海外市場の振り返り

米国株式市場では、主要3指数が揃って上昇しました。8日発表の新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったことで労働市場の需給が軟化したと受け止められ、金融引き締め長期化への懸念が緩和しました。新型コロナの感染後に大きく上昇したVIX指数(将来の相場に対する投資家心理を反映する指数)は、パンデミック後の最低水準を更新しました。米国10年国債利回りは3.7%台前半に低下し、相対的な割高感が薄れた高PER(株価収益率)のテクノロジー株などが堅調でした。為替市場ではドルは幅広い通貨に対して売られ、ドル円は1ドル=138円台まで円高に傾きました。

相場の注目点

株式相場の上昇が続くかは、金融政策が一つのカギになりそうです。13日(火)~14日(水)に開催される6月FOMCは、利上げ見送りとの見方が大勢で、7月以降の利上げ再開の可能性が示唆されるかが焦点となります。日本では15日(木)~16日(金)に日銀金融政策決定会合が開催されます。YCC(イールドカーブコントロール)の修正があるのか、賃金・物価上昇の持続性に対する日銀の評価が焦点となります。

本日のイベント

中国では5月物価統計が発表されます。消費者物価指数や生産者物価指数が市場予想を下回った場合には、中国景気に対する懸念が強まる可能性があります。

(投資情報部 坪川 一浩 )

(注)データは日本時間2023年6月9日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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