海外市場の振り返り

5月25日の米国株式市場では、24日引け後公表したエヌビディア(NVDA US)の好調な売り上げ見通しを背景に、AI(人工知能)関連株の上昇が株高を牽引、SOX(フィラデルフィア半導体指数)が前日比+6.8%と急騰、NASDAQ総合指数が同+1.7%、S&P500株価指数も同+0.8%で引けました。米国の連邦政府法定債務上限問題に関しては、バイデン大統領が「生産的な協議が行われており、交渉は妥結するだろう」との認識を示したことが好感され、フィッチやDBRSモーニングスター社が格下げ方向への見直しを示唆したことがほとんど材料視されませんでした。米債市場では法定債務上限問題を巡る協議への進展期待や堅調な経済統計を受けて、7月会合までの2会合で0.25%ポイントの利上げが完全に織り込まれた一方、年内中の利下げの織り込みは5割程度まで低下しました。市場の政策金利見通しの上方修正を背景にドルは堅調に推移し、ドル円レートは1ドル=140円台まで円安・ドル高が進展しました。野村では、今後のデータ次第ではあるものの、ドル円レートの当面の上値目途は142円程度と見ています。

相場の注目点

市場では米国経済の先行き悲観論が後退し、政策金利見通しや長期金利の上昇に対しても株価は堅調に推移しています。ただし、米国の景気減速見通しが解消されるような状況ではないことから、インフレが予想したペースで鈍化せず、5%台後半までの利上げが必要との見方まで許容できる可能性は依然として低いと考えられます。この点を確認する上で、本日発表の4月PCE(個人消費支出)デフレーターへの市場の反応が注目されます。

(投資情報部 尾畑 秀一 )

(注)データは日本時間2023年5月26日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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