本日の相場動向

14日の米国株式市場で、NYダウは前日比+360.68ドル(+1.06%)の34,382.13ドルと2営業日続伸となりました。S&P500指数は前日比+1.49%、ナスダック総合指数は同+2.32%と主要3指数は揃って上昇となりました。この日は、前月比横ばいとなった4月小売売上高など市場予想を下回る経済指標が相次いだことを受け、景気回復によるインフレの過度な加速への懸念が後退しました。FRBによる金融緩和策が早期に正常化に向かうとの懸念が後退したことが株式市場に好感されました。
日経平均先物CME終値は28,310円となりました。日経平均株価の前営業日終値(28,084円)を上回る水準です。足もとのドル円相場は1ドル=109円30銭前後で、前営業日の15:00時点の109円40銭台からわずかに円高となっています。
日本では、前週に2021年1-3月期の企業の決算発表の終盤戦のピークとなりました。本日は14日の引け後に発表された企業の決算内容を受けてのスタートとなります。また今四半期の決算発表では電機・精密や機械、自動車など日本企業の競争力が比較的強い分野では世界的な需要が好調だったことから堅調な業績が目立ちました。今後の製造業の動向を見る上では、これらのセクターには引き続き注目が集まります。
本日は中国で、4月小売売上高、4月鉱工業生産、1-4月固定資産投資、1-4月不動産投資などが発表されます。中国は2020年4月に武漢などの都市封鎖を解除し、経済活動が再開していたため、鉱工業生産など一部の指標では前年同月比の伸び率が減速する可能性には注意が必要ですが、力強い回復が維持されれば、日本企業の業績拡大への期待が高まります。
米国では、クラリダFRB副議長の講演が予定されています。発言内容に注目が集まるものの、雇用統計や消費者物価共に単月の結果を受けて金融政策へのスタンスを大きく変更する可能性は低いと野村證券では見ています。
先週末引け後に発表された企業決算や、今週の予定については以下をご覧ください。
・前日の決算速報:<野村の決算速報>KDDI、ゆうちょ銀行、日本郵政、SMC、みずほFG(5/14)
・今週のマーケットカレンダー:ワクチン普及で格差が生じる主要国の景況感 (野村の週間マーケットカレンダー)