決算概要:2024年7-9月期(2025.6期第1四半期)
EPS実績は市場予想を上回った
米国時間10月30日引け後に、「Office」や「ウインドウズ」、クラウドソフトの「Azure(アジュール)」などで知られるソフトウェア企業であるマイクロソフト(MSFT US)が2024年7-9月期(2025.6期第1四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を1.7%上回り、EPSは市場予想を6.5%上回りました。
アジュール等の売上高成長が一時的に鈍化へ
会社は市場予想を上回った実績について、アジュール等のAIプラットフォームや、コパイロットなどのAIツールがビジネスに変化をもたしており、新規顧客の獲得につながった、とコメントしました。
一方で、2024年10-12月期について、部門別売上高見通し中間値の合計は、市場予想を下回りました。そのうちクラウド部門のアジュール及びその他クラウドサービスの為替調整後の売上高について前年同期比31~32%成長との見通しを示し、2024年7-9月期実績の同34%成長をやや下回りました。会社は、2025年1-6月期に成長率が再度高まると予想している、とコメントしました。
売上高とEPSの推移
株価は時間外取引で下落
マイクロソフトの株価は、前日比0.13%高で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比4.23%安の414.25ドルで推移しています(NY時間18:11)。市場予想を下回る2024年10-12月期見通しに反応したと考えられます。会社がコメントした、2025年1-6月期のアジュール等の成長再加速の確実性についての追加情報が注目されます。
株価推移 (6ヶ月日足)
(注1)EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)部門別売上高の市場予想比は、市場予想が2024年8月の部門再編を反映しないため記載せず。
(注3)株価推移:データは日次で、直近値は2024年10月30日時点。(注4)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2024年7-9月期(2024/9)。2024年10-12月期の売上高の白丸は会社見通し中間値。灰色はLSEG集計による市場予想平均。2024年10-12月期以降の予想は2024年10月29日時点。
(出所)会社発表、LSEGより野村證券投資情報部作成
(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)