
※2023年8月24日(木)引け後の情報に基づき作成しています。
この先25日線上放れとなるか注目
今週の日経平均株価は24日にかけては、これまでの大幅安に対する反動の動きがみられました。ナスダック総合指数を中心として米国株が反発に転じたことで、日経平均株価も戻しを試す動きとなりました(8月24日時点)。
チャート面として、まずは日経平均の日足チャート(図1)を振り返ってみましょう。8月1日高値(33,488円)から調整となり、18日に一時31,275円まで下落しました。ただ、その後は反発に転じ、24日に8月中旬に上値を抑えられた25日移動平均線(24日:32,335円)近くまで値を戻しており、今後同線を上放れる動きとなるか注目されます。上放れとなれば、8月1日高値(33,488円)や6月19日高値(33,772円)のある33,500~33,700円前後の水準を目指す動きとなると考えられます。
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(注1)直近値は2023年8月24日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
一方で、25日線に上値を抑えられて再度下落となった場合は、今年1月から6月にかけての上昇幅に対する1/3押し(31,068円)や、2021年9月14日高値(ザラバベース:30,795円)の水準が下値メドとして挙げられます。
徐々に底堅い動きに移行するか注目
次に中長期的な相場の流れについて確認してみましょう。6月以降は中長期上昇局面内の一旦の調整局面である「中段保ち合い」に移行していると考えられます(図2)。

(注1)直近値は2023年8月24日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成
前回の中長期上昇局面(2020年3月安値~)における「中段保ち合い」をみると、2020年6月に中段保ち合い入りとなってから夏場にかけては不安定な動きがみられたものの、徐々に底堅い動きとなり同年11月には完全に上放れとなりました。今回は8月に一時大幅安となったものの、前回と同様にこの先徐々に底堅い動きに移行してくるか注目されます。
米国10年債利回りは約16年ぶり水準まで上昇
米国10年債利回りは、今年8月21日に昨年10月ピーク(4.335%)をわずかに超え、2007年以来となる約16年ぶりの水準まで上昇しました(図3)。その後、23日に発表された米国8月S&PグローバルPMIが市場予想を下回ったことで、景気減速懸念再燃し金利低下となりましたが、今後再び上昇に転じた場合、利回りが完全に4.3%台を超えるかどうかに注目が集まることになります。

(注1)直近値は2023年8月22日。 (注2)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。(注3)日柄は両端を含む。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成
一方で、昨年10月のピークを超えたことで、2020年3月ボトムから今年8月ピークまでの利回り上昇期間や上昇幅は、さらに伸びることとなりました。例えば、昨年のピークまでの上昇期間は32ヶ月でしたが、今年のピークまでは42ヶ月となりました。また、2006年以降の主要な利回り上昇局面(図中①~③)のなかでも、最長期間である28ヶ月(図中③:2016年7月~18年10月)を大幅に上回っていることから、さらなる利回り上昇は限定的だと見られます。
(投資情報部 岩本 竜太郎)
※画像はイメージです。