
決算概要:2025年5-7月期(2026.1期第2四半期)

EPS実績は市場予想を上回った
米国時間8月27日引け後に、グラフィックスや、AI、データセンター向けなどの半導体の設計・販売を行うエヌビディア(NVDA US)が2025年5-7月期(2026.1期第2四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を1.5%上回り、EPSは市場予想を4.2%上回りました。
対中輸出規制の悪影響継続、AI用新製品の需要堅調
会社はデータセンター売上高実績のうちコンピュート(演算用製品)売上高が、中国向け製品「H20」の中国売上高が40億ドル減少したことにより、前期比(2025年2-4月期比)で1%減少したとコメントしました。一方で、データセンター売上高実績のうちネットワーキング(通信製品)売上高については、サーバー内やサーバー間の通信機器の販売が好調で前期比46%増となりました。
会社は、AI用新製品「ブラックウェル・ウルトラ」の需要好調と増産により、売掛金と在庫金額が増加したと説明しました。また、AI・クラウド企業や事業会社、政府のAI向け設備投資に強気な見通しを示しました。
売上高とEPSの推移


株価は時間外取引で下落
エヌビディアの株価は、前日比0.09%安で引けた後、決算発表を受けて時間外取引では、終値比3.20%安の175.79ドルで推移しています(NY時間18:30)。実績や会社見通しは概ね市場予想を上回りましたが、株価が年初来で27日終値までに35%上昇していたことで利益確定の売りが出たと考えられます。
株価推移 (6ヶ月日足)

(注1)EPS は非米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2025年8月27日時点。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2025年5-7月期(2025/7)。2025年8-10月期の売上高の白丸は会社見通し中間値。灰色はLSEG集計による市場予想平均。2025年8-10月期以降の予想は2025年8月26日時点。中国向け半導体製品「H20」の対中輸出規制に関連し、EPS実績は費用や税金への影響を含み、2025年5-7月期見通しは「H20」の中国向け売上高を含まない。
(出所)会社発表、LSEGより野村證券投資情報部作成
(文責:野村證券 投資情報部・竹綱 宏行)