来週の注目点:日米の金融政策会合、日本の物価、中国の経済指標

今週は主要国の多くで金融政策会合が開催されます。18日(火)~19日(水)に開催される日本銀行の政策決定会合では、政策金利の据え置きが市場のコンセンサスです。足元で個人消費が鈍化していることや、米国の経済や政策を巡る不確実性が高まっていることが一因です。植田総裁の会見では、賃上げ、個人消費の鈍さ、食料価格の高騰、米国の経済や政策を、どのように評価するかが焦点です。

同じく18日(火)~19日(水)には米国でFOMCが開催されます。今会合では政策金利の据え置きが見込まれます。金利先物市場では6月、7月、10月にそれぞれ0.25%ポイントの利下げを織り込む動きが強まっています。トランプ政権の政策は物価を押し上げる可能性が高く、政策金利を据え置いてインフレ抑制を重視するか、消費や労働市場の悪化を緩和するために利下げを行うか、FRBは今後難しい選択を迫られる可能性があります。

日本の経済指標では、19日(水)に1月機械受注が発表されます。足元で底堅い動きを見せている設備投資ですが、今後はトランプ政権の関税政策を想定した動きが出てくる可能性があります。また、21日(金)には2月全国消費者物価指数(CPI)が発表されます。こちらは日銀の政策判断にも影響するため、重要です。

米国では、17日(月)の3月NY連銀製造業景気指数、2月小売売上高、18日(火)の2月住宅着工・建設許可件数、20日(木)の3月フィラデルフィア連銀製造業景気指数など、重要統計の発表が続きます。

中国では、17日(月)に1-2月の小売売上高と鉱工業生産、1-2月の固定資産投資、不動産投資が発表されます。7日に発表された1-2月の輸出が大幅に減速したため、外需の減速が懸念されます。輸出の落ち込みは、トランプ政権の関税引き上げを前にした駆け込み輸出の一巡が一因と考えられます。また、9日発表の2月CPIの伸び率がマイナスに落ち込んだことは、内需の低迷を示唆しており、中国景気の現状を占う上でこれらの統計に注目が集まります。

(野村證券投資情報部 坪川 一浩)

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