
決算概要:2025年7-9月期(2025.12期第3四半期)

EPS実績は市場予想を上回った
米国時間10月29日引け後に、「グーグル」や「ユーチューブ」といったインターネット広告事業やAI・クラウド事業などを行うアルファベット(GOOGL US)が2025年7-9月期(2025.12期第3四半期)決算を発表しました。売上高は市場予想を2.5%上回り、EPSは市場予想を22.9%上回りました。
検索広告・YouTube・クラウドなど好調、設備投資額見通しを大幅に引き上げ
会社は実績について、検索広告、YouTube、クラウドなどが好調で、主力分野のほとんどで二桁成長を達成したとコメントしました。
AIに関して会社は、検索での「AI Overviews(検索結果の概要をAIが生成・表示する機能)」の成果や、AIモデル・ツールのGeminiの利用者増加、グーグル・クラウドの受注残の増加などを強調しました。また、AIインフラへの需要が供給を上回る状況は2026年にかけて継続するとの見通しを示し、設備投資額見通しを2025.12期通期について大幅に上方修正するとともに、2026.12期通期についても前年度比で大幅に増加させると述べました。


株価は時間外取引で史上最高値更新
アルファベットの株価(A株)は、決算発表を受け時間外取引では終値比6.59%高の292.66ドルで推移しています(NY時間19:52)。堅調な実績と設備投資額の上方修正が、他社のAIツールが当社の検索広告事業に悪影響を与えるとの市場の懸念を和らげたためと考えられます。
株価推移 (6ヶ月日足)

(注1)EPS は米国会計基準の希薄化後一株当たり利益。
(注2)株価推移:データは日次で、直近値は2025年10月29日。株価はA株。
(注3)売上高とEPSの推移:赤色は実績で、直近値は2025年7-9月期(2025/9)。灰色はLSEG集計による市場予想平均。2025年10-12月期以降の予想は2025年10月28日時点。EPS への投資損益等(その他損益項目)の寄与は、 2025年7-9月期は+0.68ドル、2025年1-3月期は+0.62ドルとその他の期と比較して大きい(2025年4-6月期は+0.08ドル、2024年10-12月期は+0.02ドル、2024年7-9月期は+0.12ドル、2024年4-6月期は-0.04ドル、2024年1-3月期は+0.15ドル)。
(出所)会社発表、LSEGより野村證券投資情報部作成
(文責:野村證券 投資情報部・ 竹綱 宏行)