中位なレーティングでありながら目標リターンが高い銘柄を推奨

足もとの株価上昇を受け、来期予想E/P(株式益利回り、PERの逆数)と平均的なアナリストのレーティングとの間に乖離が生じています(IFISコンセンサスベースを参照)。過去において、レーティングの大きな上方乖離は、コロナショックのように「近い期の業績低迷」と「遠い将来の業績回復」が予想される際に見られる傾向がありました。しかし、現在の状況は大きく異なります。アナリストの目標株価と現在の株価との乖離率(目標リターン)も低下しているため、アナリストのレーティングが高すぎる可能性が考えられます。

多くの場合、アナリストによるレーティングの修正は決算発表後に行われます。今年のQ2決算時には、会社業績予想の下方修正が増えると予想しています。これをきっかけにレーティングが引き下げられると、株価も下落するリスクがあるため、注意が必要です。

レーティングの引き下げリスクに備えるために、足元では「目標リターン」に注目します。これは以下の3つの理由からです。
(1) 目標リターンの高い銘柄はレーティングが引き上げられやすい。
(2) 過去、目標リターンの高低に基づいた投資は安定したリターンが得られた。
(3) 特に9月~10月の決算発表端境期には、レーティングや目標株価の修正が少ないため、この期間の目標リターンはレーティングに反映されていない情報が含まれている可能性がある。

目標リターンが高い銘柄に投資する際のリスクは、目標株価の下方修正です。しかし、目標リターンが高い銘柄は、目標株価の下方修正による株価への影響が限定的であることが多いです。目標株価が下方修正されることもある程度織り込み済みなのでしょう。

目標リターンに基づいた投資は、特にレーティングが中間的な銘柄に対して、有効な傾向があります。これは、レーティング引き上げと引き下げのどちらの余地も大きいことや、投資家間の意見が分かれる銘柄ほど株価水準が重視されるためと考えられます。現在の市況を考慮すると、レーティングが中位でありながら目標リターンが高い銘柄を推奨します。最適な投資タイミングは、レーティング変更の「凪」が終わるQ2決算発表の直前とみます。

レーティング中位かつ高目標リターンの52銘柄

アナリストレポート「日本株クオンツストラテジー – Q2決算でのレーティング引き下げリスクを警戒」(FINTOS!プレミアムプラン限定公開)では、「レーティング中位かつ高目標リターン銘柄」のリストを掲載しています。

(FINTOS!編集部)

(注)画像はイメージ。

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