決算概要:2023年5-7月期(2023.10期第3四半期)

EPS実績は市場予想を上回った

米国時間8月31日引け後に、通信向けを中心とした半導体・インフラストラクチャーソフトウェアの設計、開発、販売を行うブロードコム(AVGO US)が2023年5-7月期(2023.10期第3四半期)決算を発表しました。

売上高は市場予想を0.1%上回り、EPSは市場予想を1.1%上回りました。

会社の2023年8-10月期売上高見通しは市場予想を若干下回りました。

生成AI向けが好調な一方、通信向けは低調

会社は、大手クラウド事業者からの生成AI関連のネットワーク半導体製品の需要が旺盛な一方、供給制約があるとコメントし、供給が需要に追い付いていないことを示唆しました。一方で、8-10月期の生成AI以外の半導体製品の売上高見通しは前年同期と同水準であると述べ、通信分野の成長が停滞していることを示しました。

売上高とEPSの推移

株価は下落

ブロードコムの株価は、前日比3.43%高で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比4.11%安の885.00ドルで推移しています(NY時間17:34)。

当社株の時間外取引での下落は、8-10月期の売上高見通しが市場予想を若干下回ったことに加えて、31日終値は終値ベースでの史上最高値で、年初来で株価は65%上昇していたことから、決算発表というイベント通過で利益確定売りも相応に出たと推察されます。

株価推移 (6ヶ月日足)

(注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2023年8月31日時点。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年5-7月期(2023/7)。2023年8-10月期の売上高の白丸は会社見通し中間値。灰色はリフィニティブ集計による市場予想平均。2023年8-10月期以降の予想は2023年8月30日時点。
(出所)会社発表、リフィニティブより野村證券投資情報部作成

(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)

<前回の当社決算おさらい>
【米国株決算速報】ブロードコム(AVGO):AI関連が成長をけん引、株価は-1.61%(時間外取引)

<過去の米国株決算まとめ>
野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算

野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期

ご投資にあたっての注意点