中期的に1990年6月高値などを目指そう

日経平均株価は、5月19日に2021年9月高値(終値ベース:30,670円)を超え約33年ぶり高値をつけ、22日には31,000円台に上昇しました。その後は押しを入れていますが、5月中旬の大幅上昇は、3万円台にのせた2021年2月から2年を超える期間に及ぶ日柄調整をこなしてからの大幅上昇です。過去の主要な調整局面を脱するまでの日柄(図1:A-C)を参考とした場合、急騰の反動をこなしつつ、中長期的な上昇トレンドを形成する可能性が高いと捉えられます。

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(注1)月足は終値ベース。直近値は2023年5月25日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。
(出所)日本経済新聞社データ、各種資料より野村證券投資情報部作成

この先、5月23日戻り高値(図2参照:ザラ場ベース31,352円)を奪回となれば、先行きは1990年6月高値(33,192円)や2011年以降の上昇トレンド上限(34,000円前後)の水準を目指す動きとなると考えられます。

押しのメドは25日線などが挙げられる

 一方、 短期的な過熱感から5月23日高値形成後は押しを入れました。仮にこの先さらなる調整となれば、心理的フシの3万円台や、4月27日の調整時に下支えとなった上向きの25日移動平均線(5月25日:29,440円)の水準が下支えとなると考えられます(図2)。

(注1)直近値は2023年5月25日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

4月に続き5月も8連騰、相場の強さを確認

最後に連騰記録についてみてみましょう。5月中旬のチャート上の注目点の一つに、5月11日から22日にかけての8連騰が挙げられます。今回は9連騰には及びませんでしたが、4月7日から18日にかけての8連騰に続く記録であり、相場の強さが窺えます。

(注1)日次終値データより月足チャート作成。直近値は2023年5月25日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。  
(注3)パーフェクトオーダーとは複数の移動平均線が上から短期~長期の順番に並び、向きが全て上向きとなっていることで、強気相場の追認シグナルと捉えられます。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

連騰記録と10年以上の超長期的な相場の方向性(トレンド)の関係をみると、9連騰以上の記録は、戦後から1989年高値までの超長期上昇局面では38回示現しましたが、1989年末高値から2009年3月安値までの超長期下落局面で一度もありませんでした(図3)。しかし、2009年安値形成後は既に8回示現しています。加えて長期チャート上の強気シグナルが相次いでおり、2009年安値を境に新たな超長期上昇局面に入っていると考えられます。

※2023年5月25日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

(投資情報部 岩本 竜太郎)

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