
※2023年9月14日(木)引け後の情報に基づき作成しています。
今週(9月11日〜)は、9月9日に報じられた日銀総裁発言を受けて、国内金利が上昇し日経平均株価は下落して始まりました。ただその後は米8月消費者物価指数などのイベントを無難に通過したこと等から上昇基調となりました。
8連投の反動あるも、再び上昇基調へ
チャート面として、まずは日経平均株価の日足チャート(図1)を振り返りましょう。

(注1)直近値は2023年9月14日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
日経平均株価は9月5日に約1ヶ月ぶりに33,000円台を回復し、6日には8月28日からの8連騰で33,200円台まで値を伸ばしました。その後は連騰の反動から一旦押しを入れましたが、再び上昇に転じており、8月1日高値(33,488円)や6月19日高値(33,772円)のある33,500~33,700円前後の水準を目指す動きとなると考えられます。
一方で上値が重く再度調整となった場合は、75日移動平均線(9月14日:32,555円)や25日線(同:32,358円)の水準を維持できるか注目されます。仮に同水準を割り込む場合、さらなる下値メドとして8月18日安値(31,275円)の水準が挙げられます。
「中段保ち合い」をこなしつつある日経平均
次に中長期的な相場の流れについて確認してみましょう(図2・3)。

(注1)直近値は2023年9月14日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成
今夏の日経平均株価は大きな上昇局面内の一旦の調整である「中段保ち合い」をこなしていると考えられます。前回の「中段保ち合い」(2020年6月~10月末)と今回の「中段保ち合い」を比較すれば、下落率と期間の面で前回の中段保ち合いの動きの範囲内に留まっています(図3)。

(注1)直近値は2023年9月14日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成
日柄調整は進展、上放れとなるか注目
今年6月に上値を抑えられてから9月まで既に約3ヶ月が経過し日柄調整が進展しており、この先、中段保ち合い上限であり、6月以降の主要な高値が集中する33,500-700円台を上放れとなるか注目されます。
連騰記録が示す相場の大きなトレンド
日経平均株価は、2023年8月28日から9月6日まで8連騰しました。2023年には4月18日及び5月22日にかけて2回の8連騰があり、今回も8連騰となり、9連騰には届きませんでした。連騰後は一時的に押しを入れる動きとなりましたが、連騰記録がみられるということから、相場の大きなトレンドが上向きである可能性が高いと考えられます。

(注1)日次終値データより月足チャート作成。直近値は2023年9月14日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成
過去に10連騰以上の記録があったのは、戦後から1989年末高値までの約40年の長期上昇局面で20回確認されました。しかし、1989年末の高値から2009年3月の安値までの約20年間に及ぶ長期低迷局面では、何度も値を戻す局面があったにもかかわらず、10連騰以上の記録が一度も確認されませんでした。しかし、2009年の安値形成後は既に3回示現しています。さらに長期チャート上の強気シグナル(図4、図中①-③)が相次いでおり、2009年安値を境に、新たな超長期上昇波動に入っていると考えらえます。
(投資情報部 岩本 竜太郎)
※画像はイメージです。