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05/26 12:00

【注目トピック】2024年1-3月期決算分析:期中で会社見通し上方修正の可能性

※画像はイメージです。 日本:2024年1-3月期決算レビュー 2024年1-3月期決算まとまる 2024年1-3月期決算がほぼ出揃いました。事前のコンセンサス予想と比較すると、円安米ドル高を背景に増収率は事前コンセンサス予想(前年同期比+3.3%)を上回ったものの、鉱工業生産が低調に推移したことから営業利益はコンセンサス予想(同+17.4%)を下回る結果となりました。 2024年1-3月期は、米ドル円レートが前年同期に比べ16円/米ドル、円安となりました。日本企業の利益は1円/米ドルの円安で0.4%程度増加するとみられるため、為替により6%強の増益要因となりました。ただ、中国経済の停滞や、一部自動車メーカーの操業度低下などにより鉱工業生産は前年同期比4%減と非常に大きな落ち込みとなりました。1%の生産減は3%強の利益減となることから、14%程度の減益要因となったとみられます。   このように、円安の恩恵を大きく上回る生産減の悪影響で、本来であれば減益の可能性があった企業業績ですが、コスト増分を価格転嫁する動きも活発で、業績面への悪影響は限定的でした。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 中国依存度の高い業種が不調だった 主要業種グループの、2024年1-3月期の営業利益増減益寄与額を見ると、事前コンセンサス予想では公益・インフラを除く、ほぼ全業種で増益寄与が見込まれていましたが、実際には素材、エレクトロニクス、情報などが前年同期比で営業減益となりました。   中国での在庫調整が想定以上に長期化したことから製造業中心に影響が顕在化したものとみられます。ただ今回の決算発表時に、中国依存度の高い企業の多くから、足元で在庫が減少しているなど業況感の底打ちを示す発言が聞かれました。また、中国事業の減損に踏み切った企業も一定数見られ、2024年4-6月期以降は、中国事業が日本企業業績の足かせとなる可能性は低下すると見られます。 期初会社見通しは微減益のスタート 例年4-5月にかけての通期決算発表時には、決算実績の結果もさることながら、新年度の会社側の利益見通しに、より注目が集まります。この新年度の会社側の利益見通しを占う際に参考にされるのが、一足先に明らかにされる日銀短観3月調査による大企業経常利益見通しです。 連結ベースの会社側見通しは、単体ベースの日銀短観3月調査の経常利益見通しに対し高めとなる傾向があります。これは、成長率の高い海外事業からの利益拡大が、上場企業の多くが属する大企業の成長ドライバーとなっていることに起因します。   今回も日銀短観の前年度比-3.7%に対し、決算発表と同時に明らかになった会社側見通しは同-1.6%とやや上回っています。ただ、野村アナリスト予想(同+3.3%)に比べると控えめな見通しとなっています。 期中で上方修正の可能性  期初の会社側の見通しに保守的な傾向があることは広く知られていますが、会社側の米ドル円レート前提も、今回は為替市場が不安定な推移を続けていることもあり、例年以上に保守的です。2024年5月20日の段階で、75%もの企業が米ドル円レートの前提を、140~145円/米ドルと置いており、足元の150円/米ドル台半ばの為替レートとはかなりの距離感が存在しています。 1円/米ドルの円安は0.4%程度の利益増加につながるので、2024年4-6月期には難しいとしても、2024年7-9月期の決算発表シーズンに145円/米ドル以上の円安水準が維持されていれば、円安を理由にした会社側の利益見通しの上方修正が期待できます。   また、今後の日銀の金融政策の動向や、円安に対する介入などにより現在より円高に振れたとしても、140円/米ドルを大きく割り込む円高にならない限り、会社見通しが崩れる可能性は低いでしょう。 (野村證券投資情報部 伊藤 高志) ご投資にあたっての注意点

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05/25 12:00

【オピニオン】NYダウ「10万ドル」シナリオの実現性

※画像はイメージです。 2024年5月17日、NYダウが終値で史上初めて4万ドルの大台に到達しました。春先以降、米国ではインフレ高止まり懸念から早期利下げ期待が後退し、株価の重石となっていました。しかし、雇用統計をはじめ消費者物価や小売売上など、5月に入って発表された4月分の主要経済指標が軒並み市場予想を下回ったことから長期金利が再び低下し、株価上昇の再開/最高値更新への追い風となっています。 今回のNYダウの4万ドル超えを受けて、急ピッチな株価上昇に対する警戒感も聞かれます。史上初の「3万ドル超え」が2020年11月でしたので、わずか3年半での大台塗り替えです。しかし、「2万ドル超え」が2017年1月でしたので、3万ドル到達までかかった3年10ヶ月と比べて今回の4万ドル到達はほぼ同じペースです。むしろ上昇率で見れば、2万ドルから3万ドルまでの50%に対し、3万ドルから4万ドルまでは33.3%ですので、前者の方がハイペースだと見ることもできます。いずれにせよ、現在の株価上昇ペースは巡航速度と考えられ、チャート面からは「4万ドル」という節目は一つの通過点に過ぎないと言えそうです。 NYダウの128年の軌跡をひも解くと、過去2回の超長期の上昇継続局面がありました(下図)。1回目が図中①の1942年から1966年までで、上昇期間は約24年間、100ドルから1,000ドルの大台水準に向けた上昇局面です。その後「株式の死」と呼ばれた調整期間を経て、2回目が図中②の1978年から2000年までで、上昇期間は約22年間、1,000ドルから10,000ドルの大台水準に向けた上昇局面です。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注)縦軸は対数目盛。1896年は5月26日以降のデータ。直近値は2024年5月17日時点。トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。(出所)S&P ダウジョーンズ・インデックス社、各種データより野村證券投資情報部作成 そして今回、2000年のITバブル崩壊からリーマンショックに至る調整期間を経て、NYダウは3回目の超長期の上昇継続局面に入っていると考えられます。2009年から2024年まで既に15年間上昇していますが、過去2回の図中①②の上昇局面を参考とすれば、この先2030年代前半にかけて、次の桁替わりの大台水準となる10万ドルを目指す上昇が進行中とみることができます。株価上昇が一本調子で続くことはないですが、年換算で10~15%程度の上昇が続けば達成できる計算です。米国企業業績の成長を加味すれば、決して荒唐無稽な目標とは言えないのではないでしょうか。 テクニカル分析は過去の株価・為替等の値動きを分析・表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。また、記載されている内容は一般的に認識されている見方について記したものですが、チャートの見方には解釈の違いもあります。 ご投資にあたっての注意点

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05/23 19:00

【銘柄ランキング】決算発表直後に上昇したTOPIX100構成銘柄は? 株価騰落率TOP20(2024年4-5月発表分)

(注)画像はイメージ。 日本企業の2024年1-3月期の決算発表シーズンが一巡しました。今回、東証上場銘柄の中でも特に時価総額の大きい銘柄から成る「TOPIX100」構成銘柄を対象に、2024年4月1日から5月20日までの期間で決算を発表した銘柄について、発表当日と翌日の株価(終値ベース)の変化率に基づいてランキングを作成しました。なお、ENEOSホールディングス(5020)のように、取引時間中に決算を発表した銘柄については、決算発表前日と当日の株価(終値)を比較しました。 トップ3を確認します。1位は三菱電機(6503)となりました。同社は円安の恩恵もあって、2024.3期に最高益を更新し、2025.3期の会社計画も最高益更新が見込まれています。2位はレーザーテック(6920)となりました。同社は2024年1-3月期(3Q)の受注高が前年同期比2.3倍の763億円となり、半導体検査装置とサービスの両面で大幅に増加しました。3位はMS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)となりました。同社は決算発表と同時に上限1,900億円の自社株買いを発表しました。また、2025.3期の1株当たり配当金予想を145円(普通配当100円、特別配当45円)としました。 業種別(東証33業種)に見ると、円安進行などが追い風となったこともあり、電気機器が最も多くランクインしました。具体的には、三菱電機、レーザーテック、日立製作所(6501)、ソニーグループ(6758)、キーエンス(6861)、オムロン(6645)の6銘柄です。 今回の決算発表シーズンでは、年初からの自社株買いが8.5兆円(2024年5月16日時点)と前年同期を大きく上回った点が注目されました。さらに、配当性向の引き上げや、株主資本配当率(DOE)の導入、累進配当の導入など、株主還元を強化する動きも目立っています。 具体的な企業の動向としては、4位の小松製作所(6301)は決算発表と同時に上限1,000億円の自社株買いを発表しました。また5位のENEOSホールディングス(5020)は現行の自社株買いを終了し、上限2,000億円の新たな自社株買いの実施を発表しました。6位のオリンパス(7733)も上限1,000億円の自社株買いを発表しています。7位のリクルートホールディングス(6098)は、2024年3月期末のネットキャッシュ1.1兆円をM&A(合併・買収)と自社株買いなどを中心に、2026.3期までに約6,000億円に引き下げる計画を示したことが注目されました。8位の三井住友トラスト・ホールディングス(8309)は、2025.3期の1株当たり配当金予想を前期の110円から145円へと大幅に増配しました。以上の企業以外にも、株主還元を強化する動きが広く見られています。 (野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) ご投資にあたっての注意点

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05/21 19:00

【週間ランキング】最も閲覧数が多かった個別銘柄は?トップ10を紹介(5/21)

決算発表は終盤戦に、メガバンクなどがランクイン 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が2位にランクインしました。同社は5月15日に決算を発表しました。2025.3期の会社計画では、親会社株主利益予想が1.5兆円となり、QUICKコンセンサス予想の1.49兆円(5月15日時点)を上回り、野村予想の1.501兆円とほぼ同等の水準で、意欲的な内容になりました。同期の一株当たり配当金予想についても、前期の41円から50円へと増配され、好印象です。さらに、上限1,000億円の自社株買いも発表されています。 ENEOSホールディングス(5020)が5位にランクインしました。同社は5月14日に決算を発表しました。会社は現行の自社株買いを終了し、新たな自社株買いの実施を発表しました。この発表により、2025.3期の自社株買いは2,000億円となり、会社計画利益に対する総還元性向は126%となる見込みです。説明会では、バランスシートマネジメントを行うことで今後も資本効率の向上に努めるとのコメントがあり、今回の発表内容は好印象でした。 三井住友フィナンシャルグループ(8316)が7位にランクインしました。同社は5月15日に決算を発表しました。2025.3期の会社計画では、親会社株主利益予想が1.06兆円となり、QUICKコンセンサス予想の0.99兆円(5月15日時点)を上回り、野村予想の1.07兆円とほぼ同等の水準で、意欲的な内容になりました。同期の一株当たり配当金予想についても、前期の270円から330円へと大幅に増配しました。また、上限1,000億円の自社株買いも発表され、これも好印象です。 ソニーグループ(6758)が9位にランクインしました。同社は5月14日に決算を発表しました。2024年1-3月期(4Q)の営業利益は2,294億円となり、野村予想の2,106億円を上回りました。自社ソフト「ヘルダイバー2」のヒットでゲーム事業が好調でした。2025.3期の会社計画では、営業利益予想が1兆2,750億円となり、野村予想の1兆1,800億円を上回りました。ゲーム事業とイメージセンサー事業の見通しが野村想定よりも強気となりました。その他、決算と同時に新中期経営計画の数値目標が発表され、2027.3期に向けた3ヶ年で営業利益(除く金融分野)の年平均成長率が10%以上と設定されました。 (野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) (注)画像はイメージ。各種データは2024年5月20日時点。 ご投資にあたっての注意点

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05/20 09:30

【銘柄ランキング】預かり1億円以上!富裕層に買われた個別銘柄は?(2024年2-4月分)

トップ3は、NTT、三菱UFJ、アステラス 2024年の日本株は年始から大きく上昇し、3月には日経平均株価が初めて4万円台に到達しました。その後、米半導体株の下落や中東情勢の緊迫化を受けて、4月に日本株は一時、大幅に下落しましたが、月末には下げ幅を縮小させました。この期間中には、どのような銘柄が個人投資家によって購入されたのでしょうか。 今回は、2024年2月1日から2024年4月30日までの期間に、野村證券に1億円以上の資産を預けている個人投資家によって購入された上位20銘柄をランキング形式でご紹介します。さらに、野村證券の個人投資家口座全体での買い付けランキング(以下、全体ランキング)とも比較してみました。 トップ3は、1位が日本電信電話(9432)、2位が三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、3位がアステラス製薬(4503)となりました。 上位20銘柄のうち、全体ランキングと比較して10位以上順位が上振れている銘柄は以下の通りです。武田薬品工業(4502)、ソフトバンク(9434)、L is B(145A)、アズパートナーズ(160A)、住友化学(4005)、三菱HCキャピタル(8593)、マテリアルグループ(156A)の7銘柄です。対象期間中に新規上場した銘柄や高配当銘柄などが全体ランキングよりも上位にランクインしました。 (野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) (注)画像はイメージ。各種データは2024年5月15日時点。(出所)各種資料より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点

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05/18 19:00

【銘柄ランキング】20代に買われた個別銘柄は?トップ20を紹介(2024年2-4月分)

トップ3は、NTT、三菱UFJ、OLC 2024年の日本株は年始から大きく上昇し、3月には日経平均株価が初めて4万円台に到達しました。その後、米半導体株の下落や中東情勢の緊迫化を受けて、4月に日本株は一時、大幅に下落しましたが、月末には下げ幅を縮小させました。この期間中には、どのような銘柄が個人投資家によって購入されたのでしょうか。 今回は、2024年2月1日から2024年4月30日までの期間に、野村證券に口座を持つ20代の個人投資家によって購入された上位20銘柄をランキング形式でご紹介します。さらに、野村證券の個人投資家口座全体での買い付けランキング(以下、全体ランキング)とも比較してみました。 トップ3は、1位が日本電信電話(9432)、2位が三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、3位がオリエンタルランド(4661)となりました。 上位20銘柄のうち、全体ランキングと比較して10位以上順位が上振れている銘柄は以下の通りです。3位のオリエンタルランド、4位のフォーサイド(2330)、6位のピクセルカンパニーズ(2743)、10位の楽天グループ(4755)、11位の三井E&S(7003)、19位のRIZAPグループ(2928)の6銘柄です。対象期間中に株価が急変動した中小型銘柄などが全体ランキングよりも上位にランクインしました。 (野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) (注)画像はイメージ。各種データは2024年5月15日時点。(出所)各種資料より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点

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05/16 19:00

【銘柄ランキング】60代に買われた個別銘柄は?トップ20を紹介(2024年2-4月分)

トップ3は、NTT、三菱UFJ、トヨタ 2024年の日本株は年始から大きく上昇し、3月には日経平均株価が初めて4万円台に到達しました。その後、米半導体株の下落や中東情勢の緊迫化を受けて、4月に日本株は一時、大幅に下落しましたが、月末には下げ幅を縮小させました。この期間中には、どのような銘柄が個人投資家によって購入されたのでしょうか。 今回は、2024年2月1日から2024年4月30日までの期間に、野村證券に口座を持つ60代の個人投資家によって購入された上位20銘柄をランキング形式でご紹介します。さらに、野村證券の個人投資家口座全体での買い付けランキング(以下、全体ランキング)とも比較してみました。 トップ3は、1位が日本電信電話(9432)、2位が三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、3位がトヨタ自動車(7203)で、全体ランキングと一致しました。 上位20銘柄のうち、全体ランキングと比較して5位以上順位が上振れている銘柄は、13位のKDDI(9433)の1銘柄でした。総じて全体ランキングと大きな違いは見受けられませんでした。業種別では、情報・通信業が4銘柄、輸送用機器と電気機器がそれぞれ3銘柄ランクインしました。 (野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) (注)画像はイメージ。各種データは2024年5月15日時点。(出所)各種資料より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点

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05/15 19:00

【銘柄ランキング】NISA口座で買われた個別銘柄は?トップ20を紹介(2024年4月分)

トップ3は日本電信電話、三菱重工業、アステラス製薬 2024年4月1日~4月30日の期間に、野村證券のNISA口座の成長投資枠で購入された銘柄の中から、約定件数順に上位20銘柄を紹介します。 日本電信電話(9432)が1位にランクインしました。同社の株価は4月はやや軟調な推移となり、4月19日には年初来安値(場中)の166.0円を付けました。 三菱重工業(7011)が2位にランクインしました。同社は2024年3月31日を基準日として1株を10株にする株式分割を実施しました。 アステラス製薬(4503)が3位にランクインしました。同社は4月25日に決算を発表し、2025.3期の1株あたり配当金予想が前期の70円から74円に増配されました。 ソフトバンク(9434)が6位にランクインしました。同社は4月25日に2024年9月30日を基準日として1株を10株にする株式分割の実施を発表しました。 オリエンタルランド(4661)が10位にランクインしました。同社は4月26日に決算を発表し、2024年1-3月期(4Q)の営業利益は238億円となり、野村予想の334億円を下回りました。 LIXIL(5938)が11位にランクインしました。同社は4月30日に決算を発表し、2025.3期の事業利益予想は350億円となり、野村予想の410億円を下回りました。 富士フイルムホールディングス(4901)が12位にランクインしました。同社は2024年3月31日を基準日として1株を3株にする株式分割を実施しました。 三井不動産(8801)が13位にランクインしました。東京都都市整備局は4月19日に築地市場の跡地再開発事業者として、同社を代表とする企業連合を選定したと発表しました。 (野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) (注)画像はイメージ。各種データは2024年5月8日時点。(出所)各種資料より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点

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05/14 19:00

【週間ランキング】最も閲覧数が多かった個別銘柄は?トップ10を紹介(5/14)

決算発表が中盤戦に突入、トヨタや三菱重工などが上位に トヨタ自動車(7203)が1位にランクインしました。同社は5月8日に決算を発表しました。会社の2025.3期の営業利益予想は、1ドル=145円を前提に前期比20%減の4.3兆円となり、野村予想の4.9兆円を下回りました。世界生産台数は前期比0.3%増の1,000万台にとどまる計画です。野村予想の1,040万台を下回り、増産効果は限定的となりそうです。その他、会社は上限1兆円の自社株買いを新たに発表しました。 三菱重工業(7011)が2位にランクインしました。同社は5月8日に決算を発表しました。2024.3期の事業利益は2,825億円となり、野村予想の3,070億円を下回りました。また、会社の2025.3期の事業利益予想も3,500億円と、野村予想の4,250億円を下回りました。説明会では、利益が下振れた要因として、2024年1-3月期(4Q)にガスタービンや航空エンジンなどの「エナジー事業」で、個別案件による損益悪化が約100億円発生したことなどが説明されました。 日本電信電話(9432)が3位にランクインしました。同社は5月10日に決算を発表しました。会社の2025.3期の営業利益予想は1兆8,100億円となり、野村予想の2兆300億円を大きく下回りました。前期には約1,000億円規模の資産売却益が含まれており、会社は反動減を見込んでいます。その他、2025.3期の1株当たり配当金予想は前期比0.1円増配の5.2円とされました。 日本たばこ産業(2914)が5位にランクインしました。同社は5月9日に決算を発表しました。2024年1-3月期(1Q)の調整後営業利益は前年同期比1%増の2,267億円となりました。為替一定ベース(為替影響を除いた指標)では同3%増となり、野村予想の同1%減を上回りました。多くの国で紙巻たばこ市場におけるシェアが上昇しており、値上げ効果も大きいので、好調なスタートと言えます。 (野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) (注1)画像はイメージ。(注2)各種データは2024年5月13日時点。 ご投資にあたっての注意点

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05/12 12:00

【特集】高値からの積立投資を検証する バブル期から月1万円積み立てた評価額推移

バブル期、1989年末の日経平均株価最高値から2024年3月まで月1万円の積立投資を続けたとしたら評価額はどうなっていたでしょうか。シミュレーションしました。 積立投資はマーケットがどのような状態のときに始めるのがいいのでしょうか。2024年2月に日経平均株価は34年ぶりに最高値を更新しました。3月下旬以降株価は調整しましたが、「もう少し株価が下がったら積立投資を開始したい」と思っている方もいるかもしれません。 では、もし34年前の最高値のときから積立投資を始めたとしたら、どうなっていたでしょうか。野村證券投資情報部が試算しました。 1989年のバブル期最高値から始めた日経平均の積立投資、その投資成果は? こちらは日経平均株価がバブル期最高値の38,915円を付けた1989年12月末から、日経平均に毎月末1万円の積立投資を始めた場合の試算です。 (注)データは月次の終値ベースで、1989年末から2024年3月末日まで。積立投資は、日経平均に毎月末に10,000円ずつ投資をするとして計算。手数料、税金等は考慮していません。上記は過去の実績をもとにした試算結果であり、将来の投資成果を予測・保証するものではありません。局面によっては、積立による投資成果が期待できない場合があります。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 約19年後、2009年2月末には日経平均はバブル期以降の月末値の最安値、バブル・ピーク時の約1/5となる7,568円まで下がりました。それに対して積立投資の評価額は115万円で、累計投資額231万円の約1/2の水準に留まっています。 その後2013年4月末になると日経平均は、ピーク時の約1/3の13,860円まで戻しました。その時の積立投資の評価額は283万円となり、累計投資額の281万円を上回ってきました。つまり利益が出た状況になったわけです。 積立投資の継続で日経平均が低迷している期間に、より安い価格で多くの口数の買い付けができたことで平均買付コストが下がり、日経平均が高値に比べて低水準でも評価額がプラス圏に浮上できたといえます。 そして2024年3月末の日経平均が40,369円に達した段階では、積立投資の評価額は1,077万円となりました。累計投資額の412万円の約2.6倍になり、大幅に含み益の状況になりました。 積立投資の推移(試算)の特徴 積立投資の評価額(オレンジのグラフ)を見ると積立投資を始めた初期においては、買い付けた累計口数がまだ少ないため、投資対象(ここでは日経平均株価)の価格変動の影響が、金額として相対的に小さいことが分かります。 時間の経過とともに買い付けた累計口数が多くなるため、投資対象が価格変動することによる影響は金額的に大きくなります。つまりグラフが右側に行くほど金額のブレ幅は大きくなる傾向が見て取れます。 積立投資は、毎月同じ金額を投資することで、価格が安いときには多く、高いときには少ない量を自動的に購入できる、というメリットがあります。一定口数での買い付けと比較した場合、平均的な買い付けコストを低く抑えることが期待でき、これは投資対象の価格が上昇した際の投資効果を、さらに高めることにつながります。 本例でも明らかなように、積立投資を始める際は投資対象の価格が高いか安いかを気にするよりも、長期的な投資を通じて、平均的な買い付けコストを低く抑えることが期待できる積立投資のメリットを最大限活用することが重要となります。 ※本コラムで取り上げられた投資に関する基本的な考え方などについては、あくまで個人の見解によるものであり、野村證券の意見を代表するものではございません。 ご投資にあたっての注意点

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05/09 19:00

【週間ランキング】最も閲覧数が多かった個別銘柄は?トップ10を紹介(5/9)

決算発表が本格化、三菱商事やOLCなどが上位に 三菱商事(8058)が2位にランクインしました。同社は5月2日に決算を発表しました。会社の2025.3期の親会社株主利益予想は9,500億円で、野村予想の1兆600億円を下回りました。親会社株主利益予想が前期比微減益となった点はややネガティブな印象です。一方、株主還元について、同期の1株当たり配当金予想を100円に引き上げた点は評価できます。野村予想は82円でした。 オリエンタルランド(4661)が6位にランクインしました。同社は4月26日に決算を発表しました。2024年1-3月期(4Q)の営業利益は238億円で、野村予想の334億円を下回る結果となり、ややネガティブな印象です。主要因としては、人件費や諸経費の上昇が挙げられます。今後の注目点は、2024年6月からの東京ディズニーシー(TDS)の新エリア「ファンタジースプリングス」の開業効果です。 レーザーテック(6920)が7位にランクインしました。同社は4月30日に決算を発表しました。2024年1-3月期(3Q)の受注高は前年同期比2.3倍となり、半導体検査装置とサービスの両面で大きく増加しました。3Qの大幅な受注増は高価な装置の受注タイミングが集中した可能性が高いと推察していますが、受注が底打ちしたという点は好印象です。 住友商事(8053)が10位にランクインしました。同社は5月2日に決算を発表しました。2024.3期の親会社株主利益は3,864億円で、野村予想の5,000億円を大きく下回りました。ニッケルプロジェクトの減損などによる損失処理が膨らんだことが、下振れの要因でした。また、株主還元方針については、総株主還元性向を40%以上とし、累進配当や機動的な自社株買いを実施していく方針が示されました。これは株式市場の期待に応えた形となり、好印象でした。しかし、総株主還元利回りが同業他社と比較して大きな差がなく、利回り面での魅力はそこまで高くないと考えられます。 (野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) (注1)画像はイメージ。(注2)各種データは2024年5月8日時点。 ご投資にあたっての注意点

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05/08 19:00

【銘柄ランキング】投資家に買われた「配当利回り3%以上」銘柄は?(2024年2-4月)

トップ3はアステラス、日本製鉄、JT 2024年2月1日~2024年4月30日の期間で、野村證券の個人口座で買い付けられた銘柄の中から、今期予想配当利回りが2024年5月2日時点で3%以上だった銘柄を抽出しました。約定件数順に上位20銘柄を紹介いたします。 医薬品セクターからは、アステラス製薬(4503)が1位に、武田薬品工業(4502)が6位にランクインしました。アステラス製薬は4月25日に決算を発表し、2025.3期の1株あたり配当金予想が前期の70円から74円へ増配されました。 鉄鋼セクターからは、日本製鉄(5401)が2位に、神戸製鋼所(5406)が12位にランクインしました。4月12日、米国鉄鋼大手のUSスチールの臨時株主総会が開催され、日本製鉄による買収提案が承認され、買収完了の条件を一つクリアしました。また、5月3日には、日本製鉄はUSスチールの買収計画の完了時期を従来の2024年4-9月から、同年7-12月に変更すると発表しました。 銀行セクターからは、みずほフィナンシャルグループ(8411)が5位に、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が10位に、ゆうちょ銀行(7182)が13位にランクインしました。4月26日の日本銀行の金融政策決定会合では政策変更はありませんでした。目下、銀行株は材料不足の状況ですが、年後半以降には再び対TOPIX(東証株価指数)で銀行株が強含むと野村では予想しています。 海運セクターからは、川崎汽船(9107)が9位に、商船三井(9104)が11位に、日本郵船(9101)が15位にランクインしました。イスラエルとイスラム組織「ハマス」の衝突が続き、ハマスを支援するイエメンの親イラン武装組織フーシ派による商船への攻撃リスクが高まっています。スエズ運河の利用が困難な状況にあるため、コンテナ船運賃や自動車船運賃は高止まりしやすいと考えられます。 (野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) (注)画像はイメージ。(出所)各種資料より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点

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05/06 19:00

【特集】セル・イン・メイ-「株は5月に売り逃げろ」は有効か? 長期日米株価から検証

「セル・イン・メイ」という相場の格言をご存じでしょうか。「5月にいったん売り逃げろ」という米国などで言い伝えられてきた先人の教えです。これには「ただし9月にはマーケットに戻ってこい」という続きの言葉があります。昔からあるアノマリー(経験則)に沿って株価変動を分析してみると、どんな結果が見えてくるでしょうか。野村證券で個人投資家向けに株式投資の情報を提供している投資情報部に、過去の株価変動の検証を踏まえて話を聞きました。 月間平均騰落率は10月以降堅調、勝率でも差あり ――これまでのNYダウと日経平均株価の動向から見て、セル・イン・メイは有効な戦略と言えるのでしょうか。 セル・イン・メイの格言について、1940年代から2024年3月までのNYダウと日経平均株価の株価動向を検証してみましょう。まずは各株価指数の月間平均騰落率です。NYダウと日経平均株価ではともに、5月から9月までに比べ、10月から4月にかけては堅調な月が多い様子がうかがえます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注)NYダウの動向は1945年1月からの月末値を基に算出、日経平均株価の動向は1949年6月からの月末値を基に算出。ともに直近値は2024年3月末。(出所)NYダウの動向はS&Pダウジョーンズ・インデックス社、ブルームバーグより野村證券投資情報部作成。日経平均株価の動向は日本経済新聞社、ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 次に、セル・イン・メイについて、株価指数の月末値を使った期間別平均騰落率を試算して検証してみたいと思います。セル・イン・メイ(5月に売る)とすると、時期の近い月末値は4月末もしくは5月末になりますが、今回の試算では、この時期を4月末と置きました。格言に則った「前年9月末に各株価指数を買い、4月末に売った場合」と、格言の反対の投資行動といえる「4月末に買い、9月末に売った場合」とで比べてみましょう。 「前年9月末に買い、4月末に売った場合」は、NYダウと日経平均株価のいずれも+8.1%と高いパフォーマンスになりました。一方で反対の「4月末に買い、9月末に売った場合」は、NYダウは+0.2%、日経平均株価は+1.5%と冴えない結果となっています。 (注)NYダウの動向は1944年9月からの月末値を基に算出、日経平均株価の動向は1949年6月からの月末値を基に算出。ともに直近値は2024年3月末。(出所)NYダウの動向はS&Pダウジョーンズ・インデックス社、ブルームバーグより野村證券投資情報部作成。日経平均株価の動向は日本経済新聞社、ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 「上昇した回数が占める割合」を表す勝率はどうでしょうか。格言に則った「前年9月末に買い、4月末に売った場合」は、NYダウと日経平均株価はともに約7割の確率で上昇しています。一方で、逆に「4月末に買い、9月末に売った場合」はNYダウも日経平均株価も5~6割程度でした。 (注)NYダウの動向は1944年9月からの月末値を基に算出、日経平均株価の動向は1949年6月からの月末値を基に算出。ともに直近値は2024年3月末。(出所)NYダウの動向はS&Pダウジョーンズ・インデックス社、ブルームバーグより野村證券投資情報部作成。日経平均株価の動向は日本経済新聞社、ブルームバーグより野村證券投資情報部作成 このようにNYダウと日経平均株価における長期株価動向によると、アノマリーもあながちただの言い伝えとは言えなさそうです。 ――5月から9月にかけて株価パフォーマンスが鈍化傾向にあった要因として、どんなことが考えられるのでしょうか。 まず米国では、個人の確定申告の税還付の資金流入が一巡することや、夏季休暇前のポジション調整などがその理由として挙げられます。日本でも、夏場はお盆休みなどで市場参加者が減り、株式市場の取引高が減少して相場があまり動かなくなる、いわゆる「夏枯れ相場」などがあります。いずれにしても明確な根拠はなく、セル・イン・メイはあくまでも一つのアノマリーとして考えた方がいいでしょう。 2024年の今後の注目ポイントは? ――話は変わるのですが、最後に、2024年の足下までの市場動向とこれからの株式市場を見ていく上で、注目すべきポイントを教えてください。 2024年はNYダウも日経平均株価も1月から3月にかけて大きく上昇し、3月末までに、ともに史上最高値を更新しています。その一方で4月から6月にかけては、その反動が出やすいと見込まれます。特に日本市場に関しては、この先、1ドル=140円を割り込むなど円安修正の動きが急激に進行した場合は、株価はもう一段下がる可能性もあるかもしれません。 下期に入ると、11月5日の米国大統領選が、米国だけではなく日本の株式市場も含めた変動要因になることも考えられます。民主党・共和党のどちらの候補者が勝利するかで政策の方向性が変わるため、企業はその状況を見極めようと選挙後まで経営の意思決定や設備投資などを後ずれさせる可能性があるためです。 変動要因の見極めが難しい時期の投資はリスクが大きい一方で、リターンの期待値も大きくなります。今回の大統領選挙の前後で株価の動向がどうなるかはわかりませんが、中長期的な投資をする上でも、米国大統領選の行方は視野に入れておく必要がありそうです。 ※本コラムで取り上げられた投資に関する基本的な考え方などについては、あくまで個人の見解によるものであり、野村證券の意見を代表するものではございません。 ご投資にあたっての注意点

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05/06 12:00

【特集】“インデックス以上”を期待できるアクティブ・ファンド選び プロの5つの視点

撮影/竹井俊晴 数多くのファンドのなかから、自分の資産形成に適したファンドを選ぶために、どのような視点を持てばよいでしょうか。 例えば、インデックス・ファンドとアクティブ・ファンドの違いや、インデックス・ファンドを上回るパフォーマンスが期待できるアクティブ・ファンドの選び方などについても理解しておくと、銘柄選びの手助けとなるでしょう。 ファンド評価会社の野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティングの今村信博は、上記のようなファンドを選ぶ視点は5つあると言います。詳しく解説してもらいます。 インデックス・ファンドとアクティブ・ファンドの違い ――「全世界株に投資するインデックス・ファンド1本でいい」といった意見を聞くことがありますが、インデックス・ファンドとアクティブ・ファンドの違いとは何でしょうか。 野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティング(以下、NFRC) 今村信博(以下同)インデックス・ファンドは、特定の指数と連動することを目指して運用されるファンドです。例外もありますが、主要な国や地域、全世界などの指数を対象とするファンドがほとんどです。 それに対し、アクティブ・ファンドは特定の地域・国・業種・テーマなど、様々な投資対象のバリエーションがあります。小型株やハイ・イールド債といった、ニッチな資産クラスを対象としたものもあり、個人投資家の運用目的や関心を持っているテーマ、投資哲学に合わせた投資ができます。ただし、インデックス・ファンドに比べると相対的にコストは高めです。 例えば「日本株が今好調なので投資比率を高めたい」と思ったとします。インデックス・ファンドの場合、日本株市場の全体に投資することになりますが、アクティブ・ファンドの場合は「これから成長が見込める中小型株に投資したい」「配当を多く出している企業に投資したい」など様々なテーマや哲学で選ぶことができるわけです。選択肢が広がるのがアクティブ・ファンドの特徴とも言えます。 ――「アクティブ・ファンドはコストが高く、コストも加味したパフォーマンスではインデックス・ファンドに勝てない」という意見をよく聞きますが、本当でしょうか。 比較する期間や対象によって違いますが、インデックス・ファンドのパフォーマンスを上回った、言い換えれば、“勝った”アクティブ・ファンドはあります。 しかし、特に今の米国株市場は、時価総額の高いマグニフィセント・セブンと呼ばれる企業が指数の構成比で上位を占めています。それら特定の銘柄が指数のパフォーマンスをけん引している側面があり、アクティブ・ファンドがリスク管理の観点などから、それらの銘柄を十分に保有できていない場合などに、インデックス・ファンドのほうが有利になる可能性があります。 一方、NFRCでは、日本株市場を対象に、インデックス・ファンドとアクティブ・ファンドでどちらの平均リターンが高いのか比較を行ったことがあります。すると、調査対象の期間によって結果は変わることがわかりました。 ※野村総合研究所Fundmarkの国内株式/一般/フリーに分類されるファンド(2023年12月末時点で、10年以上の運用実績があるアクティブ・ファンド131本)を対象とした調査。勝率はファンド数ベースで算出。期間は過去3年(2021年1月~2023年12月)、過去5年(2018年1月~2023年12月)、過去10年(2014年1月~2023年12月)で比較 過去3年間は、インデックス・ファンドが強いのですが、5年間、10年の期間で見てみると半分くらいのアクティブ・ファンドが勝っており、平均リターンもわずかにアクティブ・ファンドが上回っていました。 直近の3年間は、日本株市場全体が上昇する局面にありました。つまり、業績のいい企業も悪い企業も総じて上がる市場環境ではインデックス・ファンドが強いのですが、市場のいい時も悪い時も含めた長期投資の視点では、個別銘柄を目利きして選んでいるアクティブ・ファンドが有利になる可能性があります。 ファンドは“生もの” 良い実績がこの先も続くとは限らない ただし、長期投資をすればどのアクティブ・ファンドも勝てるというわけではありません。同じ資産カテゴリーのファンド間でも大きなリターン格差が生じることがあります。こちらをご覧ください。 日本株全般を投資対象とするアクティブ・ファンドに関して、過去10年間の累積リターンを示しています。最も結果の良かったファンドは約+284%であった一方で、最も結果の悪かったファンドは約-25%と、実に300%以上もの差があります。 アクティブ・ファンドおよびインデックス・ファンド平均は単純平均出所: 野村総合研究所Fundmarkで「国内株式・一般・フリー」に分類された全投資信託の税引き前分配金再投資後リターンを基にNFRC作成 ――大きな差ですね。パフォーマンスの悪いアクティブ・ファンドを選ばないようにするためには、過去のパフォーマンスのいいものを選ぶと良いのでしょうか。 過去の運用実績が良いからと言って、将来の運用実績が高いとは言えません。こちらは、日本株へ投資するアクティブ・ファンドについて、2020年12月までの3年間のリターンと2023年12月までの3年間のリターンを比較したチャートです。 前半の3年間でパフォーマンスがいいものが、後半ではぐっと下がっている、その逆もあることがわかると思います。 Fundmark 「国内株式:一般:フリー」に分類され、過去6年間の運用実績を有するファンドについて、累積リターン・ランクの変化を表示している。なお、累積リターン・ランクは、3年前と直近月のそれぞれの時点において、過去3年間の運用実績を有した全ファンドの中での相対的な順位を表している。出所:NFRC その理由のひとつは市場の変化です。バリュー株投資が優位な市場からグロース株投資が優位な市場に変化する、またはその逆もあります。他に、運用会社の買収・合併や運用者の交代、運用手法・プロセスの変更などにより過去のパフォーマンスの再現性がなくなってしまうことがあります。ファンドは“生もの”なのです。 強いファンドを見極める「定性評価」とは ――過去のパフォーマンスだけではファンドを選べないということがわかりました。では、何を見るのが良いのでしょうか。 NFRCは、ファンドを評価するために、過去の運用成績がどうだったかという定量評価ではなく、将来どうなるかを予測するための定性評価を重視しています。主に注目しているのは、運用体制・運用プロセス・情報開示の3つの観点です。 伝統的資産:株式や債券などを指す。出所:NFRC 優れた運用成績があるかどうかはもちろん、その運用体制が強固なものであるか、根底にある運用哲学にぶれがないかどうかを見ることにより、中長期の観点で運用を任せられるファンドなのかどうかを判断するのです。 評価項目は多岐にわたり、例えばファンドマネージャーやアナリストたちの人事評価の方針なども調べます。彼らが働くモチベーションを保てるかどうかは運用体制を判断するうえで大切だからです。 ――個人投資家が、定性評価の観点から、ファンドを判断することはできますか。 ファンドのホームページ等に載っている目論見書や運用報告書などを通じて、ある程度の情報を取ることができますが、特に5つの観点はチェックしてほしいと思います。 運用実績コスト水準ポートフォリオの状況投資哲学・運用方針資産規模 純資産 上の3つは、目論見書や運用報告書などでわかる部分も多いと思います。 4つめの「投資哲学・運用方針」については、運用担当者がインタビューに答えていたり、動画投稿サイトなどで発信したりしていると、投資哲学や運用方針がわかりやすいでしょう。それに共感できるかどうかは大切です。 例えば、社会貢献している優良な企業に投資する哲学を持つファンドがあったとして、投資家がそれに共感していれば、投資を通じて社会貢献している実感を持つことができるでしょう。その哲学が崩れなければ、市場が悪いときにも投資を続けるモチベーションになるかもしれません。 ――5つ目の資産規模をチェックする必要があるのはなぜですか。 急激に資産規模が縮小し、償還条項に近づいているようなファンドは、償還するリスクが相対的に高まっているため注意が必要です。 一方で、大きくなりすぎている場合も注意が必要なのです。例えば中小型株の投資でパフォーマンスがよかったファンドの資産規模が大きくなると、中小型株への投資だけではポートフォリオを保てなくなり、大型株を一部組み入れるなど方針が変わってしまう場合があります。すると、本来の強みを発揮できなくなることも考えられます。 大切なのは、こうした視点でファンドを継続的にみることなのですが、個人投資家にとっては情報収集が難しい点もあるでしょう。そこで、我々のようなファンド評価会社を活用してほしいと思います。例えば野村證券のオンラインサービスでは、主要なファンドについて「ファンド詳細レポート」を見ることができます。公開情報だけではとらえにくい定性面でのポイントなどを記載しており、過去と比較した継続性についてもまとめています。 ――こうした情報収集をしながら、自分の投資哲学に合うアクティブ・ファンドを見つけられると、投資リテラシーも上がりそうです。ありがとうございました。 野村の投資信託情報誌「Nomura Fund21」は、投資信託業界の潮流や変化、最近の投資戦略やトレンドなどが理解できる情報を掲載しています。Vol.162では、野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティングが解説する「良いファンドの見極め方」や、「運用会社に聞くアクティブ運用の裏側」を特集しています(偶数月第1営業日更新)。 こちらから読むことができます。Nomura Fund21|野村の投資情報|野村證券 野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティング ファンド分析部長ファンド・リサーチ・ヘッド今村信博(いまむら・のぶひろ)1998年、中央大学経済学部卒業。同年、野村證券入社。広島支店等を経て、2003年、野村ファンド・リサーチ・アンド・テクノロジー(現野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティング)ファンド分析部。一貫してファンド・アナリストとして従事し、外国株チームリーダー、ロンドン支店長等を歴任、2020年ファンド・リサーチ・ヘッド、2022年にファンド分析部長に就任、現在に至る。CFA協会認定証券アナリスト、CAIA協会認定オルタナティブ投資アナリスト、日本証券アナリスト協会認定アナリスト ※本コラムで取り上げられた投資に関する基本的な考え方などについては、あくまで野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティングの見解によるものであり、野村證券の意見を代表するものではございません。 ご投資にあたっての注意点

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05/05 12:00

【特集】積立投資いつ始める?森永康平が「今」と考える理由

撮影/齋藤大輔 投資信託などを毎月一定の金額をコツコツ積み立てる「積立投資」はいつ始めるといいのでしょうか。積立投資の考え方を経済アナリストの森永康平さんに聞きました。 積立投資は長期投資の基本 ――積立投資を始めるにしても、日経平均株価が4万円付近にある今、株価がもう少し下がってからの方がいいのではと考える人もいると思います。いつから始めるのがいいのでしょうか。 森永:株価がどうであれ、積立投資は思い立った時に始めたらいいと思います。将来のことは誰にもわからないですし、今が高値と決めつけるのは少し傲慢かもしれません。日経平均株価の長期チャートを見ていると視覚的には高値に見えるかもしれませんが、1989年のバブル期には62倍にも達していた予想PER(株価収益率:日経記者予想ベース)は2024年4月1日現在、約17倍と異常なほど高いわけではありません。ここ10年は異常値を除けば16倍台が上限になっていたため、確かにいいところまで上昇したな、とは思いますが、バブルとは言えないでしょう。 企業の業績回復に伴ってここからさらに上がる余地はあるし、一方で、ここまでの上昇スピードが速すぎるため、多少は調整局面を迎えて下がるかもしれません。上にも下にもどちらにも振れる可能性があり、ベストタイミングを見極めるのは難しいです。 ただ、市場は上がったり下がったりを繰り返すものであり、長期目線で投資信託などを毎月一定の金額をコツコツ積み立てる「積立投資」を考えるのであれば、始めるタイミングで迷うよりも、早く始めた方がいいと言えます。もし今、「日経平均株価は高い、これから下がる」と考えているなら、むしろ有利だと思いますよ。 ――「これから下がると考えているなら、むしろ有利」とはどういうことでしょうか。 森永:積立投資の基本である「ドルコスト平均法」を思い出してみましょう。価格が変動する商品に対して毎月一定額の積立投資をするということは、価格が低い時には購入量(株数)が増え、逆に価格が高い時には購入量(株数)が減ります。 これから日経平均株価は上昇し続けると考えるなら、今すぐ投資を始めた方がいいことに異論はないでしょう。逆に、「今は高値でこれから下がる」と考える人にとっても、株価が下落する局面では多くの株数を買い付けて平均買付単価が下がっていくことになるので、マーケットが反転して上昇した時には資産が増えやすくなります。 (注)上記の数字はあくまでも一定の条件を基に試算した結果であり、税金や取引コストは含まれておりません。また、ドルコスト平均法は将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。局面によっては(例えば、購入対象の金融商品の価格が長期にわたって下降トレンドをたどるなど)、投資成果が期待できない場合もあります。(出所)野村證券投資情報部作成 ――積立投資が不利になるシナリオはあるのでしょうか。 森永:最悪なのは投資してからずっと株価が下がり続けることですが、それ以外だと株価が右肩上がりでずっときたものの、積み立てた資金を取り崩す際に大きく値下がりしてしまったというケースも不利なシナリオと言えるでしょう。積立投資を始めてから株価が右肩上がりだと気持ちよくなりますが、それは同時に平均買付単価が切り上がり、購入量(株数)が減ることでもあります。 ――積立投資は長期運用が向いているというわけですね。では、例えば50歳から始めるのは遅いでしょうか。 森永:よく聞かれる質問ですが、日本人には当てはまらないと考えています。日本人の平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳(出典:厚生労働省「令和4年簡易生命表」)と世界トップクラスです。50歳で始めたとしても、20年、30年と長期で積立投資をすることは可能です。 それだけ長期で運用することを考えると、積立投資をやめたくなる要因をどれだけ減らせるかが大事なポイントになります。「株価が高い時には積み立てをやめて、安くなったらまた始めよう」などと思っていると、常にチャートや株価ボードと睨めっこになりますし、どこが高値なのか安値なのか分析するのが手間になってきます。その結果、投資自体をやめてしまうことになりがちです。株価水準は気にせずに淡々と一定額を積み立てる人が、結局、長期投資で成功する可能性が高いと思います。 コア部分で安定を、サテライト部分で高リターンを狙う ――積立投資の考え方について理解しました。実際に積立投資を始めたいんですが、様々な投資信託がある中で何を基準にして選んでいいのか悩んでいます。 森永:「コア・サテライト戦略」は一つの考え方だと思います。運用資産をコアとサテライトに分け、コア部分は安定的に運用し、サテライト部分で自分好みの商品を機動的に入れ替えながら運用することで市場平均よりも大きなリターンを追求するという方法です。 投資に時間をかけられない人や投資初心者の場合、コア部分を8割もしくはそれ以上の比率にし、株価指数に連動するインデックス型投資信託を選んでもいいと思います。一方のサテライト部分はもう少し自由度を高くして、市場や経済の動きから上がりそうな分野を考え、自分が興味を持った商品を選んでみるといいでしょう。といっても、細かく企業分析をする必要はありません。 例えば、訪日外国人が増加しているのであれば、運輸や旅行、外食関連の消費需要が増えるんじゃないかぐらいの見通しで十分です。半年から1年先のストーリーをぜひ楽しみながら思い描いてみてください。 サテライト部分はアクティブ型投資信託でもいいですし、REIT(不動産投資信託)でも、新興国株式の投資信託でも、テーマ型投資信託でもいいと思います。リスクとリターンは表裏一体なので、大きなリターンを追求すると、場合によっては投資元本を大きく下回る可能性が高まるかもしれません。ですが、2割以下のサテライト投資の範囲で投資すると決めていれば、資産全体への影響は小さく抑えられます。 コア・サテライト戦略のイメージ図 ※野村證券未来共創推進部作成 「エンハンスト・インデックス」を自分でつくる ――コアとサテライトで分けて考えると、運用の目的もそれぞれ明確になってきそうですね。コア部分の選び方で注意すべきことはありますか。 森永:一般の投資家の方と話をしていると、「全世界の株式」と「米国株式(S&P500)」を投資対象とする投資信託を組み合わせて分散投資をする考え方をしている人もいるようですが、それで分散効果が高まっているとは言い難いです。「全世界の株式」を投資対象としているので世界の数十カ国に均等に分散投資していると思いがちですが、実際の投資信託の組入比率(純資産総額に対する割合)は過半を米国株式が占めるものが多いようです。思ったよりも米国株の比率が上がっており、米国市場の株価が大きく下がって驚くこともあるでしょう。 本当に分散したいなら、株式の比率を下げて債券を組み入れるのも一つの手だと思います。その意味で、バランス型投資信託という選択肢も出てきます。特に50代などからの投資で資産の下落を抑えたいと考える人に向いていると言えるでしょう。 ――サテライト部分の選び方で、具体例はありますか。 森永:例えば、コア部分を日本株式のインデックス型投資信託にしたとして、サテライト部分では日経平均採用銘柄のうち配当比率の高い銘柄だけに投資するアクティブ型にすることで、インデックス運用にアクティブ運用のスタイルを一部取り入れた自分なりの「エンハンスト・インデックス運用」をするのも一つの方法です。 ――サテライト部分でインデックス型に「味付け」して投資を楽しむという考え方もあるんですね。商品を選んだり入れ替えたりする際は、何を基準にして判断したらいいのでしょうか。 森永:米国市場も日本市場も、3カ月ごとに行う四半期決算のタイミングでPERを確認するぐらいでいいと思います。積立投資は長期運用が前提なので、自分が続けられるルーティーンであることが大事です。 マネネCEO/経済アナリスト森永康平(もりなが・こうへい)証券会社や運用会社にてアナリスト、ストラテジストとして日本の中小型株式や新興国経済のリサーチ業務に従事。業務範囲は海外に広がり、インドネシア、台湾などアジア各国にて新規事業の立ち上げや法人設立を経験し、事業責任者やCEOを歴任。日本証券アナリスト協会検定会員。経済産業省「物価高における流通業のあり方検討会」委員。著書は『親子ゼニ問答』(角川新書)、『スタグフレーションの時代』 (宝島社新書)など多数。 ※本コラムで取り上げられた投資に関する基本的な考え方などについては、あくまで個人の見解によるものであり、野村證券の意見を代表するものではございません。 ご投資にあたっての注意点

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05/04 12:00

【投資と税金】 定額減税で1人あたり4万円の減税! 6月1日より

4月に入り食品の値上げが相次ぎ、物価高を痛感している方も多いと思います。物価高騰の影響を受けている国民に対して「物価高に対応し、可処分所得を増やす」という目的で、令和6年分の所得税・令和6年度分の個人住民税の定額減税が実施されます。具体的に「いつ・どのように」実施されるのか、大手町トラストの税理士に伺いました。 はじめに 令和5年12月に閣議決定された「令和6年度税制改正の大綱」において、物価高対策の一環から、一時的な措置として所得税・個人住民税の減税が行われることとなりました。これにより令和6年分の所得税および令和6年度分の個人住民税について定額による特別控除(定額減税)を実施するための税制改正が行われ、令和6年6月から定額減税が実施されます。 制度概要 (1)定額減税の対象者 令和6年分の所得税・令和6年度分の個人住民税に係る合計所得金額が1,805万円以下(給与収入2,000万円以下に相当(注1))の方 (注1)「子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除」の適用を受ける者の場合は、2,015万円以下となります。 (2)定額減税額 本人および同一生計配偶者または扶養親族(注2) 1人につき所得税3万円、個人住民税1万円 (注2) いずれも居住者に限ります。 実施方法  (1)所得税 給与所得者令和6年6月1日以後最初に支払を受ける給与等(賞与を含む。以下同じ)について、源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の合計額(控除前税額)から定額減税額が控除されます。控除しきれない部分の⾦額は、以後令和6年中に⽀払われる給与等に係る控除前税額から順次控除されます。給与所得者を例にした具体的なイメージは、以下のとおりです。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 公的年金受給者令和6年6月1日以後最初に支払われる公的年金等について、源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の合計額(控除前税額)から定額減税額が控除されます。控除しきれない部分の金額は、以後支払う公的年金等に係る控除前税額から順次控除されます。退職所得に係るもの退職所得の源泉徴収の際には定額減税が実施されませんが、確定申告により定額減税額の控除を受けることができます。給与等に係る源泉徴収において控除しきれなかった定額減税額がある場合には、令和6年分の確定申告書を提出することで退職所得を含めた所得に係る所得税について、定額減税の適用を受けることができます。事業所得者・不動産所得など事業所得者等の場合は、原則として令和6年分の確定申告(令和7年1月以降)の際に所得税の額から控除されます(予定納税対象者の場合は令和6年7月の第1期分予定納税額から控除)。 (注1) 給与所得者や年金受給者が不動産所得などの他の所得を有する場合等には、源泉徴収の段階で定額減税の適用を受けた上、確定申告で最終的な定額減税額との精算を行うこととなります。 (2)個人住民税 令和6年度分の個人住民税額から、住民税の徴収方法等に応じて控除されます。例えば給与所得に係る特別徴収の場合、令和6年6月分は徴収されず、「定額減税後の年税額」を令和6年7月分~令和7年5月分の11か月で均した個人住民税額が徴収されます。 なお、実施方法の詳細につきましては以下の公的資料をご参照ください。 所得税 … 国税庁ホームページ「定額減税 特設サイト」住民税 … 総務省「個人住民税の定額減税に係るQ&A集(PDF)」 この資料は情報提供を唯一の目的としたもので、投資勧誘を目的として作成したものではありません。この資料は信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、野村證券は、その正確性および完全性に関して責任を負うものではありません。この資料は提供されたお客様限りでご使用いただくようお願いいたします。詳しくは、所轄税務署または顧問税理士等にご確認ください。 ご投資にあたっての注意点

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05/02 19:00

【特集】5~6月権利確定月 株主優待あり かつ 高配当株ランキングトップ10(2024年4月作成)

ドラッグストア企業が多くランクイン 株主優待や配当金は、個人投資家にとって株式投資の魅力の一つで、これらが充実している銘柄は長期投資にも適していると言えそうです。 今回は、予想配当利回りが高く、株主優待ももらえる銘柄をランキング化しました。具体的には、2024年4月17日時点のデータを基に、5月、6月が権利確定月である銘柄の中から、100株買い付けた場合に株主優待の権利が得られる上、今期予想配当利回りも高い銘柄を抽出しました。対象としたのは時価総額300億円以上の企業で、いわゆる「中小型株」も含んでいます。 業績については、前期が経常増益だったことと、今期の経常利益が増益予想となっていることを条件としています。予想配当利回り順に上位10銘柄を紹介します。 1位にランクインしたのは、手提げ紙袋の国内シェア首位であるザ・パック(3950)です。2位には、世界最大級の民間気象情報会社であるウェザーニューズ(4825)が続きました。また、5月決算の小売業の銘柄が多くランクインしましたが、特に目立ったのはドラッグストア企業でした。具体的には、ツルハホールディングス(3391)が3位、クリエイトSDホールディングス(3148)が4位、コスモス薬品(3349)が10位にランクインしました。 なお、株主優待が変更または廃止される場合もあります。最新情報は各企業のホームページでご確認ください。また、投資に際しては他の要素もご確認ください。 企業概要と100株保有で取得できる株主優待の内容 ※【優待内容】の欄には優待内容の一部を抜粋して記載しています。お買付を検討される際は、必ず「詳しくはこちら」と記載してあるリンク先のページで、正確な内容や留意事項などをご確認ください。 1位 ザ・パック(3950) 【企業概要】手提げ紙袋や紙器、段ボール製品など包装用品製造・販売の国内大手。【優待内容】500円相当の図書カード。詳しくはこちら→https://advance.quote.nomura.co.jp/meigara/nomura2/users/kabunushi/yutai_d.asp?RCODE=3950&MKTN= 2位 ウェザーニューズ(4825) 【企業概要】世界首位クラスの民間気象情報会社。気象リスク解析などの事業も手掛ける。【優待内容】天気アプリ「ウェザーニュース」の有料コンテンツ利用権(税込み月330円)半年間。詳しくはこちら→https://advance.quote.nomura.co.jp/meigara/nomura2/users/kabunushi/yutai_d.asp?RCODE=4825&MKTN= 3位 ツルハホールディングス(3391) 【企業概要】北海道地盤の国内大手のドラッグストアチェーン、イオン(8267)およびウエルシアホールディングス(3141)と2027年末までの経営統合で合意。【優待内容】ツルハグループの各店で利用できる買い上げ額から5%割引となる株主優待カード(5月15日現在の株主名簿に記載されていることが条件)。詳しくはこちら→https://advance.quote.nomura.co.jp/meigara/nomura2/users/kabunushi/yutai_d.asp?RCODE=3391&MKTN= 4位 クリエイトSDホールディングス(3148) 【企業概要】神奈川を中心に、関東などに出店しているドラッグストアチェーン。【優待内容】「薬のクリエイト」で使える500円相当の買物優待券3枚(計1,500円相当)。詳しくはこちら→https://advance.quote.nomura.co.jp/meigara/nomura2/users/kabunushi/yutai_d.asp?RCODE=3148&MKTN= 5位 FPパートナー(7388) 【企業概要】全国に支社を構える保険代理店。訪問型営業が中心だが、来店相談ができる「マネードクター」も展開。【優待内容】3,000円相当のQUOカード。詳しくはこちら→https://advance.quote.nomura.co.jp/meigara/nomura2/users/kabunushi/yutai_d.asp?RCODE=7388&MKTN= 6位 ブックオフグループホールディングス(9278) 【企業概要】「BOOK OFF」を中心にリユース品を扱う店舗の運営やフランチャイズ事業を展開。【優待内容】国内の「BOOK OFF」などで使える買い物券(継続保有期間3年未満:2,000円相当、3年以上:2,500円相当)と書籍買取金額20%アップクーポン2枚。詳しくはこちら→https://advance.quote.nomura.co.jp/meigara/nomura2/users/kabunushi/yutai_d.asp?RCODE=9278&MKTN= 7位 アスクル(2678) 【企業概要】法人向けの文具やオフィス用品などの通販サイトが柱。個人向け通販サイト「LOHACO」も展開。【優待内容】通販サイト「LOHACO」での501円(税込)以上の商品に使える500円相当の割引クーポン4枚(計2,000円相当)。詳しくはこちら→https://advance.quote.nomura.co.jp/meigara/nomura2/users/kabunushi/yutai_d.asp?RCODE=2678&MKTN= 8位 ロイヤルホールディングス(8179) 【企業概要】ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」を柱とした外食事業や、飲食店舗の運営受託事業、「リッチモンドホテル」などのホテル事業も展開。【優待内容】「ロイヤルホスト」「天丼てんや」などで利用できる500円相当の優待券。詳しくはこちら→https://advance.quote.nomura.co.jp/meigara/nomura2/users/kabunushi/yutai_d.asp?RCODE=8179&MKTN= 9位 アシックス(7936) 【企業概要】世界大手のスポーツ用品メーカー。スポーツシューズやスポーツウェアなどを製造販売。【優待内容】直営店舗で利用できる割引券(継続保有期間1年未満:20%割引券10枚、1年以上:30%割引券10枚)と通販サイト「アシックスオンラインストア」での割引(継続保有期間1年以上3年未満:25%割引、3年以上:30%割引)。詳しくはこちら→https://advance.quote.nomura.co.jp/meigara/nomura2/users/kabunushi/yutai_d.asp?RCODE=7936&MKTN= 10位 コスモス薬品(3349) 【企業概要】九州を地盤に、西日本などで「ドラッグストア コスモス」「ディスカウント ドラッグ コスモス」などを展開。低価格で現金販売することで知られる。【優待内容】店舗で使える買い物優待券か全国共通おこめ券のいずれかを選択(継続保有期間1年未満:株主優待券5,000円相当かおこめ券10kg分、1年以上:株主優待券7,500円相当かおこめ券15kg分)。詳しくはこちら→https://advance.quote.nomura.co.jp/meigara/nomura2/users/kabunushi/yutai_d.asp?RCODE=3349&MKTN= (野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) ご投資にあたっての注意点

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05/02 09:40

【速報・解説】FOMC政策金利据え置き、ドル円一時153円台に急騰

5月FOMCでは政策金利を据え置き、バランスシート縮小ペースは減速へ FRB(米連邦準備理事会)は4月30日~5月1日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を開催し、予想通り全会一致で金融政策の据え置きを決定しました。政策の据え置きは6会合連続です。FRBはまた、米国債のランオフ(償還に伴う保有証券減少)のペースを現在の月間最大600億ドル相当から、6月からは250億ドル相当へ減額する計画を提示しました。 FOMC声明文では「ここ数カ月、委員会が目指す2%のインフレ目標に向けた一段の進展は見られていない」との記述が追加され、パウエルFRB議長も会合後の記者会見で「インフレに関する指標は予想を上回っている。確信を強めるまで、従来の想定よりも時間がかかりそうだ」と述べるなど利下げを急がない姿勢を示しました。一方で、次の一手が利上げとなる可能性は低いとの見解を明らかにしました。 一時1ドル=153円台に急騰、為替介入との見方も 市場ではFRBのタカ派化(景気よりもインフレ抑制を重視する姿勢)に対する警戒感が高まっていたことから、FRB内で利上げ議論が高まっていないことが好感され、株高と金利低下で反応しました。先物市場では再び2024年11月の利下げを織り込む動きが強まっています。また、為替市場では取引時間の終盤にドル円相場が一時1ドル=153円04銭まで急騰、4月29日に一時160円17銭と約34年ぶりの安値を更新後に急騰した際の154円54銭を超えて円高ドル安が進展しました(為替水準はブルームバーグに基づく)。本邦通貨当局が再び為替介入を実施したとの観測も広がっているようです。 2024年入り以降、米国景気の堅調とインフレの粘着性の高まりを示唆する統計の発表が相次いだ結果、24年中の市場の利下げ観測は6~7回から、足元では2回の利下げを完全には織り込めないところまで後退し、長期金利が上昇、株価の重石となるとの懸念も残存しています。ただし、24年1-3月期の実質GDP成長率が市場予想を下回るなど、米国経済に減速感も見え始めています。このため、インフレ鎮静化を待って利下げに転じるFRBの政策姿勢は市場の安定に寄与すると考えられます。一方で、インフレの鎮静化ペースが鈍化する、あるいは再加速した場合には市場が不安定化する可能性が高いため引き続き注意が必要です。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) ご投資にあたっての注意点

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05/01 19:00

【週間ランキング】最も閲覧数が多かった個別銘柄は?トップ10を紹介(5/1)

複数の決算発表銘柄が上位にランクインした ソシオネクスト(6526)が1位にランクインしました。同社は4月26日に決算を発表しました。2024.3期の営業利益は前期比64%増の355億円で、会社計画の315億円、野村予想の335億円を上回りました。主に製品粗利率の改善が寄与しました。一方、会社の2025.3期の営業利益予想は前期比24%減の270億円です。そのほか、複数の案件が量産中止となった影響で、2024.3期末の商談獲得残高は前期比200億円増と微増に留まりました。 ルネサスエレクトロニクス(6723)が6位にランクインしました。同社は 4月25日に決算を発表しました。2024年1-3月期(1Q)の財務会計上の数値(GAAP)から非経常項目やその他特定の調整項目を控除・調整したNon-GAAPベースの営業利益は1,135億円で、会社計画を100億円上振れて、野村予想の1,120億円とほぼ同水準で着地しました。産業機械向けの在庫調整が長期化していますが、車載向けやデータセンター関連が業績回復の牽引役となる見通しです。 アステラス製薬(4503)が7位にランクインしました。同社は4月25日に決算を発表しました。会社の2025.3期の売上収益予想は1兆6,500億円と野村予想を約1,081億円下回りました。過活動膀胱治療薬「ミラベグロン」の後発品が2024年5月より参入するため、米国での収益が前期比827億円減と大きく減収することが要因です。一方、2025.3期のコア営業利益予想は2,500億円で、野村予想を約315億円上回りました。コアベースの新定義として、無形資産償却費や持分法による投資損益などの項目が除外されたことなどが要因です。 信越化学工業(4063)が9位にランクインしました。同社は4月25日に決算を発表しています。2024.3期の営業利益は前期比30%減の7,010億円となり、QUICKコンセンサス予想の7,353億円(4月25日付)、野村予想の7,505億円を下回りました。塩化ビニール樹脂を手掛ける生活環境基盤材料事業の2024年1-3月期(4Q)の営業利益が、工場の定期修理による悪影響等から前四半期比で大きく減少しました。また、会社は2024年4-6月期(1Q)の営業利益予想を1,650億円と発表しました。これはQUICKコンセンサス予想の1,875億円、野村予想の2,033億円をいずれも下回る水準です。 (野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) (注1)画像はイメージ。(注2)各種データは2024年4月30日時点。 ご投資にあたっての注意点

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04/29 19:00

【特集】“もしトラ”で米国金利に起きるシナリオ 野村證券ストラテジストが大統領選を解説

2024年の金融市場に最も大きく影響するイベントのひとつが、米国大統領選挙です。民主党のバイデン大統領と共和党のトランプ前大統領の一騎打ちとなり、11月5日に投開票が行われます。もし、トランプ氏が大統領に返り咲くと、どんな影響があるのでしょうか。 野村證券投資情報部 シニア・ストラテジストの尾畑 秀一は、「読み難い政治リスクと、数字で把握できる経済リスクは峻別して考える必要がある」と解説します。 足元の米国政策金利の動きを踏まえ、今後考えられるシナリオと金融市場への影響について詳しく解説してもらいました。 “もしトラ”について注意すべきは、インフレを促進するリスク ――まずは今の金融市場の状況を教えてください。米国政策金利や経済全体について、どう見ていますか。 尾畑 秀一(以下、同)急激なインフレ対策として、米国政策金利が利上げに転じたのが2022年2月です。そこから2023年7月までの1年半弱の間に急速に利上げが進み、米国政策金利は5%台に達しました。 米国が景気後退(リセッション)に陥ってもおかしくない速度で利上げが進んだのですが、足元では米国経済は底堅く、景気が緩やかに減速する、つまりソフトランディングができると見られています。 利上げをしてインフレが落ち着き、景気もスローダウンしたので、次は利下げというのがセオリーです。2024年当初、マーケットは2024年中に6回の利下げがあることを織り込んでいました。しかし今は、2024年の半ばから利下げが開始され、2年間で6回の利下げがあるだろうという見方に変わってきています。 一般的に、利下げされると景気拡大が見込まれるので、株価は上昇する傾向があります。このように金利低下を主因に株高が引き起こされる相場を「金融相場」と呼びます。これに対し、企業の業績が上がることで株価が上がる相場を「業績相場」と呼びます。 今は、利下げがあるからこそ株価から上がっていく金融相場になるのか、利下げがあまり進まなくても企業の業績が良くなっていくから株価が上がる業績相場にいくのか、せめぎ合っている状況です。業績相場への自信が高まっていけば、市場は利下げの有無に一喜一憂することがなくなると期待できます。一方で、金融相場が続くなら、インフレ再燃から利上げ期待が再び台頭すれば、株価は大きく下落する可能性があります。 ――そこで、もしトランプ前大統領が再選したらどういうシナリオが考えられますか。 トランプ氏がどんな政策を取るかがポイントです。トランプリスクというときに、読み難い政治リスクのせいで、経済も先が見えないように思えてしまうのですが、そこは峻別して考える必要があります。経済のリスクに限ると、トランプ氏は景気がしっかりしているときにもインフレ的な政策を採用するのではないかという懸念があります。 景気が後退しているときに景気刺激策を取るのはいいのですが、景気が強いのにさらに刺激させる政策はいいとは言えません。 マラソンでペースが落ちているときに「もっとペースを上げろ」と声を掛けるのは効果的ですが、ラストスパートしているのに「もっと加速しろ」と引っ張り上げられると、体温が上がりすぎて倒れてしまうようなイメージです。 ――トランプ氏が取ると予想されるインフレ的な政策には、例えばどんなものがありますか。 1つは減税です。減税によって使えるお金が増えれば消費を押し上げますが、モノの値段が上がって物価高リスクが再燃しかねません。やり過ぎれば利上げせざるを得なくなり、景気が悪くなってしまいます。 もう1つは移民規制の強化です。現在の米国景気は底堅く、失業率は3.8%とかなり低い状況です。つまり、労働市場の需要に対して供給が追い付いていない側面があります。それなのにインフレが進まずに済んでいるのは、移民によって労働供給が賄われているからです。もしそこを止めると、労働の供給が滞り、物価が上がっていくことになりかねません。 ただし、これらのリスクは数値化できるので、ある程度読むことができます。例えば移民受け入れを止めた途端に労働供給がどれだけ減って賃金上昇プレッシャーはどう変わるのかを数字で議論できるのです。 トランプ氏が前回大統領に就任したときは、何をするかがわからず怖かった。しかし、もはや「見たことがないオバケ」ではありませんから、それほど怖がる必要はありません。前回のトランプ政権の経済政策を見ると、選挙公約に影も形もなかった政策は行っていないのです。今掲げている選挙公約を見れば、少なくとも経済政策は何をやってくるのか想定できます。仮説さえ立てば、あとは計算できる世界です。 “もしトラ”について読み難い政治リスクとは 一方、読めないものの1つが閣僚人事です。米国の歴代大統領は、重要閣僚から順番に決めていきます。経済、外交・軍事など、どんな順番で重要閣僚を任命していくかを見ると、何の政策にプライオリティを置いているかがわかります。 ところが前回のトランプ政権で、早々に決まったのは身内の起用で、政権が発足してもまだ全閣僚の席は埋まらず、それどころかどんどん辞めていきました。最初の3カ月で重要閣僚が辞めた人の数は歴代大統領で1位を独走していました。今回はさすがにそこまでのことにはならないと思うのですが。 もう1つは外交・軍事。こちらは読み難い政治リスクです。ウクライナやガザの紛争に対して、アメリカがどういう政策を取るかは重要です。トランプ氏はもしかすると「ウクライナへの支援を停止して、その結果国土がロシアに渡ってもいいのではないか」などと言いかねません。ロシアや中国から見ると、アメリカ・ファースト(米国第一主義)で世界情勢から手を引く考えのトランプ氏が大統領なら、力で押し切れば国土を広げられるという解釈に繋がるリスクがあります。 有効な対策は幅広い分野への株式投資 ――大統領選挙の結果で、米国や日本の株価にはどんな影響が出ると予測されますか。 前回のトランプ政権時に株価がどんな動きをしたかを見ると、トランプ氏が勝利した2016年選挙の投開票日前日を100とすると、コロナ禍前の2020年初頭でS&P500の株価指数は160で6割上がっています。日経平均は4割上がっています。 大統領選挙中は、今後を予想しづらいので、あまり相場は動かないのが特徴です。そして結果が出た後は、2016年にトランプ大統領が誕生したときも、2020年にトランプ氏が敗れ、バイデン大統領が誕生した時も、規制対象となると見られていた業種でさえ不透明感が解消されていったん株価が上がっています。 それから先は、政策次第です。例えば今のバイデン政権は環境問題に力を入れているので、エネルギー安全保障や気候変動対策に税控除や補助金を盛り込んだインフレ削減法(IRA)を成立させて、グリーンエネルギー関連が伸びました。しかし、トランプ氏は就任したらEV(電気自動車)への補助金などを廃止すると言っています。業種によって恩恵を受けるところと、逆風が吹くところは出てくると思います。 ――それを今から読んでおくことは有効ですか。今、米国株を持っている人はどう考えるといいでしょう。 米国大統領選挙はどちらに転ぶか全く分かりませんので、もしトランプ氏になったら、という状況だけを考えるのではなく、もしバイデン大統領のままだったらという状況も想像して、幅広い分野に分散投資しておくことはできると思います。環境系だけなど、一つの分野に集中するのは避けたほうがいいでしょう。 一方、例えばEV補助金が廃止や縮小になったとしても、株価が下がり続けるわけではありません。例えばいったんは大手自動車の業績が落ちて株が下がることがあったとしても、競争力がある車を作っていれば、下がりすぎた株価は戻ってくると考えられます。もうEVメーカーの株は買えないということではありません。 株式のほかには、インフレや地政学リスク、トランプ氏を巡る不透明感のリスクを回避するために、金投資や不動産などの実物投資を考えるのも一案です。逆にインフレに対して一番弱いのは現金です。 また、インフレになって金利が上がれば、さらにドルが強くなることが予想できます。特にトランプリスクを考えるなら、ドル建ての資産が少ない人はそれを増やすことを検討してもいいかもしれません。 ちなみに前回のトランプ政権時の為替を見ると、当選直後は短期間で20円ほどドル高・円安になっています。その後政権誕生で混乱が続いて円高方向に揺り戻しがあり、17年から20年のコロナ禍前まで、110円を挟んでプラスマイナス5円で上がったり下がったりでした。金融政策は2016年の12月、大統領選後から利上げが始まって、基本3カ月に1回のペースで2018年の12月まで利上げを続けました。普通、利上げをしたらドルが強くなるのですが強くはなりきりませんでした。中長期での為替の影響はまだ読み切れないところがありますが、少なくとも極端に円高になることはなさそうです。 ――日本株を持っている人への影響はどんなことが考えられますか。 日本株を分散して持つことは、為替リスクもないですしいい戦略だと思います。極端な円高にはならない見通しですので、トランプリスクによって日本株が売られるシナリオはそれほど気にしなくてもいいでしょう。 ただ、もし米国産業の保護のために追加関税などの締め付けが強くなると、日本の輸出企業は価格で勝負できなくなってしまうことがあり得ます。現地に工場を持っていればいいのですが、日本国内で製造する輸出企業にとっては厳しくなるかもしれません。 また、トランプ氏が大統領になるとすると、中国に対しては強硬策を取る可能性が高く、米中貿易摩擦により中国で作ったものを米国に輸出しにくくなる可能性があります。そうなると非効率的ではあるものの、サプライチェーンには2本のループが必要になります。 各国で設備投資の需要が生まれ、資本財のメーカーは恩恵を受ける可能性はあります。半導体需要が高まったために、日本の半導体製造装置や検査装置のメーカーが恩恵を受けたのと同様の波及があるかもしれません。 いずれにせよ、最も備えるべきはインフレに対するリスクであり、現金資産が多すぎる状況は避け、いろいろな業種の株式などに分散投資するのが得策だと考えます。 ――ありがとうございました。 文/中城邦子 写真/稲垣純也 野村證券投資情報部 シニア・ストラテジスト 尾畑 秀一1997年に野村総合研究所入社、2004年に野村證券転籍。入社後、一貫してエコノミストとして日本、米国、欧州のマクロ経済や国際資本フローの調査・分析に従事、6年間にわたり為替市場分析にも携わった。これらの経験を活かし、国内外の景気動向や政策分析、国際資本フローの動向を踏まえ、グローバルな投資戦略に関する情報を発信している。 ※本コラムで取り上げられた投資に関する基本的な考え方などについては、あくまで個人の見解によるものであり、野村證券の意見を代表するものではございません。 ご投資にあたっての注意点

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04/29 12:00

【野村の視点】「セル・イン・メイ」戦後79年間の株価動向を日米株価で検証

※画像はイメージです。 「Sell in May and go away. But remember to come back in September.」5月に売って相場から離れなさい、ただし9月には市場に戻ってくることを忘れないように 「セル・イン・メイ」という相場格言があります。5月にいったん売り逃げろ、という先人の教えです。 これには「ただし9月にはマーケットに戻ってこい」という続きの言葉があり、マーケットが軟調になりやすい5 月から夏場の間は相場から離れた方が賢明なことを示唆しています。 この格言に基づき、NYダウと日経平均株価の戦後79年間の株価動向を検証しました。 月間平均騰落率 まずはそれぞれの株価指数の月間平均騰落率を見てみましょう。上段と下段のグラフをご覧ください。グラフは5月から始まっています。9月までは弱含みな動きが目立つ一方、10月から4月にかけては堅調なパフォーマンスを記録してきた様子がわかります。 期間別平均騰落率 次に上段、下段ともに左側の「期間別平均騰落率」のグラフをご覧ください。赤色のAは格言に則り「前年9月末にそれぞれの株価指数を買い、4月末に売った場合」の平均パフォーマンスです。グレーのBは格言の反対の投資行動といえる「4月末に買い、9月末に売った場合」の数字です。 格言に則った赤色Aの場合、NYダウも日経平均株価も+8.1%と高いパフォーマンスを得られたのに対し、反対の投資行動をとったグレーBの場合はNYダウは+0.2%、日経平均株価は+1.5%と冴えない様子がわかります。 また上段、下段ともに右側は、「上昇した回数が占める割合」を表す勝率のグラフです。こちらも格言に則った赤色Aの場合はNYダウ、日経平均株価ともに約7割の確率で上昇したのに対し、反対の投資行動をとったグレーBの場合は5、6割程度に留まっています。 ちなみに5月から9月にかけて株価パフォーマンスが良くない要因としては、米国では個人の確定申告の税還付の資金流入が一巡することや夏季休暇前のポジション調整などがその理由として挙げられます。日本でも、夏枯れ相場など様々な要因が挙げられます。いずれも明確な根拠はないのですが、有効なアノマリー、経験則とされており、これらの検証によると、秋までに買って春に売るサイクルは、有効な投資手法であるとも言えそうです。 7月8月9月「夏枯れ相場」・12月「掉尾の一振(とうびのいっしん)」・3月「お化粧買い」 2024年3月末現在、日経平均株価、NYダウは史上最高値を更新し、最高値圏で推移しています。これらの経験則によると、この先秋口にかけて、上昇一服となる場面を迎える可能性がありそうです。ただそのような場面は、中長期的な投資スタンスに立てば押し目買いの好機と捉えることができるのではないでしょうか。 (野村證券投資情報部 山内 正一郎) ご投資にあたっての注意点

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04/27 09:00

【注目トピック】日経平均チャート分析、押し目買いの好機と判断

※画像はイメージです。 日経平均チャート分析 短期的に売られ過ぎ、自律反発へ 2024年「辰年」の日本株市場は、1989年末に付けた史上最高値を更新するなど昇竜の勢いでスタートしましたが、4月に入って春の嵐に見舞われています。日経平均株価は3月下旬から徐々に下げに転じ、4月19日には今年最大の下落幅となる前日比1,011円安となり、今年3月高値から終値ベースで約3,820円もの大幅下落となりました。23年10月安値から24年3月高値までの上昇幅に対する1/3押し(37,553円)の水準を割り込んだことで、さらなる調整となった場合は、同半値押し(35,787円)の水準が次の下値のメドとして意識されそうです(図表1上)。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2024年4月25日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 一方で、4月19日には25日移動平均線からの乖離率(4月19日:-6.26%)が2022年3月以来のマイナス乖離幅となり、またRSI(同:24.72%)は昨年10月以来の低水準となりました(図表1下)。これらのテクニカル指標面は、短期的な売られ過ぎを示唆しており、調整一巡後には相応の自律反発の動きが期待されます。実際、4月22日以降は反発に転じ、23日には19日に割り込んだ75日移動平均線(23日:37,996円)を奪回しました。 過去の上昇局面との比較では上昇余地あり 今回の株価下落は、長期上昇トレンド内の一時的な調整である可能性が高いと判断されます。今回と過去の上昇・下落局面を比較すると、今回23年1月安値以降の上昇率(+59%)は、前回の長期上昇局面(+85%)を下回っています(図表2)。 (注1)直近値は2024年4月25日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 また、新高値(安値)の更新回数をカウントした新値累積数値は、今年3月高値時点で起点から8回の高値更新にとどまり、2010年以降の中長期上昇局面と比べ上昇余地があると考えられます(図表3)。 (注1) 直近値は2024年4月25日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)2023年12月22日から新値累積数値の起点を天井形成時の高値・底値形成時の安値とした。(出所)日本経済新聞社、各種資料より野村證券投資情報部作成 値幅調整は概ね十分、日柄調整待ち 前回の一時的な調整局面に当たる23年7月高値から10月安値にかけての下落率は9.6%でしたが、今回の下落率は4月19日安値(終値:37,068円)時点で9.3%に達し、前回の調整時に迫っています(図表2)。値幅調整は概ね十分と言えます。一方、下落期間(日柄)の面では調整不足は否めません。この先しばらく戻りを抑えられ上値が重くなる場面がありそうですが、中長期的な観点からは、それらは押し目買いの好機と捉えることができます。 (野村證券投資情報部 山内 正一郎) ご投資にあたっての注意点

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04/26 13:34

【速報・解説】日銀、金融政策を据え置き 市場は円安で反応

日銀、金融政策の据え置きを決定 外国為替市場は円安で反応 日本銀行は2024年4月25~26日、金融政策決定会合を開催し、予想通り金融政策の据え置きを決定しました。注目された展望レポートにおけるコアCPI(生鮮食品を除く消費者物価)見通しは、2024年度が前年比+2.8%(24年1月時点:同+2.4%)、25年度が同+1.9%(同+1.8%)と共に上方修正しました。今回新たに公表した26年度に関しては同+1.9%と予想したうえで、25年度以降の見通しのリスクバランスは概ね均衡していると評価しました。今回の見通しは、日銀自身が指摘するように、「物価安定の目標」と整合的であり、24年3月会合での政策変更を裏付けるものであると評価できます。 同じく市場の注目度が高かった長期国債買い入れペースについては、前回(24年3月)会合で「決定された方針に沿って実施する」と月間6兆円程度のペースで買い入れを続ける意向を示しました。 時事通信が「日銀が国債買い入れ縮小の方法を検討する」と報じたことから、市場では「国債買い入れの減額を示唆することで金利上昇を促すとともに、円買いドル売り介入が実施されるのではないか」との見方もあったことから、発表直後の市場の反応は円安、株高となりました。 今後の政策運営に関しては声明文、展望レポートともに具体的なヒントは見受けられないことから、この後予定されている植田日銀総裁の記者会見が注目されます。 (野村證券投資情報部 尾畑 秀一) ご投資にあたっての注意点