デフレ脱却に沿った物色動向

8月末以降、海外株式市場が軟調に推移する中、日本株の堅調さが目立ちました。けん引役となっているのは、景気敏感・バリュー・大型の3要素です。2023年5-6月の上昇局面では、高ROE(自己資本利益率)・輸出関連・大型という代表的な優良株が選好されていましたが、様子が異なっています。セクター別に見ると、金融や不動産が上昇しており、これは日本のデフレ脱却に対する投資家の期待を反映している可能性があります。

金融市場では、強すぎる米国景気への懸念もくすぶっています。米金利は上昇傾向にあり、グロース株を中心とした米国株に調整圧力がかかっています。一方、米金利上昇を受けたドル高・円安の進行は、日本の輸出関連株やインフレの恩恵を受けるセクターにとっては追い風となっています。

為替介入のリスクについて考慮することも必要です。介入によるセクター別の相対パフォーマンスへの影響は大きいですが、巨額の円買い介入が実施された昨年の9月22日と10月21日の動きを振り返ると、株価が一方的に下落するわけではありませんでした。

今後、9~11月には多くの海外投資家が日本を訪れる予定です。日本における値上げの定着を体感するとともに、内需株のポテンシャルを再評価することになるでしょう。野村證券では、不動産、システム・アプリケーション、インバウンド関連、食品セクターを引き続き推奨します。

(FINTOS!編集部)

(注)画像はイメージ。

要約編集元アナリストレポート「日本株ストラテジー – 注目点とトピック(2023年9月7日配信)」(プレミアムプラン限定)

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