
海外市場の振り返り
29日の米国市場はメモリアル・デー(戦没将兵追悼記念日)、英国市場はスプリング・バンク・ホリデーで休場でした。中国景気の先行き不安が株価の上値を抑えているものの、週末(27日)の米国の連邦政府債務法定上限の引き上げに関する基本合意が市場心理の改善につながり、上海総合などのアジア株は概ね小幅高となりました。一方、欧州市場では、重要な経済指標の発表が無く、欧州の複数の市場が休場となる中で薄商いとなり、ドイツDAXは小幅安となりました。
相場の注目点
米連邦債務の法定上限引き上げを巡る問題は、イエレン財務長官が資金繰りが行き詰まるとした6月5日の期限を前に、大詰めを迎えています。5月31日に下院で採決が行われると見られており、上院の採決を経たうえで、大統領が署名し、法案成立に至る流れです。バイデン大統領と共和党マッカーシー下院議長の間で基本合意に達したものの、残された時間は少なく、予断を許さない状況です。今後は、米連邦債務を巡る問題の不透明感が緩和するにつれ、世界景気の先行きや、6月FOMCに改めて焦点が当たると考えられます。
本日のイベント
5月コンファレンスボード消費者信頼感指数が米国で発表されます。米国では、インフレの高止まり、FRBによる金融引き締めスタンスの継続、金融不安や連邦債務の法定上限引き上げを巡る不透明感が消費者心理を悪化させています。米国景気は底堅さを維持していますが、景気を下支えしてきた消費の先行きを占う上で注目が集まります。
(投資情報部 坪川 一浩 )


(注)データは日本時間2023年5月30日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。
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