日銀、主要な金融政策の据え置きを決定

日本銀行は9月21-22日に金融政策決定会合を開催し、大方の事前予想通りマイナス金利政策や10年国債利回りの誘導目標など、主要な金融政策の据え置きを決定しました。日銀が7月会合でYCC(長短金利操作)政策の運用柔軟化を決定、その後も植田日銀総裁を筆頭に政策委員会の一部のメンバーから政策修正に前向きな発言が聞かれたことから、日銀のタカ派化(緩和策の修正に積極的姿勢)を警戒し、長期金利は高止まり、為替市場では決定会合を目前に控え、主要通貨に対して円が上昇していました。このため、政策据え置きの決定を受けて円安が進行しています。ドル円レートは結果発表直前には1ドル=147円台後半で推移していましたが、発表直後には148円台まで円安ドル高が進みました。

本日、15時30分から行われる植田総裁の記者会見では、改めて政策修正に対する総裁のスタンスが注目を集めると見られます。FRB(米連邦準備理事会)は9月20日、政策金利を据え置いた一方で、2024年末の政策金利見通し(中央値)を0.5%ポイント上方修正したことから、市場では米政策金利の高止まりが想定以上に長期化するとの見方が強まり、ドル高圧力が残存する可能性が一段と高まっています。今回の会合で日銀は、今後の政策運営方針を示すフォワードガイダンスも据え置きました。植田総裁が早期の政策修正に慎重な姿勢を強調するようなことがあれば、更に円安が進行する可能性があります。政策為替介入の節目と見られる150円を前に、本邦政策当局の円安警戒感が高まっていると見られる状況だけに、植田総裁の発言が注目されます。

(野村證券投資情報部 尾畑 秀一)

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