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【今週のチャート分析】日経平均株価大幅下落も、長期上昇トレンド内の一時的な押しとみる

※画像はイメージです。 ※2024年4月18日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 RSIは売られすぎを示唆 日経平均株価は、地政学的リスクの高まりが嫌気されたことなどから、軟調でした。 チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、3月22日高値(41,087円)形成後に調整相場入りとなりました。4月3日にこれまで下支えとなってきた25日移動平均線(4月18日:39,613円)を割り込み、4月18日には75日線(同:37,844円)を一時下回りました。目先の下値メドとして、昨年10月安値から今年3月高値にかけての上昇幅に対する1/3押し(37,553円)の水準が挙げられます。仮にさらなる調整となった場合は、同半値押し(35,787円)の水準が次の下値メドとして挙げられます。 一方、これまでの下落を受け、RSI(4月18日:26.9%)は昨年10月6日(20.4%)以来の低水準となりました。短期的な売られすぎを示唆しており、この先底入れとなるか注目されます。反発に転じた場合、25日線(同:39,613円)に向け戻しを試す動きとなると考えられます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2024年4月18日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 3月以降の調整は、長期上昇トレンド内の一時的な押しの可能性 次に長期的な動きを確認してみましょう(図2)。日経平均株価は、今年3月高値(終値ベース:40,888円)から、値幅面で約3,000円の大幅調整となっています。チャート面からみれば、これら押しは一時的な調整に留まる可能性が高いと考えています。 まず、今回の長期上昇トレンドである2022年3月安値(24,717円)から今年3月高値(40,888円)にかけての上昇は、上昇倍率で1.65倍となっています。過去の長期上昇トレンドをみると1.6~2.6倍(図2:①~③)であり、そのうち最低の上昇倍率の1.6倍を若干上回った水準に留まっています。 (注1)直近値は2024年4月18日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(注3)日柄は両端を含む。(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成 また、新値累積数値という新高値(安値)の更新回数をカウントした数値をみると、今年3月高値は、起点から8回の高値更新となっています。過去の長期上昇トレンド(図3:①~③)では11~21回の高値更新となっており、同局面と比較した場合、上昇余地があると考えられます。このように、上昇倍率や新値累積数値の観点からみると、今年3月高値以降の調整は、長期上昇トレンド内の一時的な調整である可能性が高いと考えています。 (注1)直近値は2024年4月18日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)2023年12月22日から新値累積数値の起点を天井形成時の高値・底値形成時の安値とした。(出所)日本経済新聞社データ、各種資料より野村證券投資情報部作成 前回の一時的調整局面である、昨年7月高値から10月安値にかけての調整における下落率は9.6%となり、下落期間は3ヶ月でした(図4)。今年3月高値から4月17日安値(37,961円)の下落率は7.2%、下落期間は1ヶ月弱であり、前回の一時的な調整の範囲内に留まっています。前回と比較すれば、日柄面での調整が足りず、この先もしばらく戻り高値を抑えられる可能性は考えられますが、それらの局面は中長期的な投資スタンスに立てば押し目買いの好機と捉えることができます。 (注1)直近値は2024年4月18日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社データ、各種資料より野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点