マクロ系ヘッジファンドが「年末ラリー」にベットする可能性

米国株式市場において、(経済情勢に基づいて売買する)マクロ系ヘッジファンドは様子見姿勢を続けていますが、年末に向けてリスクテイクに動く可能性があります。

例えば今年のように株価のパフォーマンスが良い年では、マクロ系ヘッジファンドは年末ラリーを見込んで株式への投資を増やす傾向にあります。特に、11月下旬の時点で年初からの株価リターンがプラスである年は、投資ポジションがまだ小幅なロングポジション(買い持ち)に留まっている場合、その後のロングポジションの拡大が顕著でした。

年末ラリーは単なるアノマリーに留まりません。米国株の季節性を見ると、年初から第3四半期までの株価が上昇または下落した年は、第4四半期のパフォーマンスがそれに応じて好調または低調になる傾向があります。

これは、第4四半期のヘッジファンドを巡る資金の流れである程度説明できます。一部を除いて株式ヘッジファンドのパフォーマンスは株価と強く連動しており、年初からのパフォーマンスが良好または不振な時ほど資金の流入または流出が発生しやすくなります。さらに、第4四半期に資金が流入するか流出するかによって、株価のパフォーマンスの好不調が明確に分かれます。今年は年初からのパフォーマンスが約5%であり、少なからず資金流入が期待できる状況です。

(野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課)

要約編集元アナリストレポート「野村クオンツ・インサイト – マクロヘッジファンドと「年末ラリー」(2023年11月27日配信)」(プレミアムプラン限定)

(注)画像はイメージ。

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