決算概要:2023年8-10月期(2024.1期第3四半期)

EPS実績は市場予想を上回った

米国時間11月16日寄り前に、店舗小売、Eコマース事業を運営するウォルマート(WMT US)が2023年8-10月期(2024.1期第3四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を0.7%上回り、EPSは市場予想を0.4%上回りました。

年末商戦見通しが低調、食料品価格は下落へ

売上高とEPSについて、会社は2024年1月期通期の見通しを引き上げましたが、引き上げ幅はほぼ8-10月期実績が会社見通しを上回った分に留まりました。このため、小売業にとって重要な年末商戦の時期を含む2023年11月-2024年1月期(2024年第4四半期)の売上高とEPSは一部の市場参加者の予想を下回りました。

一方、会社は、11月に入り、10月後半の米国での季節外れの悪天候が落ち着き、年末セールが始まったことで売上高は増えているとコメントしました。また、コロナ禍で上昇した食料品価格がコロナ禍前の水準へ正常化する過程で下落しているため売上高の伸びは緩やかになるものの、来店顧客数の増加とシェアの上昇が今後も継続するとみているとコメントしました。

売上高とEPSの推移

株価は下落

ウォルマートの株価は、前日比8.09%安で引けました。

年末商戦の見通しが一部の市場参加者の期待を下回ったためと考えられます。

株価推移 (6ヶ月日足)

(注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2023年11月16日時点。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2023年8-10月期(2023/10)。灰色はLSEG(旧リフィニティブ)集計による市場予想平均。2023年11月-2024年1月期以降の予想は2023年11月15日時点。
(出所)会社発表、LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成

(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)

<前回の当社決算おさらい>
【米国株決算速報】ウォルマート(WMT):食料品堅調継続・一般消費財は回復の兆し、株価は-2.24%

<過去の米国株決算まとめ>
野村の米国株決算リンク集:2022年1-3月期・4-6月期・7-9月期・10-12月期決算

野村の米国株決算リンク集:2021年10-12月期

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