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米国:2025年1-3月期決算プレビュー
25年1-3月期は前年同期比+6.2%予想
4月中旬から、S&P 500 指数構成企業の2025年1-3月期の決算発表が本格化します。
2025年4月4日時点の調査会社LSEG集計による市場推定・予想平均では、同期の四半期EPS(1株当たり利益)は、前年同期比+6.2%と推定されています。2024年10-12月期の同+13.7%と比べ、増益率が鈍化する見込みとなっています。
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(注)推定・予想は2025年4月4日時点のLSEG集計による市場予想平均。2025年1-3月期には、2024年12月-2025年2月期決算、2025年2-4月期決算の企業も含む。
(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成

(注)推定・予想は2025年4月4日時点のLSEG集計による市場予想平均。2025年1-3月期には、2024年12月-2025年2月期決算、2025年2-4月期決算の企業も含む。
(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成
2024年10-12月期は、同期の決算発表が本格化する直前の2025年1月3日時点の集計では同+8.1%と予想されていました。しかし、決算実績が事前のアナリスト予想平均を上回るポジティブサプライズの比率が高かったことで、実際には前述の通り同+13.7%まで拡大しました。

(注1)ポジティブサプライズ比率は、S&P 500 企業のうち決算実績がアナリスト予想平均を上回った企業の比率。2024年10-12月期には、2024年9-11月期決算、2024年11月-2025年1月期決算企業も含む。
(注2)直近4四半期平均とは2023年10-12月期~2024年7-9月期の平均。長期平均とは、売上高は2002年以降、純利益は1994年以降の平均。
(注3)LSEGによる2025年3月28日時点(売上高について499社、純利益について498社)の集計。 (出所)LSEGより野村證券投資情報部作成
アナリスト達は慎重に見ている模様
アナリストの企業業績予想の修正動向を示すリビジョンインデックスは、概ね3ヶ月周期で循環的に動く傾向がみられます。アナリストは四半期決算が始まる直前に業績予想を慎重に見直す傾向があるためとみられます。
直近では、2024年10-12月期決算発表が始まる直前の2024年12月下旬に1を下回り始め、同期の決算発表が概ね一巡した後もリビジョンインデックスは回復せずに、2025年1-3月期決算発表シーズンを迎えました。
要因としては、トランプ政権による関税政策や、政府効率化省による連邦政府業務見直しの影響などの不透明要因から、アナリスト達は業績予想を慎重にみていると考えられます。

(注) S&P 500 指数構成企業のリビジョンインデックス。リビジョンインデックスは直近4週間にアナリストが業績予想を上方修正した銘柄数/下方修正した銘柄数で計算。指数が1を上回ると上方修正優位、1を下回ると下方修正優位と判断される。FY1は予想1期目、FY2は予想2期目。直近値は2025年4月9日時点で、12月決算企業の場合、FY1は2025年12月期、FY2は2026年12月期。
(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成

(注)推定・予想はLSEG集計による2025年4月4日時点の市場予想平均。カッコ内の数値は2025年1月3日時点の市場予想平均。
(出所)LSEGより野村證券投資情報部作成
決算発表時の注目点
これから米主要企業の2025年1-3月期決算発表が本格化します。発表された際には、それぞれの企業の足元の業績動向に加えて、各社の業績予想や経営陣のコメント等から、トランプ政権による関税政策が、米国や海外経済に与える影響について示唆が得られるか、注意してみていきたいと考えます。
(野村證券投資情報部 村山 誠)