特集
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08:44
【野村の朝解説】良好な経済指標が株価の支援となり反発(11/6)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 5日の米国株式市場で、主要3指数はそろって反発しました。米国では大統領・上下院議会選挙の投票日で、結果への注目が高まる一方、ISM非製造業景況指数の良好な結果が株価の支援材料となりました。10月ISM非製造業景況指数は56.0と市場予想の53.8を大きく上回り、2022年7月以来の高水準となりました。入荷遅延が2022年7月以来、雇用が2023年8月以来の水準に上昇しており、1日に発表されたISM製造業景況指数の悪化に対して、非製造業の良好さが際立つ結果となりました。 相場の注目点 米国大統領選挙の開票は、一部の早い州では日本時間6日午前8時から始まります。米国大統領選挙は各州に概ね人口に応じて割り当てられた「選挙人」の過半数を得た者が勝者となります。全538人の選挙人のうち、民主党のハリス候補は226人、共和党のトランプ候補は219人を確保しているとみられます。過半数の270人までに、残りはハリス候補は44人、トランプ候補は51人となります。接戦7州の選挙人は、多い州からペンシルベニア州19人、ジョージア州16人、ノースカロライナ州16人、ミシガン州15人、アリゾナ州11人、ウィスコンシン州10人、ネバダ州6人となり、その獲得州の組み合わせがカギを握ります。また、11月4日時点で郵便投票が約3,700万票となっています。一部報道では、一部の重要な激戦州で集計が前回より早く進むとの見方もあります。ただし、ネバダ州では郵便投票は、投票日から3日後までを有効と認めており、確定まで数日かかる見通しのようです。また、アリゾナ州でも州選管関係者が「最終結果が出るまで10~13日かかる」との見方を示すコメントもあります。集計結果にもよりますが、本日中に大統領選挙の結果が判明しない可能性があります。 (野村證券 投資情報部 寺田 絢子) (注)データは日本時間2024年11月6日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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昨日 18:00
【週間ランキング】日本株の値上がり/値下がり銘柄は?(10月第5週)
※画像はイメージです。 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(上位) 2024年10月第5週(2024年10月25日~11月1日) 2024年10月月間(2024年9月30日~10月31日) 2024年年間(2023年12月29日~2024年11月1日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2024年11月1日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 日本主要銘柄・株価騰落率ランキング(下位) 2024年10月第5週(2024年10月25日~11月1日) 2024年10月月間(2024年9月30日~10月31日) 2024年年間(2023年12月29日~2024年11月1日) (注)対象はTOPIX500、直近値は2024年11月1日。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 <参考>今週の日本株式市場パフォーマンス 主要指数 TOPIX: 東証33業種 (注)業種分類は東証33業種ベース。直近値は2024年11月1日時点。(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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昨日 17:32
【野村の夕解説】日経平均株価3営業日ぶり反発、421円高(11/5)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 連休期間中の米国株市場は、2営業日を通してみると底堅く推移しました。本日の日経平均株価は、前週末比220円高の38,274円で始まりました。日銀の追加利上げ観測を背景に、前週末1,027円安と大きく下げた反動もあり、値がさ株を中心に上昇しました。10時台に前週末比519円高となり、その後は米国大統領選挙の投開票を控えて様子見姿勢が強まり、38,500円を挟み一進一退の動きが続きました。。 本日から日本株市場は取引時間が30分延長され、引け直前の15時25分から15時30分には、売買は成立させずに注文を受け付けて終了時点で注文を突き合わせる、クロージング・オークション制度が導入されました。引け間際の株価変動が注目されていましたが、大きな動きは見られず、終値は前週末比421円高となりました。個別企業では、前週末に発表した好決算が評価された住友電気工業は前週末比10.59%高、TDKは同6.06%高となりました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時45分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日、米国では、大統領・上下院議会選挙が行われ、日本時間の6日(水)午前8時から開票が開始されます。選挙結果がすぐに判明しない場合、政治の不透明さは株式市場のボラティリティーを高める可能性があります。 (野村證券投資情報部 清水 奎花) ご投資にあたっての注意点
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昨日 08:22
【野村の朝解説】米国株は大統領選挙を5日に控え小動き(11/5)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 11月1日(金)の米国株市場は、雇用統計やISM製造業指数の不調な結果に対して、大手テクノロジー企業の好決算が株価のけん引役となり、主要3指数は揃って上昇しました。日本が休日だった4日(月)は、大統領選挙を翌日に控え、主に個別企業のニュースや決算動向が変動の中心となり、米国株主要3指数は反落しました。2営業日を合わせてみると、米国株主要3指数は小幅高でした。VIX指数は市場の不安定さの境目とされる20を上回っており、神経質な展開が続きます。 相場の注目点 11月1日の取引終了後に発表された、個別企業の決算発表に対する株式市場の反応が注目されます。生成AIに関連する半導体、サーバーなどの需要の強さが確認される一方、中国関連のウエイトの高い企業の業績は、不振が目立ちました。通期業績の上方修正や自社株買いを発表した企業の株価動向が注目されます。また、本日から日本株市場は取引時間が30分延長されます。引け直前の15時25分から15時30分に、売買は成立させずに注文を受け付けて終了時点で注文を突き合わせる、クロージング・オークション制度が導入されます。引け間際の株価変動の抑制に寄与するかが注目されます。 本日のイベント 取引時間終了後を中心に、主要企業の決算発表が相次ぎます。昨日11月4日から米国では取引時間が冬時間に移行しています。5日は大統領・上下院議会選挙があります。日本時間6日午前8時から早い州で開票が開始されます。選挙結果がすぐに判明しない可能性もあり、その場合、政治の不透明さは株式市場のボラティリティー(変動率)を高める可能性があり、注意が必要です。 (野村證券 投資情報部 小髙 貴久) (注)データは日本時間2024年11月5日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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11/04 12:00
【投資と税金】死亡保険金は、相続税?贈与税?所得税?
父の死亡により受け取った保険金、相続税の課税対象かと思いきや契約者と保険金受取人の組み合わせによって課される税金の種類が異なると聞きました。どのような場合に、どのような税金になるのか大手町トラストの税理士に伺いました。 (注)画像はイメージです。 はじめに 被保険者の死亡により死亡保険金を受取った場合は、保険の契約形態により課される税金が相続税、贈与税、所得税・住民税と異なります。 死亡保険金に係る税金 「被保険者を父」とする生命保険契約であっても、「契約者(保険料負担者)」と「保険金受取人」が誰であるかによって相続税(非課税の適用あり・なし)、贈与税、所得税・住民税と課される税金が異なります。 死亡保険金を受取った時の契約形態別課税関係 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 ケース 1 契約者:父、被保険者:父で、父が死亡した場合に、子が保険金受取人である場合 子が受け取る死亡保険金:相続税の対象(死亡保険金の非課税の適用あり)死亡保険金の非課税限度額:500万円×法定相続人の数 ケース 2 契約者:父、被保険者:父で、父が死亡した場合に、孫が保険金受取人である場合 孫が受け取る死亡保険金:相続税の対象(孫は相続人でないため、死亡保険金の非課税の適用なし)孫が支払う相続税は2割加算(被相続人の一親等の血族・配偶者に該当しないため) ケース 3 契約者:母、被保険者:父で、父が死亡した場合に、子が保険金受取人である場合 子が受け取る死亡保険金:贈与税の対象(契約者(母)が支払った保険料に対し、子が保険金を受取ることから、母から子への保険金贈与となるため) ケース 4 契約者:子、被保険者:父で、父が死亡した場合に、子が保険金受取人である場合 子が受け取る死亡保険金:「一時所得」として所得税・住民税の対象(契約者(子)が支払った保険料に対し、子本人に保険金が支払われるため)一時所得の計算方法:{(死亡保険金-払込保険料)-特別控除額(最高50万円)}×1/2 まとめ 相続税は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に現金で納付することが原則となっています。そのため、すぐに受取人に支払われる死亡保険金は相続税の納税財源として有効です。 また、財産を遺したい人を死亡保険金の受取人に指定することにより、その受取人に死亡保険金(現金)を渡すことができますので、生命保険契約における受取人の指定は遺言と似た効果があります。 契約者と保険金受取人の関係を考慮して相続対策をされるとよいでしょう。 この資料は情報提供を唯一の目的としたもので、投資勧誘を目的として作成したものではありません。この資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、野村證券は、その正確性および完全性に関して責任を負うものではありません。この情報は、ご覧いただいたお客様限りでご利用いただくようお願いいたします。詳しくは、所轄税務署または顧問税理士等にご確認ください。 ご投資にあたっての注意点
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11/04 09:00
【注目トピック】衆院選与党敗北と日本株、政治不安定化は重石だが…
※画像はイメージです。 衆院選与党敗北と日本株 総選挙は与党に厳しい結果 10月27日に第50回衆議院議員総選挙(以下、総選挙)が行われました。自民党(191)と公明党(24)の与党の合計議席数は215議席(カッコ内は議席数)となり、過半数の233議席を割り込みました。公明党の石井代表や現職閣僚の落選など、与党に厳しい結果でした。衆議院解散時に石破首相が述べた勝敗ラインの「自民党と公明党(の与党)で過半数」に達しなかったことで、今後、責任論や求心力の低下が生じる可能性があるでしょう。総選挙後の特別国会では、衆参両院の過半数を得た人が首相に指名されます。石破首相は、無所属議員の取り込みや野党の閣外協力を含め、新たな政権の枠組みを模索することになります。 (注)政党については、選挙前の議席が5議席以上ある政党。 (出所)各種報道資料より野村證券投資情報部作成 過去の衆議院・参議院の選挙結果 過去、総選挙だけでなく参議院議員選挙(以下、参院選)においても、与党敗北で政権が不安定になる局面が多々ありました。しかし、日本の首相選出は議院内閣制であり、与党の支持率悪化と選挙日程を背景に、首相交代が頻繁にあったことを踏まえると、短命政権が珍しいわけではありません。 政権交代の例:1993年の総選挙では、自民党は比較第一党(議席の最も多い政党)となりましたが、新党ブームから55年体制(1955年から続く自民党と社会党の政治構図)の崩壊につながりました。一方、複数政党の連立政権は安定せず、非自民党政権は1年弱で幕を閉じました。2009年の総選挙では、民主党への政権交代となりました。ただし、同民主党政権では短命内閣が続きました。いずれにしても、1990年以降の資産バブル崩壊局面や、2008年のリーマンショック前後の時期など、経済不況期に国民の不満が高まりやすい状況があったとみられます。 (注)全てを網羅している訳ではない。政党名の立憲は立憲民主党。株価騰落は日経平均株価の3ヶ月間の株価騰落率で、選挙日は日曜日であるためその前営業日からの騰落率。1998年以降の解説中の主要人物は名字のみ。(出所)総務省、衆議院、参議院、各種報道資料等より野村證券投資情報部作成 選挙敗北のその他の例:1983年の中曽根政権時の総選挙や1998年の橋本政権時の参院選での敗北時は、その後、景気拡大・回復に伴い自民党の党勢も復調しました。中曽根政権は長期政権となりました。一方、2007年の安倍政権や2010年の民主党菅(直人)政権における参院選の敗北時は、与党の党勢復調はままならず、任期満了近くの総選挙で政権交代に至りました。政権の安定性やその後の与党の党勢復調は、経済や社会環境によって、ケースバイケースです。 (注)全てを網羅している訳ではない。(出所)日本経済新聞社、各種資料より野村證券投資情報部作成 今後の政治情勢のポイント 株式市場としては、総選挙後の政権の枠組みが不明な点は、重石となります。一方、9月27日に自民党総裁選挙を実施して間もないことや、石破首相に批判的とみられる自民党議員の多くが落選したこと、11月はAPEC首脳会議やG20首脳会議などの日程が詰まっていること、12月は2025年度の税制改正や予算編成があることなどから、少なくとも2025年3月の2025年度予算成立までは、首相交代論は出にくいとみられます。石破首相は、まずは選挙期間中に言及した、13兆円を上回る規模の補正予算の成立に向けた議論を進めるものとみられます。当面は党勢の回復に向け、批判の高まり易い増税などの政策は手控えられるでしょう。時間の経過とともに政策の予見可能性が高まり、補正予算による財政出動は、日本株市場の下支えになるでしょう。 (注1)ラッセル野村Large Capの経常利益。2007年度の経常利益水準を100としている。2024年度以降は野村證券市場戦略リサーチ部による予想(2024年10月11日時点)。構成銘柄は各年度ごとで異なる。(注2)日経平均株価のデータは月次でラベルは月末値。直近の値は2024年10月11日。(出所)日本経済新聞社、野村證券市場戦略リサーチ部より野村證券投資情報部作成 日本株のファンダメンタルズは底堅い 株価評価の最も基本となる企業業績は、12ヶ月先予想EPSで拡大が続いています。10月25日の終値時点で予想PERは14.47倍と、一時16倍台まで上昇した値が2023年12月の水準まで低下しています。為替相場は10月29日午後5時時点で1米ドル=153円20銭前後と、日銀短観の大企業輸出企業の2024年度想定為替レートの同144円96銭より円安水準です。日本企業の自社株買いも24年9月末時点で10.6兆円と、過去最高であった2023年度通期の9.9兆円を既に上回っています。企業業績や自社株買いの現状は、株式市場のサポート要因になるとみられます。 (注)全てを網羅している訳ではない。主要政治日程は2024年10月29日時点。(出所)日本経済新聞社、各種資料より野村證券投資情報部作成 (野村證券投資情報部 小髙 貴久、岩本 竜太郎) ご投資にあたっての注意点
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11/03 09:00
【動画 3分チャート塾】シーズンⅡ:第3回 ゴールデン/デッド・クロスは要チェック
「動画 3分チャート塾」は、株価チャートの見方を学びたい初心者から中級者の方向けの動画シリーズです。 今回は、ゴールデン・クロスとデッド・クロスについて説明しています。 シーズン I:意外と知らないローソク足(全8回)ローソク足の基本の読み方や中長期的な相場の捉え方などについてわかりやすく解説していきます。シーズンII:相場の見方の強い味方、移動平均線(全9回)移動平均線の基礎や活用法についてわかりやすく解説していきます。シーズンIII:上値、下値のメドを探ろう(全10回)上値、下値メドの探り方についてわかりやすく解説していきます。シーズンIV:相場の過熱感を測るには?(全9回)オシレーター系指標についてわかりやすく解説していきます。シーズンV:トレンドラインを引いてみよう(全9回)トレンドラインについてわかりやすく解説していきます。 ご投資にあたっての注意点
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11/02 19:00
【来週の米国株】いよいよ米大統領選!/GAFAM決算まとめて振り返り(11/2)
※執筆時点 日本時間11月1日(金)12:00 今週:週後半のハイテク決算が重石 ※10月25日(金)- 10月31日(木)4営業日の騰落 週後半には米大手ハイテクの決算が相次ぎました。GAFAM(アルファベット、アップル、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・ドットコム、マイクロソフト)のうちアルファベット、アマゾンは決算発表翌日の10月31日(木)に上昇で反応したものの、そのほかは下落で反応しており、市場の高い成長期待に応えられなかった側面があります。 来週:いよいよ米大統領選挙 政治に揺れる市場 米大統領選挙が5日(火)に行われます。これまでの例を踏まえると、日本時間6日(水)の日中にわたり開票が進み、夕方頃に大勢が反映する見込みです。接戦となった場合には結果判明が日本時間の7日(木)にもつれ込む可能性もあります。 接戦7州は僅差でトランプ氏優勢 ここ数日は、接戦7州の世論調査において、いずれの州でもトランプ候補がハリス候補をリードしています。ただし、その差は僅差であり、勝敗の行方は見通しづらい状況が続いています。 市場経済への影響 トランプ候補勝利となれば、積極的な財政政策や減税を理由に、株価の初動は上昇で反応する可能性が考えられます。ただし、追加関税が課されることで輸入物価が上昇することにより徐々にインフレが再加速し、金利も上昇(株価には下押し圧力)することが想定されます。 一方でハリス候補勝利となれば、規制強化などの流れを受けて株価の初動は下落で反応する可能性が考えられます。ただし、下院では共和党が多数派となる可能性が高く、厳しい産業規制等の政策実現は難航することが予想され財政・金融政策は「現状維持」となることが想定されます。 「トランプ・インフレ」はあるか? 仮にトランプ氏が当選した場合に懸念されるインフレと金利上昇はどの程度でしょうか?当社米国拠点は、トランプ氏が標榜する「中国に対して60%、他の全世界に対して10%」の追加関税が課されれば、米国のインフレは1%ポイント押し上げられると試算しており、足元の市場(インフレスワップ市場:インフレ率を対象とする金融派生商品を取引する市場)では織り込みが進んでいません。関税が実現すればインフレを再加速の織り込みが進む展開となりそうです。 ただし、金利に関しては2016年や2020年の大統領選との経済環境の違いも重要です。2016年や2020年には大統領選後、金利が2段階で上昇しました。1段階目は米国債増発によるタームプレミアム(期間に伴う上乗せ金利)の拡大、2段階目は景気・インフレの再上昇に伴う政策金利期待の上昇でした。金利上昇をより持続的なものにさせたのは、この2段階目と考えられます。2016年や2020年と比較し今回が大きく異なる点として、金融政策が既に引き締め的な領域にあることが挙げられます。利下げ期待がある程度剥落すれば金融環境は引き締まり、株価下落が強まるため、当時のような数年にわたる金利上昇は考えづらいと想定されます。 参考:GAFAM決算振り返り 以下に、今週速報でお伝えしてきたGAFAMの決算サマリーを再掲いたします。今後の投資の参考にご活用ください。株価は発表日の時間外取引(発表は引け後)の騰落であることに注意ください。 アルファベット(GOOGL)検索広告・クラウドの成長をAIがけん引、株価は+5.72%(時間外取引) (注)EPSは米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。(出所)会社発表、LSEGより野村證券投資情報部作成 アマゾン・ドットコム(AMZN):小売堅調・AWSも順調、株価は+5.74%(時間外取引) (注)EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。(出所)会社発表、LSEGより野村證券投資情報部作成 マイクロソフト(MSFT):アジュールの成長が一時的に鈍化へ、株価は-4.23%(時間外取引) (注1)EPSは米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。(注2)部門別売上高の市場予想比は、市場予想が2024年8月の部門再編を反映しないため記載せず。(出所)会社発表、LSEGより野村證券投資情報部作成 アップル(AAPL):iPhone販売堅調・見通しは慎重、株価は-1.73%(時間外取引) (注)EPSはEUの追徴課税の影響を除いた非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。時点。(出所)会社発表、LSEGより野村證券投資情報部作成 メタ・プラットフォームズ(META):AI関連の支出が増加へ、株価は-3.13%(時間外取引) (注)EPSは米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。(出所)会社発表、LSEGより野村證券投資情報部作成 (編集:野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) ご投資にあたっての注意点 要約編集元アナリストレポートについて 野村オリジナル記事の配信スケジュール
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11/02 09:00
【オピニオン】日銀の目指す政策金利水準と市場の見方
※画像はイメージです。 日本銀行は2024年10月30~31日に金融政策決定会合を開催し、大方の予想通り政策金利の据え置きを決定しました。今後の政策運営に関して植田総裁は、「経済・物価見通しが実現する」に伴って利上げを続ける意向を示しています。 今回公表された日銀の展望レポートでは、実質GDP成長率は25年度が前年度比+1.1%(前回(7月時点)は同+1.0%)、26年度は同+1.0%(同+1.0%)、コアインフレ(生鮮食品除く消費者物価指数)は25年度が同+1.9%(同+2.1%)、26年度は同+1.9%(同+1.9%)との見通しを示しました。 24年9月の金融政策決定会合における「主な意見」を見ると、利上げの判断材料として「賃金と物価の好循環」の持続に言及する意見が大勢を占めています。また、リスクとして米国経済の行方や金融市場の不安定化が意識されています。このため、これらの条件がクリアーできれば、日銀は次回12月会合で追加利上げを行う可能性が高いと考えられます。 日銀は現在の利上げを「金融緩和の調整である」と表現しています。このことは、緩和し過ぎている政策金利を景気にとって中立的な水準に巻き戻しているに過ぎないという日銀の政策スタンスを表しています。 日銀は自ら想定している中立金利水準を明らかにはしていませんが、ワーキングペーパーの中で複数の「均衡実質政策金利」に関する研究論文を取り上げ、推計値を公表しています。日銀が推計した均衡実質政策金利の推計値は-1.0~+0.5%です。これに日銀が目指す物価安定目標のインフレ率である+2%を足すと、名目の均衡政策金利(中立金利)は+1.0~+2.5%となります。このため現時点では、「経済・物価見通しの実現」に伴って日銀が目指している政策金利水準は、最低でも+1%程度、中央値で見れば+1.75%程度が目安であると考えられます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)均衡実質政策金利の推計レンジおよび中央値は杉岡優・中野将吾・山本弘樹『自然利子率の計測をめぐる近年の動向』(日本銀行ワーキングペーパーシリーズ No.24-J-9)の(図2)で示されたモデルの各データに基づき野村證券投資情報部でグラフを作成。(注2)実質政策金利=無担保コール翌日物金利-日銀版コアコアCPI(生鮮食品・エネルギーを除く)の前年同期比。(注3)データは四半期で、実質政策金利の直近値は2024年4-6月期。同年7-9月期以降の実質政策金利は野村證券経済調査部による予想。(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成 市場参加者の間でも政策金利の着地点として+1%程度との見方が優勢です。一方で、「日本経済にとって+1%を超える政策金利水準は高過ぎるのではないか」との見方も根強いようです。現時点で日本にとって中立的な金利水準を決め打ちすることはできませんが、利上げが進展するに伴う利回り曲線の変化に注目することで、足元の政策金利と中立金利の距離感に対する市場の見方を確認することは可能です。具体的には、短期金利は利上げに伴って上昇する一方で、長期金利は政策金利が引き締め的な水準に近づくにつれて、将来の景気減速やインフレ低下を織り込んで、短期金利を下回る「逆イールド」へ向かうことが見込まれるためです。 ご投資にあたっての注意点