27ヶ月の日柄調整を経て大幅上昇

6月5日の日経平均株価は、米債務上限をめぐる懸念の払拭を受けて前週末の米国株が大幅上昇した流れを引き継ぎ、大幅高となりました。上昇幅は前営業日比で693円となり、今年最大の上げ幅となりました。

5月に2021年9月高値(終値ベース:30,670円)などのフシを次々と超え、6月5日の大幅上昇で32,000円台にのせ33年ぶり高値を更新しました。

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(注1)月足は終値ベース。直近値は2023年6月5日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。
(出所)日本経済新聞社データ、各種資料より野村證券投資情報部作成

この大幅上昇は、2021年2月から2年を超える期間(27ヶ月)に及ぶ日柄調整をこなしてからの大幅上昇であり、この先、中長期的な上昇トレンドを形成する可能性が高いと考えられます(図1)。

先行きは急騰の反動をこなしつつ、1990年6月高値(33,192円)や、2011年以降の上昇トレンド上限(34,000円前後)の水準を目指す動きとなると考えられます。

1990年6月高値超えとなれば史上最高値が視野に

日経平均株価の超長期チャートを見ると、2010年代からチャート上の強気シグナルが複数(図2:①~③)みられており、新たな長期上昇局面に入っていると考えられます。

(注1)日次終値データより月足チャート作成。直近値は2023年6月5日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

株価は今年5月に2021年9月高値(30,670円)を回復しており、次の上値メドとして1990年6月高値(33,192円)が挙げられます。同高値を超えれば、史上最高値である1989年12月高値(38,915円)の水準を視野に入れる動きとなると考えられます。

(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)

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