第4四半期決算は予想を上回る結果に

ラッセル野村ラージキャップの構成銘柄の第4四半期の売上高と営業利益は前年同期比でそれぞれ+11.8%、+20.7%になったと見込まれます。これは事前に野村證券がトップダウン試算した同+10%、-10%を上回る結果で、原材料の高騰の影響が予想よりも早く緩和していると見られます。

公益・インフラ業種を中心に業績が改善

四半期の営業利益実績がQUICKコンセンサス予想を上回った銘柄の割合は、第3四半期の50.2%から第4四半期にかけて53.9%に上昇しました。特に、公益・インフラ業種では大きな改善が見られ、55.3%から68.6%へと増加しました。これは、燃料費が予想よりも低く抑えられた電力業界や、リオープンの影響を受けた鉄道業界の業績が良好だったことが要因です。製造業では、機械・自動車やエレクトロニクスなどの業種が持ち直した一方、素材業種ではまだ予想を下回る傾向が続いています。

ガイダンスは自動車と鉄道がけん引

2023年度のガイダンスによれば、3月決算企業の売上高と営業利益は、前年比でそれぞれ+1.8%、+4.9%と予想されています。営業利益の増益を牽引する業種は、主に自動車と鉄道と見込まれます。また、営業利益のガイダンスがQUICKコンセンサスを上回った割合は31.6%で、2010年度以降の平均25.4%を上回り、特に製造業でこの割合が例年以上に高い結果となっています。

自社株買いは積極姿勢が維持される

TOPIXの構成銘柄において、4月1日から5月12日までの間に165件、総額2.8兆円の自社株買いの取得枠が発表されました。東京証券取引所の要請にもかかわらず、現時点で日本企業全体の自社株買いに対する姿勢に大きな変化は見られませんが、積極的な姿勢は維持されています。

※売上高と営業利益の集計については金融業種を除く。5月12日までに発表された260銘柄。未発表の銘柄についてはQUICKコンセンサス(予想提供社数3社以上を対象)を用いて補完。

(FINTOS!編集部)

要約編集元アナリストレポート「日本株ストラテジー – 22年度Q4営業利益は前年同期比で増益に(5月15日配信)」(プレミアムプラン限定)

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