※2024年2月1日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

25日線が下支えとなるか注目

日経平均株価は1月に入り大幅上昇し、22日には終値で36,500円台まで上伸して、1月の上昇幅は3,000円を超えました。急上昇を受けて短期的な過熱感が見られていたこともあり、1月23日高値形成後に押しを入れています。中長期上昇トレンド内の一旦の調整として、1月18日安値(35,371円)や、1月11日~12日のマド埋め水準(35,157円)、そして上向きの25日移動平均線(2月1日:35,073円)などが下値のメドとして挙げられます(図1)。 

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(注1)直近値は2024年2月1日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

ただ、これまでの上昇で、2023年7月以降の約半年続いた中段保ち合い上限(33,700円前後)の上放れが明確となっており、中長期上昇局面に回帰したと捉えられます。目先の調整一巡後は、2023年7月高値~10月安値の押し幅の倍返し水準(36,980円)に向けた動きが続くと考えられます(図2)。

(注1)直近値は2024年2月1日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

また中長期的な動きの確認として、前回の中長期上昇局面(20/3~21/9)内の中段保ち合い(20/6-10末)突破後の動きをみると、3ヶ月半にわたり25日移動平均線を下支えとする上昇傾向が続き、上昇幅(20/10末~21/2高値)は7,000円を超えました。

しかし、今年1月に中段保ち合い上抜け後の上昇は、1ヶ月で3,000円を超える上昇(23/12末~24/1高値)に留まっています。前述の局面を参考とすれば、一時的な調整をこなしつつ、春先にかけて中長期的な上昇基調自体は続き、史上最高値(38,915円)が視野に入ってくると考えられます。

NYダウ史上最高値更新続く、この先の行方は

NYダウは、昨年12月に続き1月も史上最高値を更新しました。この先の上昇余地について、過去の中長期上昇局面の動きを参考に考えてみましょう。

まず、月足チャートをみると、2009年以降の中長期上昇局面が5回あったことがわかります(図3:①~⑤)。それら5回のうち、コロナショックで天井形成となった局面(④)を除けば、上昇期間は約2~3年半となり、また上昇倍率は1.7~2.0倍となっています。仮に上昇倍率1.7倍を2022年9月安値に当てはめて試算すると、48,832ドルと試算されます。

(注1)直近値は2024年1月31日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)S&P ダウジョーンズ・インデックス社データより野村證券投資情報部作成

このように上昇余地は大きいと考えられますが、そこまでの道筋はどのようなものになると考えられるのでしょうか。

次に週足チャート(図4)で、前回の中長期上昇局面(2020年3月安値~2022年1月高値)を詳しくみてみると、上昇の「前半」に二度ほど10%弱の一時的な調整を挟みましたが、「後半」は13週移動平均線を下支えとした大幅上昇に移行しました。

(注1)直近値は2024年1月31日。(注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。  
(出所)S&P ダウジョーンズ・インデックス社データより野村證券投資情報部作成

今回の上昇局面である、2022年9月以降の上昇局面をみると、2023年3月と10月安値にかけての二度、10%弱の一時的な調整を挟み、前回の中長期上昇局面の「前半」で見られた動きと同様の動きがみられてきました。その後に史上最高値を更新しており、中長期上局面の「後半」に入ってきたと考えられます。この先、上向きの13週線(1月31日: 36,821ドル)を下支えとしながら、4万ドル台を目指す動きとなると考えられます。

(投資情報部 岩本 竜太郎)

※画像はイメージです。

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