「Vision Pro」がWWDCの目玉

2023年6月6日にアップル(AAPL US)の開発者会議であるWWDC(Worldwide Developers Conference)が開催されました。発表された主な新製品は、XR(クロスリアリティ)ヘッドセットのVision Pro(ビジョンプロ)、Mac(MacBook Air 15インチディスプレイ、Mac Studio、Mac Pro)、AI機能(自動入力・修正ツール「オートコレクト」の能力向上、留守番電話のテキスト化機能「ライブ・ボイスメール」)などでした。

アップルの参入でXRは活用が本格化へ

Vision Proについてアップルは、新しい「空間コンピューティング」の時代と表現し、デジタルコンテンツと現実世界をシームレスにつなげるツールであると説明しています。ウォルト・ディズニー(DIS US)のボブ・アイガーCEOはWWDCに登壇し、Vision Proでディズニーワールドの案内や、ストリーミング配信でのスポーツの3D視聴ができることなどを説明しました。また、ゲームではユニティ・ソフトウェア(U US)の開発ソフトやゲーム製品がVision Proで使用可能であることを報告しました。マイクロソフト(MSFT US)のExcelやWord、TeamsなどもVision Proで利用可能です。

メディア・ゲーム事業を行うソニーグループ(SONY US/6758 JP)や、OculusブランドでVRヘッドセットを販売するメタ・プラットフォームズ(META US)の株価は、Vision Proの発表当初は下落しましたが、上昇に転じました。アップルの参入でXRの活用本格化による市場拡大の恩恵があると市場が受け止めたためと考えます。

アップルの株価はWWDC開始直前に史上最高値を付けた後下落しました。WWDCに対する期待値が非常に高く株価がすでに上がっていたことや、Vision Proの発売時期が米国で2024年初、米国以外は24年末までと、23年の年末商戦に間に合わなかったことに反応していると推察されます。

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(野村證券投資情報部 竹綱 宏行)

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