FINTOS!編集部では、5月8~9日と15~16日に主要マーケット指標を各日1つ取り上げ、テクニカル分析上の注目点を解説いたします。今後の投資戦略を考える上で、ご参考になれば幸いです。

過去の動向を参考とすると、目先は上昇一服の可能性

 米国長期金利(10年国債利回り)は、昨年3月に0.313%まで低下後に反発に転じましたが、今年の3月に1.774%に達した後は上昇一服の動きとなっています。 

 月足チャートで過去の動向を見ると、それまでの下降トレンドからの戻し局面において、下降トレンドライン(グレー線)ならびに12ヶ月移動平均線を突破した後、いったん上値が重くなる動きが数ヶ月~1年程度あったのが確認できます(色塗り部分)。足元は、昨年3月のボトム水準から約1年かけてほぼ半値戻しの水準まで戻しているほか、12ヶ月移動平均線(5月11日:1.055%)からの上方乖離が進んでいることから、目先はいったん戻しの動きが鈍くなり、今年3月以降の利回り上昇一服の動きが続く可能性が考えられます。

 もっとも、2006年以降の過去3回の戻し局面では、最終的に1年半~2年強かけて直前の低下幅に対する60%以上の水準まで戻しました。これらを参考とすると、今回も当面の利回り上昇一服後は、2018年以降の低下幅に対する61.8%(黄金分割比率)や、2/3戻しの水準がある2%台へ向けて再度利回り上昇となる可能性が考えられます。

(注1)直近値は2021年5月11日。 (注2)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。(注3)日柄は両端を含む。 (注4)図中の12ヶ月線・下降トレンドライン上抜け箇所はすべてを網羅しているわけではない。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

この資料は、投資判断の提供を目的としたものではなく、一般的なテクニカル分析の手法について記したものです。テクニカル分析は過去の株価の動きを表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。 また、記載されている内容は、一般的に認識されている見方について記したものですが、チャートの見方には解釈の違いもあります。

※次回の<チャートの声を聴く>では、ドル円相場を取り上げ、5月16日(日)17:00に配信予定です。

ご投資にあたっての注意点