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04/06 19:00
【来週の米国株】連戦連敗のNYダウ、「インフレ再燃」はどう確認する?(4/6)
※4月第1週より「今週の米国株」は毎週月曜日から、原則毎週土曜日への配信へと変更になります。来週の米国株投資戦略を見通しのヒントとして、ぜひご活用ください。 ※原稿執筆時点(日本時間5日12:00 ) 先週:インフレ再燃と中東情勢、2つの懸念高まる ※数値は3月29日(金)-4月4日(木)までの4日間 堅調な経済指標が続き、利下げ開始時期先送りが意識された上に、中東の地政学リスクの高まりからリスク回避的なセンチメントが浮上し、株価は下落しました。NYダウは4月に入り4営業日続落となっています。※ ※執筆時点 日本時間5日12:00 ISM製造業指数がサプライズ上振れ 株価下落のきっかけは、1日(月)に発表された3月ISM製造業景気指数が、1年半ぶりに好不況の分水嶺の50を上回ったことでした。特に仕入れ価格指数が前月から3.3ポイント上昇して55.8と、2022年7月以来の高水準となったことにあります。原材料などの投入コストが上昇したことが嫌気されました。 これまでのインフレ率低下は、自動車を中心とした「モノのインフレ」が沈静化したことが大きく影響してきました。しかし、人手不足などから賃金上昇率の伸びが続き、サービス価格のインフレ減速は遅れています。このため、市場はインフレ警戒感を高め、先物市場に織り込まれる6月利下げ確率は5割強まで低下し、年後半に利下げ開始が後ずれするとの見方が一段と強まりました。米長期金利(10年国債利回り)は3月28日(金)の4.20%から、4月2日(火)には4.35%まで上昇し、株価の下押し圧力となりました。 中東情勢が緊迫化 また中東情勢緊迫化も株価の下押し要因となりました。4月1日(月)にイスラエル軍の空爆によりシリアのイラン領事館が被害を受け、イラン側がイスラエルに対する報復を示唆する発言をしました。4日(木)にイスラエルのネタニヤフ首相がイランと断固戦う姿勢を表明したことで、中東情勢の緊迫化懸念が高まり、株価は下落しました。3月28日(金)終値で1バレル=83ドル台だったWTI原油価格は、4日(木)には一時1バレル=87ドルを超え、およそ半年ぶりの高水準となりました。地政学リスクとしての商品価格の上昇はインフレ懸念を高める一因となっています。 今週のポイントは2点です。 ①インフレ動向を確認、10日(水)のCPI インフレへの警戒を高めるパウエル議長 今週3日(水)にパウエルFRB(米連邦準備理事会)議長が講演を行いました。引き続き利下げに前向きなハト派的な姿勢が示唆されましたが、「雇用とインフレの最近のデータは予想を上回っている」点にも言及がありました。3月19日-20日の開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)後の記者会見や3月29日にサンフランシスコ連銀で開催されたイベントで示唆したトーンよりも、直近のデータに配慮する様子がうかがえました。 FRBがインフレ再燃への警戒感を高めていることから、来週は10日(水)の3月CPI(消費者物価指数)、11日(木)の3月PPI(生産者物価指数)がインフレ見極めのポイントとなりそうです。3月コアCPIは前年比+3.7%(2月は同+3.8%)と高止まりが予想されています。 米長期金利「5%」は、現状考えづらい 米長期金利(10年国債利回り)について、現在の4.2%-4.3%のレンジから上振れする可能性はありますが、 2023年10月に一時的に付けた5%台まで上昇することはあくまでリスクシナリオの位置づけです。 23年後半はインフレ懸念に加え国債の増発に対する懸念も高まっていました。しかし、その後財務省から国債の増発ペースを鈍化させる方針が発表されており、当面は国債増発に対する懸念が再度強まることは回避されると想定されます。 ②1-3月期決算発表、12日(金)の金融に注目 10日(水)から発表スタート 10日(水)のデルタ航空(DAL)等から米主要企業の2024年1-3月期決算発表が始まります。米企業業績が堅調さを示し、2024年4-6月期以降の増益基調の見通しが確認できれば、株式市場では今後の米国企業の業績拡大を織り込み、上昇基調に復帰すると予想されます。注目は12日(金)に集中する金融機関決算です。同日にブラックロック(BLK)、シティ(C)、JPモルガン・チェース(JPM)、ウェルズ・ファーゴ(WFC)、ステート・ストリート(STT)が発表を予定しています。 金利の逆風を乗り越えられるか 米金融セクターは、業界全体としては金利環境の逆風が続いています。米国では未だ逆イールド(短期金利が高く、長期金利が低い状態)であり、一般論として銀行は短期金利で資金を調達し長期金利で運用するモデルため、逆イールド下では不利となります。金融セクターに投資するうえでは、個別企業ごとの調達環境と運用環境、また金利以外のビジネスに関する業績動向の確認が必要でしょう。2024年を通して、金利がより長期間にわたり高水準に維持される、貸出の伸びが鈍化する、量的引き締めの圧力がかかる、与信コストが上昇する、といったリスク要因が考えられます。こうした逆風が吹く環境は当分続く可能性が高いため、目先は各銘柄固有の議論に注目したいと考えます。また、米地銀セクターなどに預金流出など資金繰り悪化といった話題が出やすい点にも注意が必要です。 (FINTOS!外国株 小野崎通昭) ご投資にあたっての注意点 野村オリジナル記事の配信スケジュール
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04/06 16:00
【注目トピック】米国株決算では増益率が加速するかに注目
※画像はイメージです。 米国:2024年1-3月期決算プレビュー 1-3月期は前年同期比+3.5%予想 4月中旬から、S&P 500 指数構成企業の2024年1-3月期の決算発表が本格化します。2024年3月28日時点の調査会社LSEG(旧リフィニティブ)集計による市場予想平均では、同期の四半期EPS(1株当たり利益)は、前年同期比+3.5%と予想されていて、2023年10-12月期の同+7.5%と比べ、増益率が鈍化する見込みとなっています。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 2023年10-12月期は、2023年12月22日時点の集計では同+2.9%と予想されていましたが、決算実績が事前のアナリスト予想平均を上回るポジティブサプライズの比率が純利益については76.3%となったことで、実際には同+7.5%まで拡大しました。同様の傾向が続けば、2024年1-3月期も、現時点での予想よりは高い増益率となる可能性は高いと考えられます。 アナリスト達は慎重に見直している模様 リビジョンインデックスの動向をみると、2024年3月27日時点では、FY1(予想1期目)は0.98、FY2は1.18となっています。 2024年1-3月期の決算発表を前に、アナリスト達は2024年12月期の業績予想を慎重に見直しているとみられます。 決算発表時の注目点 年度ベースでのEPSをみると、2024年は前年度比+9.7%と、2023年度の+1.5%から増益率が拡大すると予想されています。 2023年度は年前半が減益局面だったこともあり、前年比微増益でしたが、2024年度以降は、米企業業績は拡大基調となり、過去最高益を更新していくと予想されています。米国企業が、独自の技術力やビジネスモデルで中長期的に業容を拡大していくことが、業績予想に織り込まれていると推察されます。 今後、2024年1-3月期決算の発表が本格化した際には、足元の業績動向に加え、2024年4-6月期の会社業績見通しや、前回、2023年10-12月期決算の際に示した2024年12月期通期の会社業績見通しの修正動向を確認したいと考えます。そして、経営陣のコメントなども含め、2024年度以降、過去最高益を更新していくというアナリスト予想平均の確からしさについて、チェックしていきたいと考えます。 (野村證券投資情報部 村山 誠) ご投資にあたっての注意点
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04/06 12:00
【オピニオン】日経平均株価、バリュエーションを再点検
※画像はイメージです。 2023年末、33,464円で終えた日経平均株価は年初より上昇スピードを速め、2月22日には1989年末の史上最高値38,915円(終値ベース)を更新、3月4日には初めて40,000円台に到達し、その後も押しを入れながらも堅調な推移をたどっています。年初来7,000円、20%を超える上昇となっており(3月27日時点)、株価水準の妥当性に関する議論が高まりつつあります。本稿では、PER(株価収益率)の観点から日経平均株価の水準について確認してゆくことにしましょう。 【ヒストリカル】‥日経平均株価の予想12ヶ月後EPS(1株当たり利益)ベースのPERは2010年代前半以降、永らく12~14倍のゾーンでの推移が続いてきました。年初来株価が急上昇した結果、2024年3月末時点でのPERは17倍と、(ここ10年前後という)ヒストリカルな観点からは割安とは言い難い状況と言えるでしょう。 【相対比較】‥先進国・地域間の相対的なPER水準を比較すると、我が国の17倍に対し、米国(S&P500)22倍、欧州(STOXX欧州600)14倍となっています。成長性/収益性に優れた米国のPERが図抜けて高く、日本、欧州が続く形になっています。 まとめると、現在の日経平均株価のPERは、もはや上昇局面入り前の、ヒストリカル/先進国・地域間比較いずれでも著しく割安な状況とは言えない状況です。しかし、1989年当時のように一般的な投資のフレームワークで説明が難しい状況には程遠く、欧米諸国よりもかなり強い短期的な業績モメンタムや、昨年度より企業が取り組み始めた(東証の要請に基づく)企業の収益性/資本効率向上への期待感などで十分に説明のつく範囲のPER上昇と考えられます。 【上値余地はあるか?】‥日経平均株価の2024年度予想EPSは、2024年3月末時点で前年度比+8.1%増となっています(下左表)。この予想EPSの伸び率が今後さらに高まることが、(必須条件というわけではないものの)日経平均株価の更なる上昇のサポート要因となると思われます。2024年度の日本企業を取り巻く環境は、年度末に向けてしり上がりに生産活動が回復し、物価もプラス圏での推移が続くことから緩やかな交易条件の回復が見込まれます(下右図)。年度を通じての持続力はともかく、2024年7-9月期以降は、瞬間風速で前年同期比2桁台の経常増益となる公算が大きいと考えられます。 現在の日経平均株価は、今以上のPERの上昇を前提にしなくても十分に上値を追える状況にあると言えるでしょう。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 ご投資にあたっての注意点
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04/06 09:00
【マーケット解説動画】日経平均39,000円割れ(4月5日引け後収録)
今週の「テクニカル展望」動画では、弊社の山内シニア・ストラテジストが 、チャート分析の観点から、今後の展望や注目点について15分ほどで解説しています。今後の投資の参考にご覧ください。 今週の収録内容:「日経平均39,000円割れ」 1.1週間の振り返り2.日経平均株価:日足・月足3.NYダウ:日足4.来週の注目イベント 解説:野村證券投資情報部 山内 正一郎 ※動画の終盤に言及している、「アンケート」については、FINTOS!ではご回答いただけません。ご了承ください。 ご投資にあたっての注意点
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04/06 07:00
【来週の予定】春節後の中国経済の実態は?
来週の注目点:日米の経済指標、春節後の中国経済の実態 パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長が早期利下げに慎重な姿勢を続ける中、足元で雇用や景況感の堅調さを示唆する経済指標が相次いでいます。利下げ開始が後ずれするとの市場の思惑から米国債利回りが上昇し、米ドルも主要通貨に対して上昇しています。米国では、10日(水)に3月消費者物価指数、3月FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録、11日(木)に3月生産者物価指数、12日(金)に4月ミシガン大学消費者マインド(速報値)などの重要統計が発表されます。3月FOMCでは24年中の政策金利見通し(中央値)に変更はありませんでしたが、足元のインフレ動向等を踏まえた議論内容に注目が集まります。 日本では、3月日銀金融政策決定会合でマイナス金利解除が決定され、次なる焦点は追加利上げ実施の有無です。植田日銀総裁は今後の金融政策判断は「経済・物価見通し次第」としており、想定以上の賃上げが実施される場合や、円安に歯止めがかからなければ早期利上げ期待が高まる可能性があります。日本の経済指標は、8日(月)に2月毎月勤労統計、3月景気ウォッチャー調査が発表されます。毎月勤労統計に春闘の結果が反映されるのは4月から5月にかけてと見られますが、足元の賃金動向を確認する上で注目です。 中国では3月PMI(購買担当者景気指数)が製造業、非製造業ともに改善したことで、中国景気の先行き懸念が一服しています。ただし、中国では春節休暇の時期が年によって変動し、今年のように2月の場合には、3月に企業活動がフル稼働となることで景況感が押し上げられる傾向があるため、景気の回復力を慎重に見極める必要があります。12日(金)発表の3月貿易統計は、製造業の実態を把握する上で参考になります。 (野村證券投資情報部 坪川 一浩) (注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年4月5日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。(注2)画像はイメージです。(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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04/05 19:00
【月間ランキング】投資家が新たにお気に入りに登録した銘柄は?(2024年3月分)
トップ3は小林製薬、三菱UFJ、三菱重工 小林製薬(4967)が1位にランクインしました。2024年3月22日、同社は紅麹(こうじ)原料を使用した同社製造のサプリメントを摂取した消費者に健康被害が生じたことを受け、同製品などの自主回収を発表しました。同報道を受けて3月25日の同社株価は制限値幅の下限(ストップ安水準)まで下落しました。 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が2位にランクインしました。2024年3月18-19日に開催された日本銀行の金融政策決定会合では、マイナス金利政策の解除と長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の撤廃が決定されました。金利上昇による銀行の利ざや改善や収益向上への期待が高まっていますが、短期的には材料出尽くしとの見方もあります。 三菱重工業(7011)が3位にランクインしました。同社は2024年4月1日付で1株を10株にする株式分割を実施しました。一般的に、株式分割銘柄は公表時に短期的な高パフォーマンスが期待される半面、権利落ち日を境に株価が低迷する傾向がある点には注意が必要です。 日本電信電話(9432)が4位にランクインしました。同社の2024年3月の主なトピックとしては、NTTドコモによる中堅信販のオリックス・クレジットの買収発表、新料金プラン「ドコモポイ活プラン」の発表、独自開発の大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi(つづみ)」のサービス提供開始などが挙げられます。 (野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) (注)画像はイメージ。各種データは2024年4月3日時点。(出所)各種資料より野村證券投資情報部作成 ご投資にあたっての注意点
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04/05 16:24
【速報・解説】日経平均39,000円割れも、短期変動に対する過度な懸念は不要
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は前日比535円安の39,237円で取引を開始しました。前日の米国株式市場で、中東情勢の緊迫化および、早期利下げ期待の後退により、主要3指数が揃って下落したことが嫌気されました。寄り付き後は徐々に下げ幅を拡大し、下げ幅は一時前日比998円安となる場面もありました。後場に入ると、押し目買いもあり、やや下げ幅を縮小したものの、39,000円前後でもみあいとなりました。その後は新たな材料がない中、一進一退を続け、前日比781円安の38,992円と大幅に反落して取引を終えました。 個別では東京エレクトロンやファーストリテイリング、アドバンテストといった値嵩株の一角が下落し、3銘柄で日経平均株価を約397円押し下げました。 (野村證券投資情報部 磯崎 博志) 【解説】日本株の不吉な「3重苦」は恐るるに足らず 2024年度がスタートし、日本株は一時的に上昇が鈍化する場面も見られました。「3重苦」と表現するには大袈裟かもしれませんが、➀日本企業の2024年度の期初計画が保守的となることへの懸念、②過度に強かった「モメンタム(値動きの勢い)」ファクターに対する反動への警戒、③新たに日本株に参入した投資家が投資資金を引き揚げる可能性への懸念などが指摘されています。しかしながら、これらの要素を一つずつ丁寧に見ていくと、過度な懸念は不要だと考えられます。 第一に、期初計画の慎重さは日本企業の特性であり、事後的にみると業績上方修正につながりやすい傾向があります。特に足元のように名目GDP(国内総生産)が拡大している局面では、その傾向が一段と強まります。第二に、名目GDP(国内総生産)が拡大している局面では「モメンタム」ファクターが強まりやすい傾向があります。ただし、「モメンタム」ファクターが強まった後に反動で株価指数が下落するという傾向は特に見られません。第三に、国内の投資信託や上場投資信託(ETF)のフローを見ても、4月3日時点では株式市場の先行き不安から投資資金が引き揚げられるという動きは確認できません。 ここまでの日本株高をけん引してきた、コーポレートガバナンス(企業統治)改革に向けた動きも止まっていません。4月3日には岸田文雄首相が、「有価証券報告書の開示が株主総会前のタイミングになるように」と述べたのは大きな一歩と言えます。中期経営計画や資本コスト、株価を意識した経営方針を示した企業が株式市場で評価されやすい状況が続くでしょう。 4月第2週の注目イベントは、セブン&アイ・ホールディングス(3382、4月10日予定)やファーストリテイリング(9983、4月11日予定)などの決算発表です。これらには、消費動向に関する情報が多く含まれていると考えられます。さらに、岸田文雄首相が4月10日に訪米し、バイデン米大統領と会談する予定です。AIや半導体、電池、防衛分野に関わる具体的な議論が深まる可能性もあり、注目します。 (要約編集:野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課) 要約編集元アナリストレポート 日本株ウィークリー – 不吉な2024年度初めの3重苦?恐るるに足らず(2024年4月4日配信) (注)各種データや見通しは、要約編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。画像はイメージ。(出所)野村證券市場戦略リサーチ部などより野村證券投資情報部作成 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日は米国で、3月の雇用統計が発表されます。非農業部門雇用者数増加数は前月比20万5,000人増と直近3ヶ月の平均26万5,000人増からの減速が予想されますが、労働市場の堅調は維持され、平均時給も前月比+0.4%と反発が見込まれます。野村では、予想通りとなればFRBの利下げ開始のタイミングについて変化はないとみています。 (野村證券投資情報部 磯崎 博志) 要約編集元アナリストレポートについて ご投資にあたっての注意点
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04/05 12:00
【今週のチャート分析】日経平均株価は3月に41,000円台乗せ後、押しを入れる展開に(4/5)
※画像はイメージです。 ※2024年4月4日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 38,000円前後の2つのフシが下値メド 今週の日経平均株価は史上最高値圏で売り買いが交錯し、上値の重い展開となりました。 チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、3月19日の日銀によるマイナス金利解除を大きな波乱なく乗り越え、22日に一時41,087円まで上昇しました。ただ、年初の33,000円台からの大幅上昇の期間が約3ヶ月となるなど日柄が経過する中、3月22日高値形成後は押しを入れています。 4月に入り、1月以降の上昇局面で下支えとなってきた25日移動平均線(4月4日:39,796円)前後の水準まで下落しており、この先、同線を明確に割り込んだ場合は、3月12日安値(38,271円)や、昨年10月安値から今年3月高値までの上昇幅に対する1/3押し(37,553円)の水準が下値メドとして挙げられます。 一方で、調整一巡後に反発となった場合は、3月22日高値(41,087円)を突破することができるかが注目点です。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2024年4月4日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 次に長期的な動きを確認してみましょう(図2)。現在は2022年3月安値(24,717円)を起点とする中長期上昇局面を形成中だと考えられます。これまでの上昇倍率は1.65倍となっていますが、これは過去の長期上昇局面(①~③:1.6倍~2.6倍)のうち、最も低い上昇倍率(②:1.6倍)をやや超えた動きに留まっています。 前回(③)の上昇倍率である1.9倍を2022年3月安値に当てはめると46,962円と試算されます。この先、短期(数週)や中期(数ヶ月)の調整を挟む可能性はあるものの、それら押しをこなしつつ、さらなる上昇となると考えられます。 (注1)直近値は2024年4月4日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。(出所)日本経済新聞社、各種資料より野村證券投資情報部作成 中期・長期トレンドをどうみるか 日経平均株価の今回の長期上昇トレンドの起点は大底である2022年3月安値(24,717円)や、本格上昇前の安値である昨年1月安値(25,716円)が挙げられ、そこから長期上昇局面が継続中だと考えられます。この長期上昇局面は、昨年1月~7月の上昇局面、同年7月~12月の中段保ち合い局面、そして今年1月からの上昇局面に分けることができます。 今年1月からの上昇局面(中期上昇トレンド)をみると、上昇期間でみて既に3ヶ月が経過し、また上昇率は1月4日安値から3月高値までで23%、昨年10月4日安値から同高値までで34%となっています(図3)。この上昇局面と比較する上で波動構成上参考になるのは、2020年10月から2021年2月にかけての上昇局面です。この局面では上昇期間が3ヶ月半、上昇率が33%となり、天井を形成しています。 これらと比較すると、1月以降の上昇局面は、反動の動きに注意を要する時期に入ってきているとみられ、数週から数ヶ月程度の調整を挟む可能性が考えられます。 (注1)直近値は2024年4月4日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 一方、これら中期的な波動を内包する長期上昇トレンドには、今後も上昇余地があると考えられます(図2)。例えば前回の長期上昇局面を今回に当てはめると46,962円と試算されます。今年1月以降の大幅上昇に対する反動の動きには注意が必要ですが、それらの押しをこなしつつ、さらなる上昇となると考えられます。 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) ご投資にあたっての注意点
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04/05 08:29
【野村の朝解説】米国株下落 中東情勢の緊迫化を嫌気(4/5)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 4日の米国株式市場では、主要3指数揃って下落しました。先週の新規失業保険申請件数が2024年1月以来の水準まで増加し米金利が低下したことが好感され、主要指数は堅調に推移しました。しかし、イスラエルのネタニヤフ首相がバイデン米大統領との電話会議において、イランとその代理勢力に対して対抗措置を講じると発言したことを受け、中東情勢緊迫化による地政学リスクが強まり、主要指数は下落に転じ、終盤にかけて軟調に推移しました。 相場の注目点 中東情勢の緊迫化を受け、原油価格が上昇しています。4日、WTI原油先物価格は一時、1バレル=87.22ドルと2023年10月下旬以来、約5ヶ月ぶりの高値を付けました。中東情勢の緊迫化は、地政学リスクの強まりだけでなく、原油価格の上昇に伴うインフレ高止まりの要因にもなります。FRBによる利下げのタイミングに焦点が当たる中、足元の中東情勢は株式市場にとって重要な要素となりそうです。 本日のイベント 本日は、米国の3月雇用統計が発表されます。市場では、非農業部門雇用者数が前月から21.4万人増加したと予想されています。足元では、良好な経済指標がFRBの利下げを後ずれさせ、株価を押し下げるという、「良いニュースは悪いニュース」の流れが復活しています。本日発表される雇用統計が仮に米国経済の力強さを印象付けるものとなれば、さらなる米金利上昇を招くとみられ、注意が必要です。 (投資情報部 大坂 隼矢) (注)データは日本時間2024年4月5日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点