海外市場の振り返り

7日の米国株式市場で、NYダウは続伸した一方で、S&P500指数とナスダック総合指数は反落しました。この日は、カナダ中銀による予想外の利上げ再開を受け、米国でも同様に6月FOMCで利上げをいったん休止後、7月に利上げを再開させるとの懸念が高まり、テクノロジー株を中心に軟調な展開となりました。

相場の注目点

足元で、日経平均株価は1990年7月以来およそ33年ぶりの高値となっています。この日本株上昇の背景の一つに、企業の資本効率や収益性改善への期待があるものとみられます。東証は、3月末に上場企業に対し、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について(案)」を公表しました。東証は、従来よりコーポレートガバナンスコードでは、資本コスト・資本収益性を意識した経営配分が重要としてきましたが、現状では、プライム市場の約半分の上場企業がROE8%未満、PBR1倍割れとなっています。今回の要請により、今後、上場企業は自社の資本コストや資本収益性の「現状分析」→改善に向けた「計画策定・開示」→計画に基づく「取り組みの実行」を年1回以上行い、開示をアップデートすることが求められます。今後、各社の開示が増加するタイミングとして、コーポレート・ガバナンス報告書が提出される株主総会後や第1四半期決算シーズン以降が考えられます。足元では、短期間で急上昇した反動に注意が必要ですが、今後、開示等で具体的な動きが確認できれば、株式市場のさらなる追い風になると期待されます。

(投資情報部 寺田 絢子 )

(注)データは日本時間2023年6月8日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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