日経平均株価は今年に入り大幅上昇となっていたものの、米国長期金利上昇や中国景気減速懸念などを受けて、7月高値(終値:33,753円)形成後は上値を抑えられ、10月4日には一時30,400円台まで下値を切り下げた。

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ただ、波動構成の観点からみれば、今年7月高値形成後の調整は、大きな上昇局面内の一旦の調整である「中段保ち合い」であると考えられる。前回の中長期上昇局面である2020年3月から21年9月にかけての上昇率85% に対して、今年1月安値から7月高値までの上昇率は31% に留まっており、この先の上昇余地が大きいと考えられる。また前回の中長期上昇局面においても、大底から40%上昇した後に「中段保ち合い」の動きがみられた。

次に「中段保ち合い」内の動きに着目すると、今回は、10月にかけての調整によって下落率は9.6%となり、前回の7.1%を上回っている。また7月高値形成後の日柄調整も進展しており、この先、まずは中段保ち合い上限のある33,700円台へ向けた動きとなるか注目される。

尚、月別騰落率(図2)をみると、年間で最もパフォーマンスが悪い9月を過ぎると最もパフォーマンスが良い1月にかけて、パフォーマンスが改善傾向となっている。これら過去の経験則や前述のチャート分析を踏まえれば、年末・年始にかけて再び本格的な上昇トレンド入りとなることが期待される。

(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)

※野村週報 2023年10月23日号「投資の参考」より

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