来週の注目点:米国は利上げサイクル終了となるか、米経済指標に注目

前週のFOMC(米連邦公開市場委員会)は、FF金利誘導目標を市場予想通り0.25%ポイント引き上げました。パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長は追加利上げはデータ次第とする姿勢を維持し、決定には幅広いデータを考慮するとしながらも、特にインフレの動向を重視することを強調しました。今会合が利上げサイクルの終了となるか、今後の経済指標に改めて注目が集まります。米国では、31日(月)に7月シカゴ購買部協会PMI、8月1日(火)に7月ISM製造業景気指数、2日(水)に7月ADP全米雇用レポート、3日(木)に7月ISMサービス業景気指数、4日(金)に7月雇用統計と重要統計の発表が続きます。

日本では、31日(月)に6月鉱工業生産が発表されます。5月は自動車の挽回生産の一服と半導体など部材不足により前月比で4ヶ月ぶりに低下しました。半導体不足は緩和傾向である一方、製造業の景況感は悪化しつつあり、この調整が続くか、注目されます。

ユーロ圏では、31日(月)に4-6月期実質GDP速報値、7月消費者物価指数(HICP)、8月4日(金)にドイツの6月製造業受注が発表されます。野村證券では、ユーロ圏4-6月期実質GDP成長率を前期比±0.0%と予想します。ユーロ圏の景気後退は短期間で終わり、最悪期はすでに過ぎたと見ています。一方、ドイツでは財の需要低迷を受けて生産や景況感が落ち込んでおり、悪影響が見込まれます。

中国では、31日(月)に7月政府版PMI、8月1日(火)に7月財新版・製造業PMI、3日(木)に7月財新版・サービス業PMIが発表されます。不動産市況の悪化や世界的な財需要の落ち込みが製造業の景況感を下押しする一方、サービス消費は足元の夏季休暇シーズンにおいても好調を維持しており、非製造業の景況感は底堅く推移すると見られます。

(野村證券投資情報部 坪川 一浩)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2023年7月28日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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