1-3月期決算の減益率は、事前の予想よりも小幅にとどまる

5月19日までに、S&P 500 指数構成企業のうち471社が、2023年1-3月期決算を発表しました。

調査会社リフィニティブの集計では、 2023年1-3月期のEPS(一株当たり利益)は、前年同期比-3.2%と、2022年10-12月期に続き、2期連続で前年同期比減益が予想されています。今回の決算発表シーズンが始まる直前の4月7日時点の集計では前年同期比-7.6%と予想されていましたので、減益率は事前の予想よりも小幅にとどまっています。

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2023年は足踏みも2024年以降は増益基調に復帰へ

今後についてみると、2023年4-6月期は前年同期比-7.9%と、1-3月期よりも減益率が拡大すると予想されています。ただし、2023年7-9月期には同-0.1%と減益率が縮小し、2023年10-12月期は同+8.8%と増益に転じる予想となっています。アナリスト達は2023年後半からは企業業績は回復に向かい、2024年には増益基調に復帰するとみているようです。

次に、年度ベースでのEPS予想についてみると、2023年度は220.07ドルと、2022年度の218.09ドルに対し、小幅増益が予想されています。そして、2024年度以降は、業績が拡大すると予想されています。

独自の技術力やビジネスモデルにより、新商品・サービスが普及し、経済の成長率を上回るペースで利益が拡大する有力企業が、米国には多数あります。また、グローバルに競争力を発揮し、米国以外でも業容を拡大している企業も多数あります。このような米国企業の競争力を織り込み、米国企業の業績は今後、拡大基調が続くと、アナリスト達は予想していると推察されます。

(野村證券投資情報部 村山 誠)

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