「シリコンサイクル」とは

半導体業界の好況と不況の循環を「シリコンサイクル」と呼びます。半導体市場は過去20年間で約4倍になった高成長市場ですが、数年に1度、市場が縮小するダウンサイクルに見舞われてきました。

足元のシリコンサイクルは、巣ごもり需要の剥落などを受け、2022年5月頃をピークにダウンサイクルにあるとみられます。

今後、シリコンサイクルが底を打つタイミングを計る上で注目したいのが、世界有数の半導体の生産地である韓国の動向です。下の図は、韓国の鉱工業生産指数における半導体・半導体部品の出荷と在庫です。前年の同じ月と比較した伸び率の推移を示してます。

出荷は上の図の半導体出荷と同様に、マイナス成長が続いています。一方、在庫は2022年6月、7月をピークに伸び率は低下しています。シリコンサイクルはダウンサイクルにあるものの、2022年後半から半導体株は上昇に転じています。

米国長期金利暴騰の一服や、半導体市場の中期的な成長性に加え、半導体在庫の増加ペースがピークを打ったことも、株価上昇の要因となっています。

半導体在庫が減少に転じるかが、シリコンサイクルの底入れを確認する上で注目されます。

(野村證券投資情報部 大坂 隼矢)

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