※2023年7月27日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

目先の注目点は25日線の明確な上放れ

今週の日経平均株価は、27~28日に開催される日銀金融政策決定会合の結果発表を控えて、投資家の様子見姿勢は強く、上値は限定的となりました。

チャート面として、まずは日経平均株価の日足チャートからみてみましょう(図1)。7月12日安値(31,791円)形成後は値を戻す動きとなりましたが、7月19日・24~26日にかけて25日移動平均線(7月27日:32,754円)に上値を抑えられる動きとなりました。ただ、27日の上昇で7月5日以来となる25日線回復となっており、この先33,000円を超え25日線を明確に上放れることができるかが注目点です。その場合は、6月15・16・19日や7月3日の複数日にわたり高値をつけた33,700円台の水準が次の上値メドとして挙げられます。

一方で25日線に上値を抑えられ再度調整となった場合、7月12日安値(31,791円)や、6月8日安値(31,420円)の水準が下値メドとして挙げられます。

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(注1)直近値は2023年7月27日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

中段保ち合い保ち合い入りと考える

次に中長期的な相場の流れについて確認してみましょう。7月6日~26日にかけて25日移動平均線を割り込んだことで、長期上昇トレンドの途中での一旦の調整局面である「中段保ち合い」に移行したと考えられます(図2)。前回の長期上昇局面(2020年3月安値~)における「中段保ち合い」(2020年6月~10月末)入り後は、一旦の安値形成を経て、25日線を回復し「中段保ち合い」入り前の高値をわずかに超えましたが、その水準で上値を何度も抑えられ結果的に保ち合い継続となりました。同局面を参考とすれば、「中段保ち合い」終了のシグナルとして、6月高値等がある33,700円台の水準を勢いよく突破し、完全に上放れることができるか見極めることが重要だと考えられます。

 (注1)直近値は2023年7月27日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
 (出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

NYダウ、36年ぶりの13連騰

最後に外部環境に目を向けてみましょう。日本株の動きを考える上で重要な米国株式市場で歴史的な記録が生まれました。NYダウが7月26日時点で13連騰(日次ベース)となり、1987年1月の記録に並びました。連騰後の押しには留意が必要ですが、7月に入ってからの相場の強さを象徴する事象と言えます(図3)。

(注1)直近値は2023年7月26日。(注2)トレンドラインには主観が含まれていますのでご留意下さい。(注3)日柄は両橋含む。
(出所)S&Pダウジョーンズ・インデックス社データより野村證券投資情報部作成

(投資情報部 岩本 竜太郎)

※画像はイメージです。

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