海外市場の振り返り

11日の米国株式市場は、主要3指数が続伸となりました。イエレン財務長官が10日、「労働市場に大きな悪影響を与えることなくインフレ率を低下させる事が可能」と述べたことや、FRB高官の一部が利上げに慎重になりつつあるとの見解が一部メディアで報道され、追加利上げへの警戒感が和らぎました。また、自動運転用人工知能のために開発したスーパーコンピューター「Dojo(ドージョー)」の本格稼働が好感されたテスラが急伸し、全体を押し上げました。為替市場では、植田日銀総裁がマイナス金利政策解除の可能性に言及したと伝わり、日本の長期金利の先高観から円買いが広がり、一ドル=146円台半ばに上昇しました。

相場の注目点

米国株の上昇が日本株の支えになる一方、日本の長期金利の上昇が高PER株の重石となりそうです。今後は、9月19-20日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を控え、米経済指標に相場が左右される展開が見込まれます。13日(水)に8月消費者物価指数、14日(木)に8月小売売上高など、重要統計の発表が相次ぎます。インフレの鎮静化、消費や景気の減速傾向が見られれば、金融引き締めが長期化するとの懸念が和らぎ、相場の支援材料となりそうです。

本日のイベント

石油輸出国機構(OPEC)及び米エネルギー情報局(EIA)が月報を発表します。足元では原油価格上昇によりインフレ圧力が強まることが懸念されており、原油の需給見通しなどが相場で材料視される可能性があります。

(投資情報部 坪川 一浩)

(注)データは日本時間2023年9月12日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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