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03/08 09:00
【オピニオン】日本の長期金利上昇の背景と転換点
※画像はイメージです。 2022年初に0.1%に満たなかった日本の10年国債利回りは、25年2月21日には一時1.467%と、09年以来約15年振りの水準にまで上昇しました。日本の長期金利上昇の背景としては、①米10年国債利回りと連動、②日銀に対する市場の高い利上げ観測、➂国債増発や日銀の量的緩和政策終了による需給悪化懸念といった要因が挙げられます。これらの要因の状況について概観し、長期金利の上昇はいつまで続くのか、またはどのような状況になれば転換点を迎えるのか、について考えてみましょう。 第1は米10年国債利回りとの連動です。22年3月にFRBが利上げに転じて以降、基本的に日本と米国の金融政策スタンスは真逆でしたが、日米の10年国債利回りは高い連動性を保ってきました。24年9月の日本の長期金利の底入れから上昇への転換も、米長期金利に連動した面が大きかったと見受けられます。ただし、米10年国債利回りは25年1月中旬の4.8%程度をピークに低下基調に転じており、それ以降の金利上昇は主に日本固有の要因であると考えられます。 第2は日銀に対する市場の利上げ観測の高まりです。日銀の田村審議委員は25年2月6日の講演で「25年度後半までに少なくとも1%程度までの利上げが必要だ」と発言しました。同氏は日銀内で最も利上げに積極的だと目されています。先物金利は既に1%程度までの利上げを織り込んでいる水準にあることから、インフレや成長率見通しに一段の上振れがなければ、日銀の利上げ期待に基づく金利上昇余地は限定的であると考えられます。 第3は国債の需給悪化による金利上昇です。日本の国債発行残高は対名目GDP比で09年3月末には163%だったものが、直近(24年9月末)には200%に達しています。ただし、発行残高の内、47%程度を日銀が保有しており、市中で消化されているのは発行残高の半分強、名目GDP比では106%に過ぎません。この比率が09年3月末時点では150%であったことを考えると、当時と比べて足元の需給環境はむしろ改善していると考えることもできます(下図参照)。 (注)データは四半期で、直近値は2024年9月末。 (出所)内閣府、日本銀行、LSEGより野村證券投資情報部作成 3月に入りいよいよ春闘が本番を迎えます。また、新年度入りのタイミングで値上げ実施が予想されるなど、季節的にはインフレ期待や利上げ観測が高まり易い状況にあります。当面の間は長期金利が高止まりする可能性は否定できません。ただし、米国の長期金利は頭打ちとなっており、25年度予算の成立とともに国債の需給悪化懸念も緩和することが予想されます。このため、日銀の政策金利の着地点が1%を大きく超えるものではないとの見方が市場に広く浸透すれば、長期金利は転換点を迎える可能性が高いと考えられます。 ご投資にあたっての注意点
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03/08 07:00
【来週の予定】米消費者の期待インフレ率上昇とマインド悪化は続くか
来週の注目点:米物価関連指標と日本の内需関連指標 トランプ大統領は3月4日、カナダ、メキシコに対する25%の関税賦課と、中国に対して追加10%の関税を賦課することを決定しました(追記:6日、米国・メキシコ・カナダ協定に適合する輸入品については、4月2日に相互関税が発表されるまでの間、追加関税を猶予と発表)。4月1日には相互関税に関する調査が期限を迎えることもあり、もう暫くの間は、市場は米国の関税政策に対して神経質な展開を続けることが予想されます。第1次トランプ政権時の米国株市場では、ツイートなどを通じた追加関税導入の示唆は悪材料視される一方、実際の発動を契機に反発するパターンが典型的に見受けられました。この点では、4月2日に関税政策の大枠が確認できれば、市場の警戒感の後退につながる可能性がありそうです。 米国では18日(火)-19日(水)にFOMCを控え、FRBは8日からブラックアウト(金融政策に関する公式コメントを自粛する)期間入りします。経済指標では、12日(水)の2月消費者物価指数、13日(木)の2月生産者物価指数、14日(金)の3月ミシガン大学消費者マインド速報値が注目されます。2月に引き続き3月も消費者の期待インフレ率上昇とマインド悪化の組み合わせとなれば、市場の利下げ観測を後押しし、長期金利低下を促すことが予想されます。 日本では、10日(月)に1月毎月勤労統計と2月景気ウォッチャー調査、11日(火)に1月全世帯家計調査と10-12月期実質GDP(2次速報値)、12日(水)に1-3月期法人企業景気予測調査と2月国内企業物価指数が発表されます。家計調査や法人企業景気予測調査は常に市場の関心が高い指標ではありませんが、海外景気の先行き不透明感が高いことから、内需の成長余力を確認する上で、消費、設備投資関連統計の重要度が増しています。 その他、今週は11日(火)に米国エネルギー情報局(EIA)、12日(水)に石油輸出国機構(OPEC)、13日(木)に国際エネルギー機関(IEA)の3月月報が発表されます。トランプ政権はエネルギー価格の低下を目指していること、世界的なエネルギー需要低下懸念が高まっていることから、各機関の需要・価格見通しが注目されます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2025年3月7日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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03/07 16:38
【野村の夕解説】米株安を受けて、日経平均株価37,000円を下回る(3/7)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 前日の米国株式市場でトランプ政権による関税政策の不透明感が嫌気され、主要3指数が揃って下落した流れを引き継ぎ、本日の日経平均株価は前日比506円安の37,198円で取引を開始しました。米国でハイテク株の下落が目立った事から東京エレクトロンなどの半導体関連株が下落した事に加えて、2024年9月以来約半年ぶりに147円台まで進行する円高米ドル安が投資家心理を冷やしました。寄り付き直後、日経平均株価は下げ幅を広げ、心理的節目の37,000円を割り込みました。その後は、新規の買い材料に欠くものの、割安感に着目した買いが下値を支え36,900円を挟んで一進一退となりました。引けにかけては米雇用統計の発表を本日に控えて安値圏での推移となり前日比817円安の36,887円と反落して取引を終了しました。37,000円を下回ったのは2024年9月18日以来となります。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注) データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日、米国では2月の雇用統計が発表されます。1月の雇用の伸びの弱さは自然災害が一因であり、2月の雇用統計ではその反動が見られると予想されています。また、その後パウエルFRB議長はじめFRB高官の講演が予定されており、講演でのコメント並びに市場の反応が注目されます。 (野村證券投資情報部 神谷 和男) ご投資にあたっての注意点
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03/07 12:00
【今週のチャート分析】日経平均株価、保ち合い下抜け、3万5~6千円台に下値メド
※画像はイメージです。 ※2025年2月11日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 日経平均株価、RSI等の各種テクニカル指標は引き続き低水準 今週の日経平均株価は、先週末の2月28日に前日比で1,100円安となる大幅下落した反動で反発となりました。ただメキシコやカナダ等に対するトランプ関税の発動や、円高・ドル安を受けて、3月4日に一時大幅安となるなど引き続き振れ幅の大きい展開となりました。 チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、1月24日高値(40,279円)形成後に調整となり、2月28日に昨秋以降の保ち合い下限(37,700~800円前後)を割り込みました。さらに一時36,840円まで下落したことで、昨年8月安値から12月高値までの上昇幅に対する38.2%押し(黄金分割比率)の水準(ザラバベース:36,867円)を達成しました。 仮にこの先3月4日安値(36,816円)を割り込み、さらなる調整となった場合は、同50%押し(同:35,777円)や、9月9日安値(35,247円)の水準が下値メドとして挙げられます。一方で、2月28日大幅下落後は、同日安値(36,840円)と3月4日安値(36,816円)の水準で下げ渋りの動きとなっています。RSI等の各種テクニカル指標は引き続き低水準であり、調整一巡後に2月末に下抜けした保ち合い下限(37,700~800円前後)の水準を超えて、200日移動平均線(3月6日:38,655円)を回復することができるか注目されます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2025年3月6日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 波乱の日経平均株価、でも見逃せない超長期上昇トレンド 日経平均株価は、2月下旬に米国のトランプ関税による米景気悪化懸念等を受けて大幅安となりました。それら調整によって、39,000円前後の水準に収束していた13・26・52週移動平均線を大きく下抜けし、昨秋から続く保ち合いの下限(37,700-800円)も割り込みました(図2)。このようにチャート悪化のシグナルがみられており、この先、一旦戻りを入れる場合も、これらフシや移動平均線の水準では戻り待ちの売りに上値を抑えられる可能性もあり、注意が必要だと言えそうです。 (注1)直近値は2025年3月6日。 (注2)日柄は両端を含む。 (注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 しかし、ここで忘れてはならないのは、これら短・中期的な動きを内包する超長期トレンドが上向きであるということです。日経平均株価は、2010年代から強気シグナルが複数(図3中:①~②)みられています。足元で30年線をはじめとする主要な長期移動平均線は全て上向きであり、現在、超長期トレンドは上向きであると考えられます(図3)。 2015年のチャイナショック時や昨年夏の急落等、これまで何度も大幅下落を経験してきましたが、超長期上昇トレンドがショックを吸収してきました。 (注1)直近値は2025年3月6日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社、各種資料より野村證券投資情報部作成 超長期トレンドが上向きとなっている背景の一つに賃金と物価の好循環が回りはじめているという点が挙げられます。2024年に日本の名目GDPは初めて600兆円を超えましたが、今後実質賃金が安定的にプラスとなり個人消費の拡大につながれば、更なる経済成長が期待されます(図4)。 日経平均株価は当面振れ幅の大きい動きが続く可能性が高いと考えられますが、今一度株価の大きなトレンドを確認し、長期の視点で物事を考えていきたいものです。 (注1)日経平均株価は日次で、直近値は2025年 2月20日。名目GDPは四半期で季節調整済みの年率で、直近値は2024年10-12月期。(出所)日本経済新聞社、内閣府より野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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03/07 09:30
【#サイバーセキュリティー】AI抽出15銘柄/GMO、NRI、IIJなど
巧妙化するサイバー攻撃と高まるセキュリティー需要 近年、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)やフィッシング詐欺、DDoS(ディードス)攻撃といったサイバー攻撃がますます巧妙かつ多様化しています。それに伴い、データ保護やサーバーの防御の重要性が一段と高まっています。このような背景から、多くの企業や組織がサイバーセキュリティー対策の強化に取り組んでいます。AI「xenoBrain」は、「日本サイバーセキュリティー需要増加」が他のシナリオにも波及する可能性を考慮し、影響が及ぶ可能性のある15銘柄を選出しました。 ※ xenoBrain 業績シナリオの読み方 (注1)本分析結果は、株式会社xenodata lab.が開発・運営する経済予測専門のクラウドサービス『xenoBrain』を通じて情報を抽出したものです。『xenoBrain』は業界専門誌や有力な経済紙、公開されている統計データ、有価証券報告書等の開示資料、及び、xenodata lab.のアナリストリサーチをデータソースとして、独自のアルゴリズムを通じて自動で出力された財務データに関する予測結果であり、株価へのインプリケーションや投資判断、推奨を含むものではございません。(注2)『xenoBrain』とは、ニュース、統計データ、信用調査報告書、開示資料等、様々な経済データを独自のAI(自然言語処理、ディープラーニング等)により解析し、企業の業績、業界の動向、株式相場やコモディティ相場など、様々な経済予測を提供する、企業向け分析プラットフォームです。(注3)母集団はTOPIX500採用銘柄。xenoBrainのデータは2025年2月25日時点。(注4)画像はイメージ。(出所)xenoBrainより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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03/07 08:28
【野村の朝解説】米国株反落 半導体関連株の下落が重石に(3/7)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 6日の米国株式市場で、主要3指数は揃って反落となりました。半導体のマーベル・テクノロジーが決算を受け、株価が大きく下落したことで、半導体関連株が軟調となり、株式市場の重石となりました。 相場の注目点 今週は、2024年11月-25年1月期を決算期とする小売関連企業の決算発表が続いています。決算発表後の株価の反応をみると、幾つかの企業で、トランプ政権による関税・貿易政策が株価にインパクトを与えています。一方、5日に米国政府は、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)に準拠した製品について、メキシコとカナダに対する関税の適用を4月2日まで猶予すると発表しました。一部報道によれば、今回の決定は米国自動車メーカーの経営陣からの要請を受けたものだとし、USMCAに基づいて輸入される自動車が対象になると述べたとのことです。関税の猶予は、デトロイトに本拠を置く自動車メーカーの製品だけでなく、貿易協定に準拠する全ての自動車に適用されると政府当局者らは明らかにしたとのことです。自動車産業の例については、関税の適用を1ヶ月猶予するとのことなので再び関税を課すと蒸し返される可能性は残りますが、トランプ政権も業界によっては柔軟な姿勢をとる可能性が示されたと捉えることもできます。今後も報道などが注目されます。 本日のイベント 米国で2月雇用統計が発表されます。野村證券では、1月の雇用の伸びの弱さは自然災害が一因であり、2月の非農業部門雇用者数は前月差+18.5万人と伸びが小幅に上向くと予想しています。 (野村證券 投資情報部 寺田 絢子) (注)データは日本時間2025年3月7日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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03/06 16:34
【野村の夕解説】日経平均株価続伸も、上値重く286円高(3/6)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は前日比236円高の37,654円で取引を開始しました。トランプ米政権がカナダとメキシコに対する25%の追加関税について、1ヶ月の猶予期間を設けると発表したことで、関税政策への過度な警戒が和らぎ、前日の米国株主要3指数は揃って反発しました。米国株高の流れを引き継ぎ、日経平均株価は寄り付き後も上げ幅を広げ、一時前日比456円高の37,874円となる場面もありました。しかし、心理的節目の38,000円に接近すると上値は重く、37,700円台での一進一退を続けました。引けにかけては37,000円を挟んでの推移となり、前日比286円高の37,704円と続伸して取引を終了しました。 東証33業種別では、ドイツや日本の防衛費増額観測から欧州地域向けの売上が多い機械株や三菱重工業や川崎重工業、IHIの重工3社が上昇し、これらが属する機械が前日比+3.54%となり業種別上昇率のトップとなりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注) データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日、ECB金融政策理事会が開催されます。理事会では0.25%の政策金利の引き下げが有力視されています。米国ではウォラーFRB理事、アトランタ連銀ボスティック総裁の講演が予定されています。 (野村證券投資情報部 神谷 和男) ご投資にあたっての注意点
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03/06 08:24
【野村の朝解説】関税政策一部緩和で米国株上昇(3/6)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 5日はドイツの次期首相が確実視されているメルツ氏が財政支出拡大方針を示したことから、ドイツを中心にユーロ圏の金利と株価が上昇しました。米国では、経済統計について、2月ADP雇用統計によると民間雇用者数が前月比+7.7万人とブルームバーグ予想の同+14.0万人を下回る一方、2月ISMサービス業景況指数は53.5と、同予想の52.5を上回りました。雇用は減速するもののサービス業の業況は良好との見方が株式市場を下支えした上、ラトニック商務長官がカナダとメキシコに対する妥協案を示すとの報道が株価の追い風となりました。ホワイトハウスの報道官が、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)に準拠した自動車の関税適用を1ヶ月除外すると述べたことで、厳しい関税政策に対する軽減措置への期待が、株価を押し上げ、特にGMの株価は前日比+7.20%、フォードが同+5.81%となりました。FRBが公表したベージュブック(地区連銀経済報告)は、関税やインフレなどの懸念が指摘されたものの、米国株主要3指数は前日までの下げから反発して引けました。 相場の注目点 セブン&アイ・ホールディングスは、非中核事業の大半を米投資ファンドのベインキャピタルに7,000億円超で売却するとの観測が報じられています。昨日、日経平均株価の定期見直しで、三菱倉庫からベイカレントへの入れ替えが発表されました。 本日のイベント 日本では、連合による2025年春闘の要求集計結果が発表されます。海外では、ユーロ圏でECB金融政策理事会があり、市場予想では5会合連続の利下げが予想されています。EU臨時首脳会議も開催されます。また、米国で半導体大手ブロードコムや衣料品を手掛けるギャップなどの企業決算の発表があります。 (野村證券 投資情報部 小髙 貴久) (注)データは日本時間2025年3月6日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 ご投資にあたっての注意点
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03/05 16:35
【野村の夕解説】日経平均小幅反発、87円高 関税軽減期待が追い風(3/5)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 日本時間本日未明、米ラトニック商務長官が、5日にメキシコとカナダに対する関税の軽減に向けた道筋を発表する可能性があると述べました。米国関税政策への不安が和らぐ中で、本日の日経平均株価は前日比14円高の37,345円で始まったものの、トランプ大統領の演説を前に警戒感は根強く、前場では一時前日比で下げに転じる場面もありました。その午前中の演説では「相互関税」を4月2日に導入する方針が改めて示されましたが、名指しでの日本批判はありませんでした。また同時刻ごろ日本銀行の内田副総裁が「日銀の経済・物価の見通しが実現していけば利上げを続ける」との見解を示しました。新発10年債利回りは上昇し(価格は下落)一時1.450%となる一方、外国為替市場では一時1米ドル=150.15円前後と円安が進行しました。米国の極端な政策は軽減されるとの期待から、日本の金利上昇下でも円高とならず、業種別では自動車を含む輸送用機器や、AI・データセンター関連である電線株が含まれる非鉄金属などが上昇し、相場をけん引しました。日経平均株価は一時前日比275円高となったものの上げ幅は縮小し、終値は前日比87円高の37,418円となりました。個別企業では、ファーストリテイリングが4日(水)に発表した2月のユニクロの国内既存店売上高が好感され、終値では前日比+1.70%と上昇し、1銘柄で日経平均株価を70円押し上げました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注) データは15時45分頃。米ドル/円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。米ドル/円は11:30~12:30の間は表示していない。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日米国では、2月のISM非製造業指数、2月ADP全米雇用レポートが発表されます。 (野村證券投資情報部 清水 奎花) ご投資にあたっての注意点