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06/07 16:03
【野村の夕解説】米国雇用統計を控え、日経平均株価は小幅な値動き(6/7)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は前日比105円安の38,597円で本日の取引を開始しました。値がさ株のレーザーテックが大幅反発したこと等を受けて上昇に転じ、寄り付き後には本日の高値となる前日比43円高の38,747円を付ける場面もありました。しかし、前日の米国週間新規失業保険申請件数により雇用の鈍化が示され、為替市場で円高・米ドル安が進行したことから、日経平均株価は頭を押さえられ軟調に推移しました。その後は、米国の5月雇用統計発表を前に様子見の展開となり、前日比42円安の38,661円で午前の取引を終えました。 様子見の姿勢は午後に入っても変わらず、また国内で目立った材料も無かったことから、小幅な値動きで推移し、日経平均株価は前日比19円安の38,683円で取引を終了しました。東証プライムの売買代金は3兆4,623億円と年初来2番目の低水準でした。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日、米国で5月の雇用統計が発表されます。FOMC(米連邦公開市場委員会)を来週11-12日に控え、市場の金融政策見通しにどのような変化をもたらすのか注目されます。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点
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06/07 12:00
【今週のチャート分析】日経平均株価、5月20日高値超えとなればダブルボトム完成へ
※画像はイメージです。 ※2024年6月6日(木)引け後の情報に基づき作成しています。 今後、史上最高値更新も視野に 今週の日経平均株価は、日米の長期金利低下が好感されたものの、上値は重い展開となりました。 チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、5月20日高値(39,437円)形成後の上値は重く、30日には25日移動平均線(6月6日:38,586円)を割り込み、一時37,617円まで下落しました。 しかし、昨年10月以降の上昇トレンドライン上で下ヒゲを引き反発しており、この先、5月20日高値(39,437円)を超えることができるか注目されます。同高値突破となれば、4月19日安値を大底とし、5月30日安値を二番底とするダブルボトムが完成することとなり、下値の固さが確認されます。その場合、まずは、4月12日戻り高値(39,774円)や、心理的フシの4万円の水準へ向けた動きとなると考えられ、先行きは史上最高値(41,087円)更新が視野に入ってくるとみられます。 ※(アプリでご覧の方)2本の指で画面に触れながら広げていくと、画面が拡大表示されます。 (注1)直近値は2024年6月6日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成 一方で、この先再度調整となり38,000円台を割り込む場合は、5月30日安値(37,617円)や、4月19日安値(36,733円)の水準が下値メドとして挙げられます。今年4月安値までの下落率(9.3%)は、波動分析上の参考局面である昨年10月安値までの下落率(9.6%)と比較し、値幅調整は概ね十分と捉えられます(図2)。この先、上値を抑えられ仮に本格調整再開となった場合も、さらなる調整は限定的だと考えられます。 (注1)直近値は2024年6月6日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成 ドル円相場、米大統領選挙が転換点となるか 今年最大の注目イベントの一つは米国の大統領選挙です。過去のドル円相場と米国大統領選挙前後の動きをみると、大統領選挙前後でドル円相場の中長期的なトレンドが変化するケースが何度かみられました(図3)。 (注1)直近値は2024年6月3日。 数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)縦線は大統領選挙の月。尚、大統領就任は翌年1月。(出所)日本銀行、各種資料より野村證券投資情報部作成 トランプ氏が勝利した2016年11月のケースでは、ドルは対円で100円前後で底練りだったところから、大幅上昇し、底練り局面を脱することに成功しました。また、現バイデン大統領が勝利した2020年11月以降の動きをみると、翌年1月をボトムとして中長期上昇(円安・ドル高)トレンドに転換したことがわかります。今回は中長期的な上昇(円安ドル高)トレンドが続く中で、大統領選挙まであと約5ヶ月に迫っています。 チャート分析の観点からみれば、これまで続いてきた中長期上昇(円安・ドル高)トレンドは天井形成の可能性に注意が必要な時間帯に入っているとみられます。ドルは対円で、1975年以降は8年前後(83ヶ月~107ヶ月)の周期で主な高値を形成してきました(図4)。 (注1)直近値は2024年6月5日時点。数値は日銀公表値で東京市場、取引時間中ベース。 (注2)日柄は両端含み。(注3)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。(出所)日本銀行より野村證券投資情報部作成 今年5月高値時点で、前回のサイクル高値(2015年6月)から約9年(108ヶ月)となり、過去5回のサイクルの中で最長の期間となりました。今年5月高値や、この先の高値がサイクル高値となる可能性に注意が必要だと考えられます。 これらチャート分析面に加え、米国の金融政策の転換点が近いとみられることも併せて考慮すれば、米大統領選挙前後がこれまでの円安・ドル高トレンドの転換点となる可能性も考えられます。 (野村證券投資情報部 岩本 竜太郎) 【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら ご投資にあたっての注意点
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06/07 08:41
【野村の朝解説】雇用統計の発表を控え、米国株は小動き(6/7)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 6日の米主要3指数は、まちまちの展開でした。朝方発表された週間新規失業保険申請件数が22.9万件と、市場予想の22万件を上回りました。前日発表された5月ADP雇用統計に続き、労働市場の鈍化が示唆されたことで、FRBによる利下げ開始が先送りになるとの懸念が後退し、株式市場を下支えしました。NYダウは小幅上昇した一方、前日AIに対する成長期待などから上昇が目立った半導体などハイテク関連株が下落したことから、ナスダック総合指数は4営業日ぶりに反落しました。米国株式市場は、7日に5月雇用統計の発表を控え、その内容を見極めたいとして小幅なレンジでの値動きとなりました。 相場の注目点 米国市場では、FRBによる早期利下げへの期待が回復しています。今週は、5日にカナダ中央銀行が利下げに踏み切り、6日にはECB(欧州中央銀行)が4年9ヶ月ぶりとなる利下げを決定しました。先進各国で利下げが相次ぐ中、来週のFOMC(11-12日)に対する市場の関心が高まっています。本日米国では、FRBの金融政策の動向を見極める上で重要となる5月雇用統計が発表されます。5月雇用統計の非農業部門雇用者数は、概ね4月並みの前月差+18.0万人が市場で予想されています。今会合では政策金利は据え置きが市場コンセンサスですが、雇用統計の結果を受けて、年後半の利下げ期待が一段と回復するか、注目されます。 本日のイベント 日本では、4月全世帯家計調査や4月景気動向指数が発表されます。海外では、中国の5月貿易統計が発表されるほか、インドとロシアで金融政策決定会合が開催されます。いずれも金融政策を据え置くとみられます。 (投資情報部 澤田 麻希) (注)データは日本時間2024年6月7日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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06/06 15:59
【野村の夕解説】日経平均株価、3日ぶり反発 半導体関連の上昇目立つ(6/6)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は、前日比351円高の38,841円で取引を開始しました。前日の米国株式市場で、5月ADP雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を下回ったほか、5月ISMサービス業景気指数の仕入れ価格指数が下落し、雇用鈍化及びインフレ圧力の減退が示唆され、ナスダック総合指数を中心に米主要3指数が上昇したことが追い風となりました。米国で半導体関連株の上昇が目立ったことで、国内株式市場でも東京エレクトロンやアドバンテスト、ディスコといった指数寄与度の高い値がさ株が上昇し、寄り付き後には、本日の高値となる39,011円を付ける場面もありました。 後場は、上昇幅を縮小する展開となりました。日銀の植田総裁が参議院財政金融委員会で、金融政策について「現時点でのデータに基づくと当面は現状の政策維持が妥当」としたものの、金融政策正常化を進める際には、「国債買い入れを減額することが適当である」との考えを示ました。また7日には米国で、5月米雇用統計の発表が控えていることから、積極的に上値を追う展開とはならず、前日比213円高の38,703円で取引を終了しました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日は、ユーロ圏でECB金融政策理事会が開催予定で、市場予想では0.25%ポイントの利下げが決定されると見込まれています。今後の政策についてラガルド総裁がどのような見方を示すか注目されます。 (野村證券投資情報部 金井 一宜) ご投資にあたっての注意点
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06/06 08:38
【野村の朝解説】S&P500最高値更新 米金利低下を好感(6/6)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 5日の米国株式市場で、NYダウ、S&P500指数、ナスダック総合指数の主要3指数は揃って上昇しました。S&P500とナスダック総合指数は史上最高値を更新しました。5月のISMサービス業景気指数は53.8と市場予想の51を上回り、前月から上昇となりました。新規受注は予想を上回る一方で雇用項目はやや市場予想を下回りました。加えて、この日発表された5月ADP雇用統計は市場予想の17.5万人を下回る15.2万人の増加にとどまり、インフレ高止まりへの懸念を後退させる結果となりました。これら経済指標の結果を受けた米国金利低下に加え、AIに対する成長期待がこの日も引き続き好材料視され、半導体株が相場をけん引しました。 相場の注目点 5日に発表された日本の4月毎月勤労統計は、現金給与総額が前年同月比+2.1%と3月(同%+1.0%)から加速しました。しかし、共通事業所ベースの所定内給与は同+2.1%と3月から横ばいに留まり、春闘の影響を明確に確認するには不十分な結果であったと言え、6月利上げの可能性は低下したとみられます。6月の日銀政策決定会合の焦点は、国債購入減額の詳細と7月会合に向けた利上げ期待を維持するコミュニケーションがとられるかどうかです。本日は日銀の中村審議委員の講演が予定されています。 本日のイベント 本日は、ECB金融政策理事会の結果が発表されます。その他、ユーロ圏の4月小売売上高、米国の4月貿易統計、週間新規失業保険申請件数の発表が予定されています。 (投資情報部 大坂 隼矢) (注)データは日本時間2024年6月6日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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06/05 19:00
【特集】個人投資家・みのうさんの「再現性の高い」投資 アナリストレポートも活用
文/中城邦子 ※写真は全てイメージです。 元ファンドマネージャーで、今は個人投資家として活動するみのうさん(ハンドルネーム)は、運用資産額を数億円規模まで増やしています。決算発表シーズン終了後から3つの段階で企業の情報を入手し、「再現性の高い投資」のスタイルをつくることを重視していると言います。情報収集に活用しているのが、証券会社のレポートです。詳しく聞きました。 ――みのうさんの現在の投資スタイルを教えてください。 現在は株式を約50銘柄保有し、そのうちの約半分が大型株でほぼ日本株です。決算発表の前に、値上がりを予想して先に購入して勝負することもありますが、多くは発表された決算内容をどう評価するかを考えて、投資行動をすることを大事にしています。 比較的大型のバリュー株投資(注1)をメインに、中小型株やIPO直後の銘柄などのグロース株投資(注2)もしています。今のところ年率30-50%を達成しており運用資産額数億円の規模になりましたが、上には上がいて驚かされます。 (注1)バリュー株投資は、企業の利益・資産などの基準に対して割安なものに投資する手法。PERやPBRの低いもの、配当利回りの高いものなどが代表的な選択基準。「割安株投資」とも呼ばれる。(注2)企業の売り上げや利益の成長率が高く、継続的に業績が伸びていくことが期待され、将来的には株価も上昇すると予想される企業の株式に投資する手法。「成長株投資」とも呼ばれる。 ――以前は、機関投資家として活動されていたのですよね。専業の個人投資家となったのはどんな経緯でしょうか。 私は1990年代半ばに金融機関に新卒で入社し、3年目から運用部門に異動しました。バリューファンド(割安と考えられる企業を株式主要投資対象とする投資信託の総称)のファンドマネージャーとして、2014年まで10年以上勤めました。 ファンドマネージャーとしての成績は良かったのですが、投資だけに専念できるわけではなく、マネジメント業務が増えていました。ちょうど入社20年になるころ、キャリアとして折り返し地点ということもあり、違うこともしてみたいと考えて退職しました。事業を立ち上げて経営する一方で、初めて自己資金での株式投資を始めました。ファンドマネージャー時代は自分では投資ができなかったので。 事業経営と両立して株式投資をしていたのですが、家族に不幸があり育児をメインで担うことになったのを機に、2019年に事業は譲渡し、専業投資家になりました。 ――専業投資家になったことで、事業の合間に投資するときと、投資スタイルは変わりましたか。 変わりましたね。兼業だった最初の1~2年は10銘柄くらいに分散していたのですが、その後段階的に銘柄数を増やしていき、50銘柄くらいに分散する今のスタイルになりました。カバーしないといけない範囲は広がりました。 ――投資戦略を立てるうえで、どんな情報を参考にしますか。ファンドマネージャー時代の経験は生きているのでしょうか。 個人投資家が可能な範囲で、複数の証券会社のアナリストレポートを見られる状態にしています。各社、レポートを読めるタイミングが機関投資家よりも若干遅かったり、読める銘柄が限られていたりするのですがそれでも役立ちます。 ファンドマネージャーがどこまで担当するかは組織によって違うと思いますが、私が所属していた組織は分業制で、社内のアナリストがリサーチして業績予想を立てて、ファンドマネージャーはその情報を吟味してポートフォリオを組んでいました。資料から投資判断をするという意味では、個人投資家も一定の条件でアナリストレポートを見ることができます。 ただし、機関投資家が個人投資家と違うのは、社内のバイサイド・アナリスト、社外のセルサイド・アナリスト(注3)らと議論できる点です。個人投資家はレポートについて疑問に思っても、書いた人に自由に聞くということはできませんね。直接情報交換できると、「レポートではこう書いてあるけど、直近は印象が変わってきているんだな」など、肌感覚でわかることもあります。それがない状態で判断する難しさを、最初は感じましたね。 (注3)機関投資家など株式を買い運用を業務とする会社のアナリストは、バイサイド・アナリストと呼ばれ、自社の資産運用のためにレポートを作成する。 一方、証券会社など株式を売る側のアナリストは、セルサイド・アナリストと呼ばれ、顧客の投資家に対するサービスとしてレポートを作成する。 ――大型株の決算情報はすぐ株価に織り込まれるので、個人投資家は機関投資家に勝てない、と言われることがあります。その点はいかがですか。 私は、そうとは限らないと思っています。情報が機関投資家よりも少ない点をカバーするのが、中小型株やIPO(新規公開)株を投資対象にすることです。また、個人投資家はいろいろな情報を得たら、ポジションをすぐ作れることが強みです。 機関投資家は巨額の資金を運用するため、自身の売買が株価に影響を及ぼさないための制約もありますし、アイデアを即生かせるわけではありません。運用額が大きいとファンドに組み入れる必要な株数も大規模となり、ポジション構築に時間がかります。個人投資家は、どういうポジションを取るかの自由度が高く、早く動ける点は大きな優位性だと感じています。 アナリストレポートは基本的には機関投資家向けなので、中小型株やIPO株がカバーされていることはあまりないです。そういった銘柄は自分で情報を得る必要があり、手間がかかります。その分、大型株についてはアナリストレポートの情報を活用して判断の助けにしています。 元ファンドマネージャーの、アナリストレポートの読み方 ――アナリストレポートは何に注目しますか。 基本的には、投資している銘柄に限らず、読めるものはほぼ全部見ています。といってもすべて読み込むわけではなく、サマリーを見てこれまでの見方と変化がないと判断できれば次、と数秒で済ませるものもあります。 個別銘柄のアナリストレポートには、目標株価や投資判断(レーティング)が記載されていますが、これが上がった/下がったというのは気にしていません。「今回のレポートでは、アナリストはどう見方を変えているか」「他社と違う見方が出てきているか」という点にアンテナを張っています。 例えば株価が下落しているある銘柄について、「業績のボトムアウトは下期ぐらい」が各社アナリストの共通認識だったのに、急に「在庫調整が終わり増産に入って業績は下期から前倒して回復すると見ている」というレポートが入ってきたら、それは変化なのでしっかり読みます。 ――アナリストレポートを活用したうえで、みのうさんがよく取る投資行動の例を教えてください。 まず、決算発表シーズンの1か月くらい前(証券会社や銘柄によって異なる)、各社からいろいろな銘柄の決算の注目点について書かれたレポートが出ます。それを読んで「A社はこのような決算が出ると市場の予想(コンセンサス)通り」という感触を身につけておきます。 決算発表当日は、臨戦態勢ですね。多くの場合大引け(15時)後、企業の決算が発表されるので、張り付いてその情報を取ります。「A社は、いいサプライズとなる数字が出ている」と感じたらすぐにA社の株式を購入することもあります。 決算発表直後に出るアナリストレポートでは、証券会社によっては、決算に対する第一印象が書かれています。自分が企業の決算内容を見た印象が間違っていないかどうかをこれで確認してから、投資行動に移ることもあります。 そして決算発表後1週間くらいで出てくるレポートでは、企業の説明会の情報も加味してアナリストが予想を修正することが多くあります。それも投資機会になります。1~2か月など、しばらくたってから出てくるレポートもあります。アナリストが独自取材をして新たな情報を得たということが多く、そこにも注目します。 ――個人投資家でここまで、レポートの内容を重視するスタイルは珍しいのでしょうか。 専業投資家となってからは、いろいろな勉強会に出席して情報交換をしていますが、意外とアナリストレポートをここまで使っている人は少なくて、見方を教えてほしいと言われることはよくありますね。具体的には、 ① 決算発表の前から銘柄について各社がどう見ているのかをインプットする② 決算発表当日に印象を確認し、答え合わせする③ 決算発表後に、どう予想修正されるかに注目する という3段階を、3カ月のルーティンで続けることで、自分でもだんだん決算情報を判断できるようになると思います。これはファンドマネージャーのときからやっているルーティンです。 私が大事だと思っているのは再現性の高さです。 一発当てて株価が2倍3倍になったという話には再現性がなく、「この決算内容なら株価が少し上がりそう」という法則を自分なりに見つけるほうがいいと思っています。大勝するような爆発力はないですが、勝率を上げるほうが結果的には資産を大きくできる可能性が高いと思います。 もちろん絶対そうなるという法則はなく、失敗もします。でも、こういうときは寄り付きで飛びついて買ってはいけない、この業績がでたら閉じなくては(売却するという意味)いけないなど、自分なりの基準を持つようにしています。 ――個人投資家としての目標はありますか。 他の個人投資家の方との勉強会では、50億、100億と資産をつくった“怪物”と言いたくなるような人に会えるんですよ。そういった方とお話しすると刺激をもらって、もっと高い次元の投資家を目指したいと感じます。資産額が○億円になったら引退するという考えの人もいますが、私は続けられる限りずっと成長していきたいと思っています。 個人投資家みのうさんバリュー株投資の手法を得意とする専業投資家。1990年代半ばに金融機関に入社し、バリューファンドのファンドマネージャーとしての経験が10年以上ある。2014年に退職。株式投資などをしながら3社の事業を開始し、売却。2019年から専業投資家に。 ※本コラムで取り上げられた投資に関する基本的な考え方などについては、あくまで個人の見解によるものであり、野村證券の意見を代表するものではございません。 ご投資にあたっての注意点
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06/05 16:17
【野村の夕解説】日経平均株価、円高が重石となり続落 (6/5)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 本日の日経平均株価は前日比183円安の38,654円で取引を開始しました。前日の米国市場で発表された4月求人件数が前月から減少して約3年ぶりの低水準となるなど、労働需給の緩和から米長期金利が低下しました。日米金利差の縮小を受けて米ドル円相場は、一時1米ドル=154円台半ばまで円高米ドル安となり、自動車株などの輸出関連株の下げが目立ちました。日経平均株価は、寄り付き直後一時前日比493円安まで下げ幅を広げた後は、新規の材料に欠き38,400円を挟んで一進一退を続けました。日本の新発10年国債利回りが1%割れへと低下し、米ドル円相場が1米ドル=155円台後半まで円安に振れたことが一定の下支えとなり、日経平均株価はやや値を戻し、前日比347円安の38,490円と続落して取引を終えました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 日本は賃金と物価の好循環、米国では景気のソフトランディングが楽観的なシナリオですが、今後、経済指標で一つ一つ確認することになります。本日、米国では5月ADP全米雇用レポート、5月ISMサービス業景気指数の発表が予定されています。6月11日ー12日に予定されるFOMCに向けて、米国金融政策のヒントとなるか注目されています。 (野村證券投資情報部 神谷 和男) ご投資にあたっての注意点
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06/05 08:34
【野村の朝解説】米国株上昇、長期金利の低下が支えに(6/5)
(注)画像はイメージです。 海外市場の振り返り 4日の米国株式市場で、主要3指数は揃って上昇しました。4月JOLTS雇用動態調査の結果を受け、労働需要の鈍化が示唆されたことから、FRBによる利下げ後ずれに対する懸念が後退し、長期金利が低下したことが株式市場の支えとなり、主要3指数は揃って上昇して取引を終えました。 相場の注目点 主要な半導体メーカー48社で構成されるWSTS(世界半導体市場統計)は4日、2024年春季の半導体市場の見通しを発表しました。2024年の半導体市場は前年比+16%の6,112億米ドルになるとの見通しを示しました。2023年実績と2024年予想は、前回発表時点の2023年11月よりも上方修正されています。2024年については、世界的に旺盛なAI関連投資を背景に、演算に使うロジック半導体が同+11%となるほか、記憶用メモリーも同+77%と急回復が予想されています。2025年については、前年比+12%の6,874億米ドルになるとの見通しを示しており、AI関連の需要に加え、環境対応や自動化等の成長領域を念頭に、半導体市場の継続的な成長が期待されています。今後、各半導体メーカーの四半期決算で、足元の業績に加え、経営陣からのそれぞれの分野における需要動向に対するコメントなどを通して、半導体市場全体の動向や、製品別の状況が注目されます。 本日のイベント 前日引け後に「ユニクロ」の5月の国内既存店売上高が前年同月比+8.4%と好調だったと発表したファーストリテイリングの株価動向が注目されます。 (投資情報部 寺田 絢子) (注)データは日本時間2024年6月5日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。 野村オリジナル記事の配信スケジュール ご投資にあたっての注意点
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06/04 16:10
【野村の夕解説】長期金利低下により、日経平均株価は下げ渋る (6/4)
(注)画像はイメージです。 本日の動き 前日に5月ISM製造業景気指数が市場予想を下回る結果となったことを受け、米国NYダウが下落した流れを継いで、本日の日経平均株価は前日比220円安の38,702円で取引を開始しました。また、5月ISM製造業指数による、米国景気の減速懸念から米国長期金利は低下し、円高・米ドル安が進みました。このことが重石となり、日経平均株価は前日比173円安の38,749円で午前の取引を終えました。午後に入ると、10年国債入札の結果を受けて国内長期金利が低下したことから、日経平均株価は下げ渋り、前日比85円安の38,837円で本日の取引を終えました。前日に型式指定の認証不正が報じられた自動車株では、本田技研工業が前日比2.23%下落しました。 本日の市場動向 ランキング 本日のチャート (注)データは15時15分頃。ドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。(出所)Quickより野村證券投資情報部作成 今後の注目点 本日、米国で4月雇用動態調査(JOLTS)が発表されます。7日(金)発表予定の米国雇用統計と併せて、労働市場の動向を確認するための重要統計の一つとして注目されます。日本国内では、5日(水)発表予定の4月毎月勤労統計が、実質賃金の動向を見るうえで注目が集まりそうです。 (野村證券投資情報部 秋山 渉) ご投資にあたっての注意点