。国内では、日銀の異次元金融緩和からの脱却の成否が、日本株復活に向けた「登竜門」となりそうです。東証が一石を投じた企業改革加速への期待や新NISA(少額投資非課税制度)のスタートが「竜頭蛇尾」とならず、「竜の水を得るが如く」2024年の日本株に新たなムーブメントを起こすことに期待したいですね。 ※「十干」とは、「甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)」。「十二支」と組み合わせた「干支」は60年周期で一回り(=還暦)する。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 ご投資にあたっての注意点
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2023/12/10 13:00
【野村の動画】中国EV市場の高成長は続くのか?
中国のEV(電気自動車)市場は、その成長性に注目が集まる一方で、EVが大量放置される「EV墓場」ができるなど、過当競争による弊害も話題になっています。中国EV市場の高成長は続くのでしょうか。動画で解説します。 ご投資にあたっての注意点
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2023/12/10 09:00
【投資と税金】上場株式等の大口株主要件の見直し
令和4年度の税制改正により「大口株主等」の定義が、令和5年10月1日以降に支払いを受ける配当等から見直されました。今回の税制改正で対象となる方は税務署への申告が必要となります。具体的にどのような見直しがあったのか、大手町トラストの税理士に伺いました。 はじめに 本年10月1日以後に支払を受ける配当等について、 「上場株式等に係る配当所得等の課税特例」の対象となる配当等の範囲が見直されました。個人として保有する上場株式等と、法人税法上の同族会社※を通じて保有する分とを合算して持株割合3%以上の大口株主に該当する場合は同特例の対象外となり、課税方式が総合課税のみに限定されるという改正が実施されました。 ※上位3株主グループが発行済株式等50%超を有する法人 上場株式等に係る配当所得等の課税特例 上場株式等に係る配当所得等の課税特例とは、配当所得等の課税方式について、1. 総合課税、2. 申告分離課税、3. 申告不要 のいずれかを選択できる制度をいいます。同特例の適用を受けることができる株主は、「持株割合3%未満」の場合とされており、持株割合3%以上の大口株主に該当すると同特例の対象外となることから、その場合は1.の総合課税のみが適用されます。 具体例(変更の影響を受ける株主) 改正前 株主Aの持株割合は①のみの1.2%と判定され、3%未満のため大口株主に該当しませんでした。 改正後(現行税制) 株主Aの持株割合は①と②の合計3.1%と判定され、3%以上のためAは大口株主に該当し、配当所得等を総合課税で申告する必要があります。 報告書等の提出 10月から配当等の支払をする会社側(上記具体例におけるC社)は、配当等の支払に係る基準日において持株割合1%以上の個人株主について、税務署長への所定の報告書等の提出が必要です。 むすびに 本件は令和4年度の税制改正にて実施が決定しており、十分な周知期間があったと思われますが、大口株主に該当する場合には申告時に注意が必要です。 この資料は情報提供を唯一の目的としたもので、投資勧誘を目的として作成したものではありません。この資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、野村證券は、その正確性および完全性に関して責任を負うものではありません。この資料は提供されたお客様限りでご使用いただくようお願いいたします。詳しくは、所轄税務署または顧問税理士等にご確認ください。 ご投資にあたっての注意点
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2023/12/09 13:00
【注目トピック】2023年の日本株振り返り:日経平均は33年ぶり高値に
市況概況 2023年:日経平均株価振り返り、年前半大幅上昇 2023年の日経平均株価は、1月安値形成後に大幅上昇し、7月高値にかけて上昇傾向が続きました。3月に米国中堅地方銀行の破綻をきっかけに金融不安が広がったものの、米金融当局の迅速な対応もあり、一時大幅安となった米国株は4月にかけて値を戻す動きとなり、日本株の下げも限定的に留まりました。 日本では、①3月末に東証が上場企業に対し、PBR(株価純資産倍率)向上に向けた改善策を開示するよう求め、企業改革への期待感が広がりました。また、②4月に来日した米著名投資家のバフェット氏が日本株への追加投資を検討していると報じられたことをきっかけに、国内外で日本株に対する関心が高まりました。さらに③5月の米半導体大手の決算発表を契機として、生成AIの将来性に注目が集まりました。これらを受けて春以降の日経平均株価は力強い上昇となり、5月には2021年9月高値を超えて約33年ぶり高値をつけました。 7月以降は高値圏での保ち合いへ 7月に日経平均株価が33,753円まで上昇した後は、これまでの急上昇の反動もあり、上値の重い動きとなりました。日銀は7月に長短金利操作の柔軟化を発表、その後10月にも再修正し、10年国債利回りの1%超を容認しました。米国では10月にかけて金融引き締め長期化懸念が台頭し、一時、米10年債利回りが5%となり、16年ぶり水準まで上昇しました。これら長期金利上昇が日米株式市場の重石となりました。 11月に再び保ち合い上限へ しかし、11月に米FRBが2022年の利上げ開始以降初めて2会合連続で利上げを見送り、その後発表された10月の消費者物価指数が市場予想を下回ったことで、これまで上昇してきた長期金利が低下し、株価は反転上昇となりました。NYダウは年初来高値を更新し、日経平均株価は7月高値に迫っています。 2023年の日経平均株価は、年前半に大幅上昇し、その後も高値圏での推移となりました。テーマ面では「生成AI」用途の半導体需要に注目が集まりました。さらに、企業改革への期待感や、海外投資家の日本株への関心の高まりも見られました。今後、各企業が生成AI等の新たな技術をうまく取り込み生産性向上に繋げ、日本経済が新たなステージに入ることができるか注目されます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) ご投資にあたっての注意点
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2023/12/09 08:00
【マーケット解説動画】日経平均、円急伸を嫌気(12月8日引け後収録)
テクニカル展望(12月8日引け後収録) 今週の「テクニカル展望」動画では、弊社の山内シニア・ストラテジストが、チャート分析の観点から、今後の展望や注目点について15分ほどで解説しています。今後の投資の参考にご覧ください。 今週の収録内容 「日経平均、円急伸を嫌気」 1.1週間の振り返り2.日経平均株価:日足3.ドル円:日足・週足4.干支相場5.来週の注目イベント (解説)野村證券投資情報部シニア・ストラテジスト 山内 正一郎 ※動画の終盤に言及している、「アンケート」については、FINTOS!ではご回答いただけません。ご了承ください。 ご投資にあたっての注意点
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2023/12/09 07:00
【来週の予定】12月FOMC開催、FRBの金利見通しは?
来週の注目点:主要国の金融政策会合、日米中の経済指標に注目 今週は主要国で金融政策会合が開催されます。12日(火)-13日(水)の12月FOMC(米連邦公開市場委員会)では金利据え置きと見る向きが大勢です。市場では2024年中に4~5回の利下げの織り込みが進んでいます。FRBの政策金利見通し(中央値)が市場が期待するほどの利下げ幅を示さなかった場合、一時的に市場のかく乱要因となるリスクがあると考えられるため、注意が必要です。 続く14日(木)にはECB(欧州中央銀行)金融政策理事会の結果が発表されます。欧州の景気減速が明確になる中、政策金利はすでに過去最高水準に達しており、ECBは政策金利を据え置くと見られます。 経済指標では、米国で12日(火)に11月のCPI(消費者物価指数)、14日(木)に11月小売売上高、15日(金)に12月NY連銀製造業景気指数、11月鉱工業生産、12月S&PグローバルPMI(購買担当者景気指数)速報値など重要統計の発表が相次ぎます。 中国では15日(金)に11月小売売上高、鉱工業生産、1-11月固定資産投資、不動産投資などの主要月次経済統計が発表されます。低調な内外需や不動産市況の落ち込みが景気を下押しすると見られますが、前年同月が新型コロナ関連の行動規制が強化された影響で低水準だったため、前年比では10月から上向く可能性があります。 日本では、13日(水)に12月調査・日銀短観、14日(木)に10月機械受注、15日(金)に12月auじぶん銀行PMI速報値が発表されます。短観や来春の春闘での賃上げを確認した上で日銀がマイナス金利政策を解除するとの観測が市場では強まりつつあり、日銀短観の結果には注目です。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2023年12月8日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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2023/12/08 19:00
【最新ランキング】日本株、今週の値上がり/値下がり銘柄は? (12月第2週)
日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(上位) 2023年12月第2週(2023年12月1日~12月7日) 2023年12月月間(2023年11月30日~12月7日) 2023年年間(2022年12月30日~2023年12月7日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2023年12月7日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(下位) 2023年12月第2週(2023年12月1日~12月7日) 2023年12月月間(2023年11月30日~12月7日) 2023年年間(2022年12月30日~2023年12月7日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2023年12月7日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 <参考>今週の日本株式市場パフォーマンス 主要指数 TOPIX︓東証33業種 (注)業種分類は東証33業種ベース。直近値は2023年12月8日前引け時点。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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2023/12/08 16:31
【イブニングFINTOS!】日経平均株価、続落 円高進行により、自動車株などが軟調(12/8)
本日の株式市場 本日の日経平均株価は前日比257円安の32,600円で取引を開始しました。前日の米国株式は上昇したものの、為替市場でドル円レートが大きく円高に振れたことに加え、寄り前に発表された実質GDPの2次速報値が1次速報値から下方修正されたことが嫌気されました。寄付き後は徐々に下げ幅を拡大する展開となり、32,300円近辺でもみ合いとなりました。その後は重要指標の11月米雇用統計の発表を今晩に控える中、安値圏のまま推移し、下げ幅は一時前日比652円安まで拡大する場面もありました。引けにかけてやや値を戻したものの、前日比550円安の32,307円と続落して、この日の取引を終えました。 業種別では、原油価格下落を背景に、燃料コストが低下するとの期待が広がり、空運業が前日比+0.51%と上昇した一方で、円高による採算悪化懸念から輸出企業などの株価が軟調となり、中でも輸送用機器の下落が前日比-3.69%と目立ちました。 本日発表予定の海外経済指標等 【米国 】 11月雇用統計 非農業部門雇用者数(前月比:万人) 前月:+15.0 市場予想:+18.0 失業率(%) 前月:3.9 市場予想:3.9 平均時給 前年比:% 前月:4.1 市場予想:4.0 (注)経済指標などの市場予想はブルームバーグによる市場コンセンサス予想。時間は日本時間。(出所)東京証券取引所等より野村證券投資情報部作成 ※掲載している画像はイメージです。 ご投資にあたっての注意点
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2023/12/08 12:00
【今週のチャート分析】日経平均は12月に入り不安定な動き、25・75日線が下支えなるか (12/8)
※2023年12月7日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 軟調な展開が続く場合は、75日線で下げ止まるか注目 今週の日経平均株価は、11月大幅上昇後の反動や、為替が対主要通貨で円高方向に振れたことから、軟調に推移しました。 日経平均株価のこれまでの動きを振り返ってみましょう。日経平均株価は、10月30日安値(取引時間中ベース:30,538円)から11月20日高値(同:33,853円)にかけての大幅上昇後、調整含みの動きとなりました(図1)。12月5日の下落で11月14日~15日のマド埋め(32,836円)が完了し、その後は上向きの25日移動平均線(7日:32,997円)前後の水準で振れ幅の大きい動きとなっています(12月7日時点)。この先25日線を下放れた場合は、これまで何度かフシとして機能してきた75日線(同:32,362円)の水準で下げ止まりとなるか注目されます。仮に同線を割り込んだ場合は、200日線(同:31,089円)の水準がさらなる下値メドとして挙げられます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2023年12月7日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 次に中長期的な動きを確認すると、初夏に33,000円台後半で上値を抑えられた後は、大きな上昇局面内の一旦の調整である「中段保ち合い」に移行したと考えられます。これまでの調整を経て、下落率や調整期間の点で2020年6月~10月末の中段保ち合い時と比較して、既に調整十分となっていると捉えられます(図2、図3)。12月に入り不安定な展開となっていますが、目先の調整一巡後は、再度中段保ち合いの上限突破を目指す動きとなることが期待されます。 (注1)直近値は2023年12月7日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 (注1)直近値は2023年12月7日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 (投資情報部 岩本 竜太郎) ※画像はイメージです。 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点