(注)画像はイメージ。

AI関連サービスは、サーバーから徐々にスマートフォンなど端末へと用途の広がりが見込まれます。

下のグラフは、「アップルの製品、iPhoneの販売実績と市場予想」です。

代表的なスマートフォンであるアップルの「iPhone」の販売台数は、巣ごもり需要の剥落により2023.9期は前年度に比べ減少しました。2024.9期も減少が市場では見込まれています。

※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。

(注)2024.9期以降は2024年7月15日時点のファクトセット集計の市場予想。
(出所)アップル、ファクトセットより野村證券投資情報部作成

2024年6月、アップルは開発者向けイベント「WWDC」で、当社として初の生成AI 機能「Apple Intelligence」を発表しました。

Apple Intelligenceを最大限活用するには「iPhone 15 Pro」以降のモデルが必要となり、2025.9期でのiPhoneの買い替えが活発化すると期待されます。

また、スマートフォン市場の成熟化により、iPhoneの販売台数は浮き沈みがありますが、販売単価は継続的に上昇していることがわかります。

2024年秋に発売されるとみられる次期iPhoneでは、AI機能をより実効しやすくするために半導体チップの性能向上を図るとみられ、販売単価のさらなる上昇が予想されます。

日本企業のアップルサプライヤー

アップルは部品や製品製造を行うサプライヤーをリスト化し公表しています。サプライヤーリストには多くの日本企業が名を連ねています。

下図は「日本企業のアップルサプライヤー」をまとめたものです。

(注)アップルサプライヤーは全てを網羅しているわけではない。MLCCは積層セラミックコンデンサー。触覚デバイスは、力・振動・動き・熱・静電気などの触感によってユーザーに皮膚感覚フィードバックを与える電子部品。異方性伝導膜は電子部品を基板に実装し、回路を形成するために用いられるフィルム素材。偏光板は、光の透過を制御することで、ディスプレーの表示を人が見えるようにする光学フィルム。
(出所)アップル、各社会社資料より野村證券投資情報部作成

次期iPhoneでは、AI機能を実行するため、より半導体チップによる従来以上に高い処理能力が必要になるとみられる中、熱対策やバッテリー容量の引き上げ、機器の省電力化が必要になるとみられ、搭載される部品も高性能化が求められます。

買い替えや次期iPhoneの販売が増加すれば、iPhoneの高機能化を支えてきた日本企業のビジネスチャンスは拡大すると期待されます。

(野村證券投資情報部 大坂 隼矢)

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