※2023年9月7日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

8連騰で一時約1ヶ月ぶりに33,000円台を回復

今週の日経平均株価は、前半は円安・ドル高が進んだことなどから、9月5日に約1ヶ月ぶりとなる33,000円台を回復しました。ただ後半は米国株が下落した影響から上値の重い動きとなりました。ドル円相場は、米国金利上昇による日米金利差拡大を受けて、約10ヶ月ぶりに1ドル=147円台をつけました。

それではチャート面として、まず日経平均株価の日足チャートを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は8月18日安値(31,275円)形成後に反発し、8月30日にこれまで上値抵抗となってきた25日移動平均線(9月7日:32,256円)の水準を上抜けました。その後も続伸し、9月5日に約1ヶ月ぶりに33,000円台を回復、6日には8月28日からの8連騰で33,200円台まで値を伸ばしました。この先の上値メドとして、8月1日高値(33,488円)や6月19日高値(33,772円)のある33,500~33,700円前後の水準が挙げられます。

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(注1)直近値は2023年9月7日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

一方で、戻りが鈍く再度下落となった場合の下値メドとして、まずは75日移動平均線(9月7日:32,439円)や25日線(同:32,256円)の水準が挙げられます。

中段保ち合い継続中、上限突破なるか

次に中長期的な相場の流れについて確認してみましょう。今夏の日経平均株価は大きな上昇局面内の一旦の調整である「中段保ち合い」をこなしていると考えられます(図2)。今年8月安値までの下落率は6.8%であり、前回の「中段保ち合い」(2020年6月~10月末)における下落率の7.1%と同程度の調整に留まりました。

(注1)直近値は2023年9月7日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

その後、8月安値から大幅上昇しましたが、6月以降の高値が集中する33,500-700円台を超えておらず、9月7日時点では引き続き「中段保ち合い」の範囲内にとどまっています。日本株のもう一つの代表指数であるTOPIXは既に年初来高値を更新しており、日経平均株価もこの先、中段保ち合い上限を突破し、本格上昇局面に回帰するか注目されます。

TOPIXは年初来高値更新、先行きの上昇余地は?

最後に中長期チャート上の変化があったTOPIXを取り上げたいと思います(図3)。TOPIXは、終値ベースで2023年9月1日に8月1日高値(2337.36pt)を超え、1ヶ月ぶりの年初来高値更新となり、本格上昇トレンドが再開したと考えられます。今春の上昇で既に中長期上昇相場に入っていると考えられるため、一つ前の中長期上昇期間である2020年3月〜2021年9月の局面が参考となります。前回の上昇幅(882ポイント)と今年1月以降の上昇幅(9月6日時点:524ポイント)を比較すると、今後の上昇余地は大きいと考えられます。

(注1) 直近値は2023年9月7日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)東京証券取引所データより野村證券投資情報部作成

また、1980年以降の月足チャートをみると、今年5月以降の大幅上昇を受けて、約30年続く超長期上値抵抗線を上放れしたと捉えられます(図4)。既に1989年高値以降の下落幅の2/3戻し(2155.04pt)を超えており、先行きは同全値戻しであり、史上最高値でもある1989年12月高値(2884.80pt)が視野に入ってくると考えられます。

(注1) 直近値は2023年9月7日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。  
(出所)東京証券取引所データより野村證券投資情報部作成

(投資情報部 岩本 竜太郎)

※画像はイメージです。

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