来週の注目点:米国のソフトランディング期待は高まるか

注目された6月FOMC(米連邦公開市場委員会)は市場予想通り「タカ派的(景気よりも物価抑制を重視)据え置き」となりましたが、参加メンバーの2023年末のドッツ(政策金利見通しの中央値)は0.50%ポイント上方修正されました。声明文では今後の金融政策はデータ次第との姿勢が維持されました。7月FOMCに向けて25日(日)のNY連銀ウィリアムズ総裁講演や29日(木)アトランタ連銀ボスティック総裁講演などの地区連銀総裁らの発言が注目されます。また、26日(月)~28日(水)に開催されるECB(欧州中央銀行)年次フォーラムのパネル討議での主要中銀総裁発言にも注目です。

米国では、27日(火)に5月耐久財受注、6月消費者信頼感指数(コンファレンスボード)、30日(金)に5月個人消費支出・所得統計、6月シカゴ購買部協会PMIが発表されます。FRB(米連邦準備理事会)の今後の 金融政策スタンスを占う上で、PCEコアデフレーターが減速するか、個人消費の堅調さが続いているか注目されます。

ユーロ圏では、26日(月)にドイツの6月Ifo企業景況感指数、30日(金)にユーロ圏の6月消費者物価指数(HICP)が発表されます。5月は鈍化しましたが、この流れが続くのかが焦点です。

中国では、30日(金)に6月政府版PMIが発表されます。在庫調整の継続や輸出の鈍化など景気減速を示す経済指標が続く中、2ヶ月連続で50を割り込んでいる製造業の景況感が更に悪化しているか注目されます。

日本では、30日(金)に5月鉱工業生産が発表されます。4月は半導体関連の低迷で前月比で3ヶ月ぶりに低下しましたが、この調整が引き続き注目されます。

(野村証券投資情報部 岩崎 晴弥)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2023年6月23日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら

業種分類、Nomura21 Globalについて

ご投資にあたっての注意点