上位4銘柄は前月と変わらず キリンや日本製鉄などが急浮上

先月1ヶ月間で新たにFINTOS!ウォッチリストに登録されたトップ10の銘柄をランキング形式でご紹介します。

日本電信電話(NTT, 9432)は、前月に続き1位を維持しました。NTTの株式分割発表以降、同社に対する投資家の関心が高まる中、政府と自民党がNTT法の改正を議論し始めています。この改正とともに、政府が保有するNTT株の売却も検討されており、議論の進展に業界内外からの注目が集まる状況となっています。

ソフトバンク(9434)は、前月の18位から6位に順位を上げました。同社は8月23日にサブブランド「Y!mobile」の新しい料金プランを公表し、これによりY!mobileのARPU(1契約あたりの月間平均収入)が増加する見込みです。ソフトバンクの株価は、9月4日に年初来高値を更新するなど好調です。

キリンホールディングス(2503)は前月にランキング圏外だったものの、7位にランクアップしました。8月8日に発表された決算で、ヘルスサイエンス事業の中核である協和発酵バイオの利益見通しが下方修正されたことなどが嫌気され、株価が下落しました。8月29日の野村のアナリストレポートでは、キリンビールやキリンビバレッジの高い収益性や、収益性を重視した戦略が市場で十分に理解されていないとの見解が示されました。レポートでは、会社が各事業の方向性を詳しく説明することの必要性も指摘されています。

日本製鉄(5401)は、前月の26位から8位に急浮上しました。現在、日本製鉄の株価はおよそ10年ぶりの高水準にあります。8月4日に発表された日本製鉄の決算に関して、野村のアナリストレポートでは、海外の厳しい業況の中でも生産能力の削減や価格の適正化への努力が成果を上げていると評価しています。また、9月2日の報道では、トヨタ自動車(7203)が2024年3月期下期に供給する鋼板の価格を上期から据え置く方針であることが伝えられており、これも注目されています。

日本郵政(6178)も前月の15位から9位にランキングを上げました。日本郵政は、8月14日に上限3,000億円の自社株買いを15日から開始すると発表し、注目を集めました。8月30日の野村のアナリストレポートでは、ゆうちょ銀行株の売却資金の有効利用や日本郵便の構造的な業績改善策が今後の鍵となると指摘されています。

(FINTOS!編集部)

(注1)画像はイメージ。
(注2)各種データは9月4日時点。

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