欧州企業並みに利益率が引き上がれば、日経平均は45,000円と試算

仮に日本の経済と企業がデフレから脱却すると、国内における値上げが定着し、日本株に大きな影響を及ぼすと予想されます。これまで日本株のPBR(株価純資産倍率)が低かった理由の一つは、ROE(自己資本利益率)の低さ、とりわけ売上高利益率の低さによるものでした。しかし、価格改定という新しい企業戦略の軸が加わることにより、長期的な利益最大化へとつながる可能性があります。

欧州企業の事例を参考にすると、彼らは雇用調整が硬直的である一方で価格変動に対する柔軟性があり、この柔軟性を活用して利益率を向上させています。日本が同じように価格の柔軟性を持つと、企業の利益率も大幅に向上する可能性があります。

具体的なデータを見ると、過去10年間(2013~2022年)の売上高営業利益率は、日本企業が平均で6.63%、中央値で6.74%である一方、欧州企業は平均で9.47%、中央値で9.28%と、欧州の利益率は日本の約1.4倍となっています。もし日本が欧州と同等の利益率を達成すると、ROEも約4割増し、現在の9%から12〜13%へと上昇する可能性があります。

これが現実となった場合、株価はどうなるでしょうか。バリュエーションが変わらないと仮定すると、現在の株価フェアバリュー(2023年9月時点でTOPIXが2,275、日経平均が33,000円)から約4割上昇し、TOPIXは3,200、日経平均は45,000円になると試算されます。これが、デフレ脱却を果たした日本の株価水準の一つの目安となるでしょう。

(FINTOS!編集部)

要約編集元アナリストレポート「日本株投資戦略(7月号) – 24年3月末までの株価見通しを引上げ(2023年7月14日配信)」(プレミアムプラン限定)

(注)画像はイメージ。

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