
少額投資非課税制度(以下、NISA)とは、投資の運用益にかかる税金が一定の枠内で非課税になる制度である。NISA について財務省は、「令和5年度税制改正」において制度の抜本的拡充・恒久化を図り、2024年から新制度のNISA を開始すると公表した。この新NISAと現行のNISAとの主な違いを下表にまとめた。
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新NISAの主な注目点は、現行のNISAよりも全体的に制限が緩和されて投資枠が拡大し、非課税期間が恒久化となり、制度の併用が可能となることである。ただし現行の一般NISA では購入できていた投資信託等の投資対象商品でも、長期の資産形成を促す目的等から外れたとみなされる商品は、新NISA の成長投資枠の投資対象商品外となることは注意しておきたい。成長投資枠の投資対象商品については、投資信託協会がWeb上で商品一覧を順次公表しているため、商品や条件について確認されたい。
新NISA は投資の基本である「長期・積立・分散投資」をより実現しやすい制度となっている。非課税期間を気にすることなく、結婚や不動産購入といったライフイベントのための資産形成ができ、将来必要に応じて資産を売却することで有効活用し、次のライフイベントのために資産形成を再開する柔軟な長期運用が可能になった制度だといえる。24年から始まる新NISA に向けて、制度の確認や投資対象商品の検討など、準備を進めてみてはいかがだろうか。
(野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティング 工藤 由芽子)
※野村週報 2023年7月31日号「資産運用」より
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