決算概要2024年4-6月期(2024.6期第4四半期)

EPS実績は市場予想を上回った

米国時間7月30日引け後に、「Office」や「ウインドウズ」、クラウドソフトの「Azure(アジュール)」などで知られるソフトウェア企業であるマイクロソフト(MSFT US)が2024年4-6月期(2024.6期第4四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を0.5%上回り、EPSは市場予想を0.5%上回りました。

AIの収益化はやや遅れるも、アジュールの成長は年度後半に加速へ

AIサービスを含むクラウド部門の売上高が市場予想を下回り、その中核であるアジュール及びその他クラウドサービスの売上高成長率は前年同期比+29%と、2024年1-3月期の同+31%を下回りました。

2024年7-9月期の見通しは各部門とも市場予想を下回りました。一方で、会社はアジュールの成長は2025年6月期後半(2025年1-6月期)に加速するとコメントしました。

売上高とEPSの推移

株価は時間外取引で下落も下げ幅を縮める

マイクロソフトの株価は、前日比0.89%安で引けた後、クラウド部門の売上高が予想を下回ったことなどで時間外取引では一時終値比7%を超えて下落しましたが、決算説明会でのアジュールの成長加速のコメントなどを受け下げ幅を縮め、2.35%安の413.00ドルで推移しています(NY時間18:16)。

市場参加者が、一旦はAIの収益化への不確実性が高まったと受け止めた一方で、その後のアジュールの成長加速の見通しにより、AIサービスは進捗の速度にはばらつきがあるものの着実に拡大すると受け止めたためと考えられます。

株価推移 (6ヶ月日足)

(注1)EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2024年7月30日時点。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2024年4-6月期(2024/6)。2024年7-9月期の売上高の白丸は会社見通し中間値。灰色はLSEG集計による市場予想平均。2024年7-9月期以降の予想は2024年7月29日時点。2023年10-12月期以降の売上高、EPSは2023年10月に買収を完了したアクティビジョン・ブリザードの寄与分を含む(PC・ゲーム部門)。
(出所)会社発表、LSEGより野村證券投資情報部作成

(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)

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