海外市場の振り返り

23日の米国株式市場で、主要3株価指数は揃って下落しました。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁がタカ派のスタンスを改めて表明したことで、利上げ長期化への懸念が広がりました。また、米政府債務上限を巡る問題の交渉に進展がなかったことも相場の重しとなりました。

相場の注目点

前日の日経平均株価は9営業日ぶりに反落となりましたが、日経平均株価が3万円を上回ってきた背景には、①相対的に堅調な日本の企業業績が確認されたこと、②東証の要請に伴い多くの企業が事業ポートフォリオの見直しなど収益性改善に取組むことへの期待感、などがあると考えられます。

足元で、3月決算企業の2022年度通期決算が出そろいました。5月15日時点におけるラッセル野村Large Cap(除く金融)の2022年度の経常増益率は前年度比+7.8%となっています。2023年度は現在見直しが進んでいますが、同+ 3.3%の経常増益と4期連続の増益が見込まれています。資本政策では、東証が3月末に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について(案)」を公表しました。これまでの、企業に資本コスト・資本収益性を意識した経営を求めることに加え、PBRなどの市場評価の検証や改善に向けた方針、具体的な取り組みを明らかにすることを求めています。2023年4~5月の決算発表シーズンでは、多くの企業から低PBRからの脱却を目指す施策が示されました。長期的に資本の収益性を意識した経営を強めることで、更に市場の評価が高まっていくことが期待されます。

(投資情報部 寺田 絢子 )

(注)データは日本時間2023年5月24日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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