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11/08 08:45

【速報】FRBが追加利下げを決定、トランプ氏再選後の野村の金融政策見通しは?

FRBは予想通り0.25%ポイントの利下げを実施 FRBは2024年11月6-7日にFOMCを開催し、大方の予想通り0.25%ポイントの利下げを決定し、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を4.50-4.75%に引き下げました。会合後の記者会見でパウエル議長は「今回の政策スタンスのさらなる調整は、経済と労働市場の強さを維持する一助となる」との考えを示しました。また、大統領選挙の結果は当面の金融政策決定に「何ら影響しない」と利下げ姿勢の継続を示唆しました。 米大統領・議会選挙の結果を受けて金融政策見通しを改定 2024年11月5日に行われた大統領・議会選挙では、トランプ氏の再選が確定的となりました。上院でも共和党が過半数を奪還、下院も共和党が優勢の模様です。この結果を受けて野村證券では米国の金融政策見通しを改定しました。1回当たりの利下げ幅を0.25%ポイントとして、2024年中は1回(12月)との見通しを据え置く一方、25年は、従来の3月から3ヶ月毎に4回の利下げ予想を3月1回のみへと変更しました。26年に関しては1-3月期、4-6月期に各1回ずつの利下げを予想します。結果、政策金利の誘導目標は24年末が4.25-4.50%、25年末が4.00-4.25%、26年末は3.50-3.75%になります。併せて、政策金利の着地点に関しても3.00-3.25%から3.50-3.75%へ上方修正しました。 米国の金融政策に対する野村證券の見通し (出所)ノムラ・セキュリテーズ・インターナショナル(NSI)より野村證券投資情報部作成 見通し変更の主因はトランプ氏が掲げる輸入関税の引き上げです。減税などの財政政策は議会での承認が必要になりますが、輸入関税の引き上げは大統領令で可能なことから、新政権発足後、早々に実施されることが予想されます。野村證券では25年半ばに対中輸入関税を60%、その他の輸入関税を10%へ引き上げると想定し、コアPCE(食品・エネルギーを除く個人消費支出)デフレーターの見通しを、25年は前年比+3.2%、26年は同+2.7%(修正前は同+2.3%、同+2.1%)へ上方修正し、それに伴って金融政策見通しを改定しました。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) ご投資にあたっての注意点

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11/07 08:10

【速報】トランプ氏再選で米株大幅高、政策実現への期待が高まる

米大統領・議会選挙はトランプ氏が再選、上院も共和党が過半数を奪還 2024年11月5日、米国では大統領・議会選挙の投開票が行われ、大統領選挙ではトランプ前大統領の再選が確定的となりました。上院でも共和党が過半数を奪還、下院も共和党が優勢の模様です。この結果を受けて11月6日の米国株式市場ではNYダウが前日比1,500ドル超の上昇をするなど、主要3指数は大幅高となりました。米国債市場では長期金利を中心に利回り曲線全域にわたって金利が上昇し、10年国債利回りは4.43%で引けています。為替市場でもドルは主要通貨に対して全面高となり、開票前に1ドル=151円台半ばで推移していたドル円相場は、足元では154円台半ばまで上昇しています。 今回も拡張財政、対中関税引き上げ、移民規制強化などインフレ的な政策が並ぶ 金融市場では「トランプトレード」の様相を呈しています。その背景にあるトランプ氏が掲げた主要政策を確認すると、法人減税や個人所得減税の延長などの拡張財政政策、関税引き上げを中心とした通商政策、大規模な不法移民の強制送還などの移民規制など、前回のトランプ政権時と共通した政策が並んでいます。これらの政策はいずれも米国内のインフレ圧力を高めることが予想されることから、米国では金利上昇とドル高につながったと見られます。株式市場にとっては、プラスマイナス両面がありますが、減税や規制緩和への期待が株高につながったと見られます。ただし、減税などの財政政策は議会での承認が必要な一方で、輸入関税の引き上げや移民規制強化は大統領令で実施可能だとみられることから、2025年の新政権発足後は、株価に対してネガティブな影響が先行して顕在化する可能性もあります。 新旧トランプ政権下での主要政策の比較 (注)全てを網羅している訳ではない。(出所)各種報道より野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) ご投資にあたっての注意点

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10/31 12:50

【速報】日銀は政策金利を0.25%に据え置き、追加利上げは次回12月会合か

大方の予想通り政策金利は0.25%に据え置き 日本銀行は2024年10月30~31日に金融政策決定会合を開催し、大方の予想通り政策金利である無担保コール翌日物金利を0.25%に据え置きました。これまで、今後の政策運営に関して植田総裁は「経済・物価見通しが実現する」に伴って利上げを続ける意向を示してきました。今回公表された展望レポートでは、実質GDP成長率は25年度が前年度比+1.1%(前回(7月時点)は同+1.0%)、26年度は同+1.0%(同+1.0%)、コアインフレ(生鮮食品除く消費者物価指数)は25年度が同+1.9%(同+2.1%)、26年度は同+1.9%(同+1.9%)と小幅修正に留まり、景気・物価に対する見方は大きく変わっていないことを示しました。また、物価のリスクバランスに関しても、「2025年度は上振れリスクの方が大きい」と、従来の見方を維持しました。 2024~2026年度の政策委員の大勢見通し (注)値は、前年度比%、なお、<>内は政策委員見通しの中央値。 各政策委員は、既に決定した政策を前提として、また先行きの政策運営については市場の織り込みを参考にして、上記の見通しを作成している。「大勢見通し」は、各政策委員が最も蓋然性の高いと考える見通しの数値について、最大値と最小値を1個ずつ除いて、幅で示したものであり、その幅は、予測誤差などを踏まえた見通しの上限・下限を意味しない。(出所)日本銀行資料より野村證券投資情報部作成 24年9月の金融政策決定会合における「主な意見」を見ると、利上げの判断材料として「賃金と物価の好循環」の持続に言及する意見が大勢を占めています。また、リスクとして米国経済の行方や金融市場の不安定化が意識されています。背景には、日銀が利上げを決定した24年7月会合直後に金融市場が不安定化し、日米で株価が急落、急激なドル安円高が進行したことが挙げられます。足元の米国市場では景気が堅調に推移するとの期待から長期金利上昇と株高が併存し、長短金利の逆転(逆イールド)も解消されるなど、市場の安定感が高まっています。また、為替市場では再び150円を超えるドル高円安が進行しています。米国の大統領・議会選挙など依然として不透明感の高い要因が残るものの、現時点では次回24年12月会合で日銀が追加利上げを実施する可能性は高まっていると見られます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) ご投資にあたっての注意点