減益から増益に転じた銘柄の高パフォーマンスは特にQ2決算後に顕著
2023年度第2四半期(Q2)の決算は、事前のIFISコンセンサス(アナリストの予想平均値)を上回るポジティブサプライズが多く、全体的には堅調な状況のようです。野村證券では、第1四半期(Q1)は減益だったものの、第2四半期(Q2)から増益に転じた銘柄に注目しています。特に、その中でも上半期(Q1+Q2)では前年同期比減益となった銘柄に投資機会があると考えられます。
このような銘柄は、決算発表後に株価の上昇が続きやすい傾向が確認されています。背景について考えてると、通常、Q2の決算発表時の株価は、Q2単独の実績と概ね一致する方向で反応します。しかし、Q2単独の「増益or減益」と上半期の「増益or減益」が一致しない銘柄の場合、上半期の業績に引きずられる投資家の影響で、Q2単独の「増益or減益」が株価に反映されるまで時間がかかっている可能性が考えられます。
加えて、増益という決算結果に対して株価が正の方向に反応したかどうかを確認することも重要です。過去、増益や減益に転じた銘柄の中で、決算発表後の2営業日目以降も株価モメンタム(勢い)が観測されたのは、主に決算発表翌日のTOPIXに対する超過リターンが正の方向だった銘柄でした。
参考までに、税引き利益または営業利益がQ2で増益に転じた銘柄の中で、決算発表翌日(場中発表の場合は発表日)のTOPIXに対する超過リターンがプラスだった銘柄のリストを掲載します。
税引き利益または営業利益が増益に転じ、かつ決算発表直後のTOPIX超過リターンが正の銘柄
(注)TOPIX500を構成する3月決算銘柄かつ今Q2決算で営業利益または税引き利益が減益から増益に転じた銘柄のうち、Q2決算発表翌日(場中に決算発表を行った場合は当日)のTOPIX超過リターンが正の銘柄を抽出。「減益 → 増益」列の”◎”は「Q2で増益に転じかつ上期減益」を、”〇”は「Q2で増益に転じかつ上期増益」を表す。「決算発表翌日の超過リターン」列は今Q2決算発表翌日(場中発表の場合は決算発表当日)のTOPIX超過リターン。2023年11月9日までに決算発表を行った銘柄が対象。値は2023年11月10日時点。
(出所)野村證券市場戦略リサーチ部より野村證券投資情報部作成
(FINTOS!編集部)
要約編集元アナリストレポート「日本株クオンツストラテジー – Q2決算で増益に転じた銘柄に注目(2023年11月6日配信)」(プレミアムプラン限定)
(注)画像はイメージ。