(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

9月4日の米国株式市場では、NYダウは反発した一方、S&P500指数、ナスダック総合指数は続落となりました。米国労働市場の冷え込みを示す経済指標を受け、米国景気減速への懸念が高まりました。FRBによる利下げペースが加速するとの見方から米国金利は低下し、為替市場では1ドル=143円台半ばへと円高ドル安が進行しています。

相場の注目点

足元で市場の焦点となっているのは米国の景気動向です。4日に発表された7月JOLTS米求人件数は767.3万件と市場予想(810.0万件)を下振れ、2021年1月以来の水準に低下しました。レイオフ件数も176.2万件と2023年3月以来の高水準となっています。また、同日発表のベージュブックでは、経済活動が横ばいあるいは低下とした地区が9地区に上り、前回の5地区から増加しました。本日も8月ISMサービス業景気指数や8月ADP全米雇用レポート、週間新規失業保険申請件数といった米国経済指標の発表が予定されています。仮に、これらの結果が軟調なものとなれば、9月FOMCにおいて0.5%ポイントの利下げが実施されるとの見方が強まる可能性があり、さらに円高ドル安が進行するとみられます。

本日のイベント

日銀の高田審議委員が講演を行います。講演では、タカ派的な姿勢が示され、年内利上げへの期待が維持されるとみられていますが、為替動向を見極めるうえで注目されます。その他、EIA(米エネルギー情報局)が週間石油在庫統計を発表します。4日にはWTI原油先物価格が9ヶ月ぶりの安値を付ける中、注目されます。

(投資情報部 大坂 隼矢)

(注)データは日本時間2024年9月5日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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